GPライダーを間近で見られるパドックは夢の空間
皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。
遂に開幕したMotoGP日本グランプリ! 走行1日目はハーフウェットコンディションながらも大迫力
2024年10月4日から6日に開催された、MotoGP世界選手権シリーズ第16戦日本グランプリ。各クラス白熱した展開と素晴らしいバトルが繰り広げられ、大盛況のなかで幕を閉じました。
日本人ライダーも大活躍で、僕も未だに興奮が冷めやらない状態ではありますが、感じたことをレポートしていきたいと思います!
まず、こんなにも自分以外のライダーが出ているレースを、間近で観戦したのは初めての経験でした。それも、「メディア」という立場で。
外から見るよりもより近く、様々な角度から深く見ることで、今まで見えてこなかった部分を感じられた素晴らしい機会になりました。
単純にレース以外のインタビューや取材、ファン対応など、あれこれをこなさなくてはならないGPライダー達。それを取り上げる様々なメディアやスタッフの人々。ファンを盛り上げるためのイベントに携わる方々。
レースを開催、あるいはより良いものを作り上げるべく、本当に沢山の人達が関わり支えているんだなと、今回客観的に見ることで、新たな気づきや改めて感じられた事が多くあった3日間でした。
そしてなにより純粋に楽しかった。やっぱりバイクレースは面白い!そんな、時には忘れてしまいそうになる根本的な感情を、熱く蘇らせてくれた、そんな今年の日本グランプリでした。
これまで何度も日本グランプリには観戦に来たことはありましたが、そのほとんどが純粋に観戦を楽しむという、いわゆるプライベートだったのですが、今回僕は3日間の全てをパドックの中で過ごしたので、実はグランドスタンド側のブースだったりイベントには行けませんでした。
でも、パドックの中にはファンにはたまらない発見などが多いんです。その一部を紹介します。
例えば、これはライダーや関係者が移動用で使用するスクーターですが、グレッシーニレーシングのマルク・マルケス選手が使用していたスクーターは、ヤマハ「JOG」。
マルケスの移動は「JOGなんだ~」っていう(笑)ちょっとした発見だけど面白い。
他にはMoto2クラスのアメリカンレーシングは、アプリリアの「RS125ストーム」。シンプルに初めて見るバイクで、新鮮でした。
Monster Energy Yamaha MotoGPはもちろんヤマハのスクーター。日本グランプリ仕様のカラーリングで可愛くラッピングされていて、メーカー側のおもてなしの心が現れていました。
レースも見所盛りだくさん
パドックパスさえあれば、ヒーローウォークでお目当てのライダーを見られたり、直接触れ合える可能性があるんです。
また、サインをもらえたり、実際のマシンを間近で見られたりと、GPの雰囲気を存分に味わえるので、是非日本グランプリに来た際は、パドックへ行ってみてほしいです。
他にも、プレスルームにいると予選や決勝のあとにライダーがやってきて、メディアのインタビューを受けます。母国語と英語を交互に話してくれるので、英語でのインタビューが始まると多くのメディアがライダーに駆け寄ります。
次々とライダーが入ってくるので、インタビュー待ちのライダーも居て、その間に水分を摂ったり、リラックスしている姿も垣間見れました。
僕自身も1ファンとしてこの距離感は滅多に見られないのでテンションが上がりましたし、レース後の生のコメントを聞けるのは、かなり貴重な機会でした。
レースはMoto3クラスでダビド・アロンソ選手が優勝し、タイトルを獲得。チェッカー後のパフォーマンスはこれまでのキャリアをまとめた動画がモニターに流され、素晴らしい瞬間を生で見ることができて感動。
パルクフェルメでの彼のインタビューでは、こちらまで涙が出そうになりました。
Moto2クラスはスタート直後の降雨で1周目に赤旗中断と、波乱のスタート。微妙なコンディションでタイヤ選択が分かれる中、日本の小椋藍選手はスリックを選択。
レース再開後は次第に路面が乾き、見事に追い上げて2位表彰台を獲得しました。
チャンピオンシップリーダーという取りこぼせない状況の中、ギャンブルにでた事自体が素晴らしい判断で、一方で本人的にはギャンブルではなく当然の判断だったのかな?とも思えてしまうほど、今年の小椋選手は強いし持っているという印象。
そんな彼を見て、今年のタイトルは小椋選手が取るんだなと僕の中では確信に変わったレースでした。
MotoGPクラスはチャンピオン争い真っ只中の、Ducati Lenovo Teamのフランセスコ・バニャイア選手が終始リード。
スタートから1度もトップを譲ることなくそのまま優勝し、2番手のホルヘ・マルティン選手が常に1秒以内にいる中で、ミスなくギャップを保ち続けたその精神力は流石チャンピオンと言ったところ。改めてバニャイア選手の強さを目の当たりにする事ができました。
そして、レギュラーライダーとしては最後の母国グランプリとなった中上貴晶選手。粘り強い走りで熱いバトルを魅せてくれ、心からお疲れ様でした!という気持ちに。
そんなこんなで今年のMotoGPは閉幕。レース終了後は、感激で胸いっぱいな感覚とお祭りが終わってしまった寂しさを感じながら帰路につきました。
1年間、日本グランプリを楽しみにしていたファンの方々ならきっと同じ気持ちでしょう。
また1年後を楽しみに、僕もライダーとして頑張っていきたいと思います!
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みんなのコメント
ウーパールーパーに見える。
ここまでしてタイヤを潰さないとアカンのか。
タイヤメーカー、交代しないかな。