カブリオレやロードスターなど名称はさまざま
オープンカーとは、日本の車検証表記では「幌型」となる固定された屋根のないクルマのことである。その名称として、「カブリオレ(カブリオ)」、「ロードスター」、「スパイダー」、「コンバーチブル」など呼び名が多数。そう、「ロードスター」というのはマツダ独自の車名ではなく、あくまでも一般名称を車名とした例なのだ。
その「ロードスター」という呼び名は本来2人乗りオープンカーにつけられる名前だとか、欧州車は「カブリオレ」、アメリカ車は「コンバーチブル」と呼ぶべきといった主張もあるが、絶対的なルールとして定められているわけではない。もっとも、同じオープンカーでも地域によって車名が変えられていることもある。
たとえば、フォルクスワーゲン・ビートルのオープンカーが、日本や欧州では「カブリオレ」だが、北米では「コンバーチブル」と呼ばれているのは、市場の認知度に合わせたある種のローカライズ化といえるだろう。
屋根が幌かハードか畳むだけか取り外すかで呼び名が違う
それはさておき、19世紀の自動車には屋根がなく、それどころかドアもフロントウインドウもなかった。その後、雨天や日除けとして骨組みに布を張って凌ぐというカタチになっている。その意味では、オープンカーというのはクルマの本質的なスタイルといえるのかもしれない。
さて、前述したのはオープンカーのさまざまな呼び名だが、そのほかに「リトラクタブルハードトップ」、「デタッチャブルハードトップ」、「クーペカブリオレ」といったものもある。これらは幌(布)ではなく折りたたみ式もしくは脱着式の屋根(金属やFRP製)を持つオープンカーということを示している。
つまり、オープンカーの区別としては、幌の材質が布なのか、それ以外かという識別ポイントがあり、さらに屋根を収納・格納するタイプなのか、取り外すタイプなのかという違いがある。
たとえば、ホンダS660は布の屋根だけを取り外すタイプで、このようにBピラーから後ろが残るスタイルは「タルガトップ」と呼ばれる。ちなみに、同じ軽自動車オープンでいえばダイハツ・コペンのアクティブトップは布以外の素材で作られた屋根を折りたたんで収納するリトラクタブルハードトップに分類される。
(文:山本晋也)
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