フランスのアルピーヌは9月14日(月)、2021年のWEC(世界耐久選手権)参戦プログラムについての発表を行ない、LMP1に挑戦することを明らかにした。
ルノー傘下のブランドであるアルピーヌは、2015年からフランスのレーシングチーム、シグナテックと組み、『シグナテック・アルピーヌ』としてWECのLMP2クラスに参戦してきた。しかし、この度ルノーグループの組織再編が行なわれたことにより、モータースポーツにおけるアルピーヌブランドのステップアップが加速している。
■WECで2021年導入予定のLMH規定が一部修正。LMDhとの性能均衡化が目的
先日は、ルノーF1チームが2021年から『アルピーヌF1チーム』へと名称変更することが発表されたばかりだが、この耐久レースの世界においても、アルピーヌは最高峰カテゴリーに挑むこととなった。
チーム名称は『アルピーヌ耐久チーム(Alpine Endurance Team)』。マシンはオレカ製シャシーにギブソン製エンジンというパッケージのLMP1マシンがベースとなる模様。マシンを一から開発する必要性がないこともあり、プロジェクトは11月に本格始動し、諸々の確認作業を経た後、来年3月に予定されている開幕へ臨むことになる。
来季の最高峰クラスには、トヨタ、グリッケンハウス、バイコレスといったマニュファクチャラーが参戦を表明しており、彼らは既に独自のハイパーカー開発に着手している。つまり同クラスはハイパーカーとプロトタイプカーが混在することとなるが、BoP(性能調整)によって戦力の均衡化が図られるという。
なお、アルピーヌのマネージングディレクターであるパトリック・マリノフは、来季のLMP1挑戦に伴い、シグナテック・アルピーヌによるLMP2クラスのプログラムは今季限りで終了すると明らかにした。
気になるマシンのカラーリングやドライバーラインアップは後日発表とのこと。ドライバーの選考基準について、シグナテックのフィリップ・シノー代表は次のように語った。
「ドライバー選びは成功への鍵となるため、正しい選択をするためにしっかりと時間をかけて決めたい。重視するのはふたつの点で、まずは経験を積んでいるドライバー、そしてもうひとつはレベルの高いドライバーだ」
「ただチームワークも重要なので、シグナテック・アルピーヌと円滑に仕事ができるドライバーであることも重要だ」
LMP2クラスのシグナテック・アルピーヌは今季、トーマス・ローラン、アンドレ・ネグラオ、ピエール・ラゲという3人のドライバーを起用している。ドライバーライセンスはローラン、ネグラオがゴールド、ラゲがシルバーとなっているが、シノー代表曰く、シルバードライバーの起用義務がない最高峰クラスではゴールドドライバーまたはプラチナドライバーを中心に起用を考えているという。
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