現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「アクセル吹かしてエンジン停止」「長時間のアイドリング」! 半ば常識の「旧車の儀式」って本当に意味あるの?

ここから本文です

「アクセル吹かしてエンジン停止」「長時間のアイドリング」! 半ば常識の「旧車の儀式」って本当に意味あるの?

掲載 更新 56
「アクセル吹かしてエンジン停止」「長時間のアイドリング」! 半ば常識の「旧車の儀式」って本当に意味あるの?

儀式化した旧車を労るテクニックは本当に有効なのか?

 このところ旧車界隈が元気だ。かつてはハードルの高い趣味というイメージも強かったが、芸能人がYouTubeで旧車を愛でている様子を見せるコンテンツを多く公開していることも影響しているのだろう。気軽に旧車を楽しめるという雰囲気が広がっている。

ありか? なしか!? 「エンジンの暖機運転」問題がついに決着

 そして、旧車趣味にハマっていくなら独自の儀式、いや今風に言うならルーティンを身につけるのも楽しみのひとつだ。とはいえ、本当に意味があるの? と思うようなルーティンが広まっていることもある。その代表格が「長すぎるアイドリング」だ。

長時間のアイドリングは百害あって一利なし

 たしかに燃料供給装置がキャブの時代の旧車であれば、アイドリングが落ち着くくらいまでは走り出さないほうが運転しやすいが、しっかりと水温が上がるまでアイドリングで暖める必要はない。エンジンをきちんと暖めないと機械が傷むと思いがちだが、アイドリングというのは回転数が低く、吸気経路も絞った状態のためエンジンの負担が大きい。その状態で長時間放置するというのは愛車を守っているようで、逆の行為だ。

 さらにいえば、旧車はアイドリングでの排気音やエンジンノイズも大きく、周囲の人にネガティブな感情を起こさせてしまう。旧車を思う存分楽しむためには社会が受容してくれる状況をつくることも重要で、その意味でもアイドリングが落ち着いたら、スッと走り出して、エンジン回転を不要に上げないように走って暖機をすすめるほうがスマートだ。

 またネオヒス(ネオヒストリック)ではターボエンジンを積んでいることが多く、そうなるとアフターアイドリングをするオーナーも多い。たしかに当時モノのターボチャージャーを守るにはエンジンをすぐに切らず、しばらくアイドリングしてターボチャージャーのシャフト部分を十分に冷やし、潤滑している状態にしたい気持ちは理解できる。

 ただし、1980年代後半から90年代のターボエンジンであれば、さほどアフターアイドリングは必要ない。こちらも近所の人にイヤな目で見られるリスクがある。ギリギリまで全開で走っているのであればまだしも、街乗りレベルの走りであれば、さっとエンジンを切るようにしたい。

 いずれにしても旧車やネオヒス系のクルマはオルタネーターなどの発電装置の性能が弱っていることが多く、長時間のアイドリングはバッテリーからの持ち出しになってしまう。つまりバッテリーを傷めることにもなりかねない。とくにかく百害あって一利なしなのだ。

エンジンを切る直前にアクセルを吹かす意味は?

 さて、エンジンを切るときに「ブォン」と一度吹かしてからキーをオフにするというのをルーティン化している人も多い。こちらは、はっきり言ってなんの意味もない。

 なんとなくマフラー内にたまった水分が一気に飛んで行ったり、はたまたシリンダー内の生ガスが飛んでいったりするようなイメージはあるが、そんなことはない。よくよく考えればわかるように吹かしたときにシリンダー内に吸い込んだ混合気が残ってしまうリスクのほうが大きかったりする。もっとも、よほど熱価が高いプラグを使っていてかぶりやすいセッティングでない限りは、生ガス云々を心配する必要もない。完全に無駄な行為だ。

 なんとなく気分がいいというくらいで、エンジンオフ前の空吹かしがクセになっているのであれば、早めに止めたほうがいい。昭和の伝統を無理に受け継ぐ必要はない。

エンジン始動前のアクセルペダル操作の意味は?

 一方で、エンジン始動前にアクセルペダルを踏むというルーティンは、クルマによっては必要だ。わりとシビアなキャブを付けたエンジンでは、アクセルペダルを踏み込むことで始動性を良くすることもあるし、アイドルアップの代わりにアクセルを少し開けた状態を維持することが求められることもある。

 とはいえ、ほぼ電子制御のインジェクターになっているネオヒス世代のクルマにおいてはエンジン始動前などにアクセルペダルを踏むのはまったく意味がない。むしろ始動時にエンジン回転数を上げることは内部を傷めることにつながってしまうので、アクセルは完全に閉じたままエンジンを始動するのが正解だ。

番外編:蛇行するだけじゃタイヤは温まらない!!

 ここまではエンジン関連をテーマにしたが、最後に紹介するのは旧車ファンのみならず走り屋系のユーザーもやっているタイヤを温めるための蛇行運転だ。

 はっきり言って、ステアリングを切って蛇行するくらいではストリートラジアルの温度は上がらない。蛇行運転でタイヤを温めるには、タイヤ自体がギュッと潰れるくらい負荷をかける必要があるが、それはスピン一歩手前のようなリスキーな運転だ。そして、本気の蛇行運転は公道で行なうのは危険すぎる。絶対にやってはいけない。

 そもそもストリートでタイヤを暖める必要はないし、旧車やネオヒスでそのような負担のかかる走りをするのは愛車を傷めるだけだ。むしろ車体やブッシュの強さを考えると、現代のハイグリップタイヤを履かせないほうが愛車のためになるといえるのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

違いは歴然!! 新型[アコード]は気持ちいいクルマに! 更なる進化に向け今後期待したいことは?
違いは歴然!! 新型[アコード]は気持ちいいクルマに! 更なる進化に向け今後期待したいことは?
ベストカーWeb
新型[ハリアー]は大変身!? 新開発エンジンでボンネットが超低く!! 1.5Lターボ搭載のハイブリッドで登場なるか
新型[ハリアー]は大変身!? 新開発エンジンでボンネットが超低く!! 1.5Lターボ搭載のハイブリッドで登場なるか
ベストカーWeb
地球の自転を感じながら南へまっすぐ1000キロ走破! 赤土のアウトバックを時速120キロで爆走…受付閉鎖3分前にギリギリセーフ!!【豪州釣りキャンの旅_14】
地球の自転を感じながら南へまっすぐ1000キロ走破! 赤土のアウトバックを時速120キロで爆走…受付閉鎖3分前にギリギリセーフ!!【豪州釣りキャンの旅_14】
Auto Messe Web
ハジャルの起用は“育成プログラムのコンセプトの証明”。RB代表は「アイザックと裕毅は素晴らしいチームになる」と期待
ハジャルの起用は“育成プログラムのコンセプトの証明”。RB代表は「アイザックと裕毅は素晴らしいチームになる」と期待
AUTOSPORT web
アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
アイザック・ハジャルがF1昇格。RBが2025年の起用を発表「チームのためにベストを尽くす準備はできている」
AUTOSPORT web
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
計29サイズ! ブリヂストンが新型タイヤ「REGNO GR-X III TYPE RV」を発売へ! ミニバン・コンパクトSUV向けに深みを増したタイヤとは!?
くるまのニュース
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
AUTOCAR JAPAN
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
AUTOCAR JAPAN
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
グーネット
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
AUTOSPORT web
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
AUTOSPORT web
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
くるまのニュース
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
AUTOCAR JAPAN
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
AUTOSPORT web
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
AUTOSPORT web
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
乗りものニュース
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
くるまのニュース

みんなのコメント

56件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村