新型クラウンクロスオーバーの大径タイヤと乗降性の関係は?
試乗したのは、2.5ℓ直4ハイブリッドモデルのG Advanced Leatherパッケージだ。21インチタイヤを履いたモデルだった。といっても、ステアリングを握ったのは別の人(モータージャーナリスト)。筆者は助手席と後席に試乗した。エンジン横置きから縦置きになったとか、プラットフォームがGA-LからGA-Kになったとか、全車4WD化(それもリヤはモーター駆動)されたとか、見所勘所がたくさんある新型クラウンクロスオーバー。実車を目の前にしてみると、そのスタイリングは(クラウンっぽいかどうかは別として)非常に魅力的だった。試乗車は、プレシャルブロンドのボディカラーは、本当に美しかった。
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ミシュラン e.PRIMACY 225/45R21=タイヤ外径736.4mm新型の注目ポイントは、タイヤだ。大径タイヤを履く。
21インチはミシュランe.PRIMACYを
19インチはトーヨー PROXES Sport
を履いている(試乗車)。
タイヤサイズは
225/45R21=タイヤ外径736.4mm
225/55R19=タイヤ外径730.6mm
と、サイドビューで見た際の迫力が充分の大径ぶりだ。
先代クラウンRSは
225/45R18 ブリヂストン・レグノGR001=タイヤ外径660.2mm
だったから、21インチモデルは先代よりも76.2mmも径が大きくなっている。
クラウン クロスオーバー 全長×全幅×全高:4930mm×1840mm×1540mm ホイールベース:2850mm 車両重量:1790kg 前軸軸重1010kg 後軸軸重780kg
ちなみに、同じGA-Kプラットフォームのカムリでもっとも大きいタイヤサイズは
WSレザーパッケージ
235/45R18=タイヤ外径669.2mm
レクサスRXだと
235/50R21=タイヤ外径768.4mm
となる。
前席の乗降性と乗り心地
最低地上高は前型より10mm高い145mm。サイドシル高は高くないが、フロアとの段差もあまりないので、結果としてフロアは高い。というのを事前に頭に入れた上で新型クラウンクロスオーバーに乗り込んでみる(助手席)。ヒップポイントは前型よりも80mm高い。乗り込むのは、確かに楽だ。
ヒップポイント
新型クラウンクロスオーバー:630mm
先代クラウン:550mm
たしかにSUVの「乗り上がる」感じとセダンの「屈みこむ」感じの中間だ。
広報資料を基に作図してみた。赤い横線は最低地上高の145mmのライン。タイヤ径は、広報資料では740mmとなっていたが、21インチの736.4mmで作図した。広報資料によれば、ヒップポイントから275mm下にヒールポイントがある。
実際に助手席に(運転席も同じだろう)腰を下ろして足をクルマのフロアに下ろすと、「あれれ、なんか床が高いなぁ」と感じた。ちょっと違和感を覚えた(慣れると思うが)。
背の高いSUVだったら、たぶんもっとアップライトに座らせるのだろうが、クラウンクロスオーバーは、やはりセダンとSUVの中間(よりちょっとセダン寄り)に座らせる。
最低地上高は145mm(前型は135mm)。ということは、前席のフロア高は地上から355mmということになる。ヒールポイントと最低地上高の間は210mmということになる(もちろん、最低地上高の計測ポイントはもっとも地上に近い一点だが)。
前席のシートは明らかに前型より良い。前型のシートは前後長さが短くて身長175cm(普通体型)の筆者でもなかなかベストポジションがとれなかった。新型のシートはサイズも座り心地も前型から大きく改善されている。
トヨタ・クラウンRS:2.0ℓターボの「スポーツ・クラウン」のアクセルをそっと踏んで400km走った燃費は?2018年デビューの15代目トヨタ・クラウンのRSは、先代までの「アスリート」に代わるスポーツグレードだ。今回は、ノン・ハイブリッド仕様である2.0ℓ直4ターボエンジン搭…motor-fan.jp「クラウンに求められる乗り心地・操縦性」というのが、どういうものを指すのかわからないので、そこは評価できないが、新型クラウンクロスオーバーの助手席は充分に快適だった。フロアが高いという違和感を除けば。ヒップポイントが80mm高くなったことで、窓の外を流れていく景色は、セダンとはちょっと違っている。SUVほどの見晴らしではないけれど、いつものセダンでは見えなかったものが、ちょっと高い視点から見えるのは、前型から乗り換えるクラウン・ユーザーにとってはプラスポイントだろう。
後席の乗降性と乗り心地は?
後席の居住性は高い。4名掛けの場合の乗員の腰の落ち着き具合、フロアの剛性、前席との距離も充分で大変居心地がよかった。今度は後席だ。
後席のヒップポイントは610mmで、こちらも前型より60mm上がっている。後席のフロアは地上から320mm。前席より35mm低いだけで、だいぶ印象が違う。乗り込むのも楽だし、足を置いた際に「あれれ、フロアが高いな」という違和感はなかった。
前後のカップルディスタンスは50mm伸びて1000mm。175cmの乗員が前後に乗っても、後席の膝周りの空間はたっぷりだ。しかも、シートの収まりがとてもいい。しかも、フロアの剛性が高い(床がブルブルすることがない。これは前席も同様)。ちょうど後席のお尻の下にハイブリッドバッテリーが収まっているのだが、それによるネガはない(もしかしたら、フロアの剛性アップに役立っている?)。後席の座った感じは、最近試乗したシトロエンC5 Xにとても似ているのだが、フロア剛性は圧倒的にクラウンの勝ちだ。
新型クラウンクロスオーバーの後席は静かだし、座り心地はいいしで、大変居心地がよかった。前後シート間の会話明瞭性も高い。筆者のボソボソ声でも運転者と問題なく会話ができた。オーディオについては今回は試していないが、期待できそうだ。
リヤにモーターや後輪操舵のデバイスを載せているが、ラゲッジスペースは充分だ。ラゲッジスペースは450ℓで前型から+74ℓ。充分な容量が確保されていた。
ボディサイドから見ると、エンジンが横置きになったことで、フロントオーバーハングが155mm伸びているし、いわゆるプレミアムレングス(フロントアクスルセンターからフロントドアの前端までの距離)も短くなっている。
が、見慣れてくると伸びやかさ、新しさ、1540mmという絶妙な全高で、なかなかカッコイイのだ。本サイトにもこれからジャーナリスト各氏からクラウンクロスオーバーの試乗記が寄せられる。ぜひご期待を。「クラウンらしい」「いや、クラウンはこうじゃない!」と言った論争もあろうかと思うが、まずは、助手席と後席の居心地は「さすが、クラウン」だった。
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みんなのコメント
こんなダサいクルマがクラウンを名乗るなんてなぁ。
幸いクラウンはセダンも後に出る様だし、良いんじゃないですかね。