現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【平成クルマ遺産(9)】グローバルコンパクトがやってきた! フィットが起こした革命

ここから本文です

【平成クルマ遺産(9)】グローバルコンパクトがやってきた! フィットが起こした革命

掲載 更新 1
【平成クルマ遺産(9)】グローバルコンパクトがやってきた! フィットが起こした革命

世界に通用する小さなクルマとして仕立て上げられた平成生まれのコンパクトカーは、世界の自動車作りを大きく変えた。今回はその革新的なパッケージングで現在もこのセグメントを牽引するホンダのフィットを紹介しよう。

ホンダらしい革新のコンパクトカー
トヨタがヴィッツの投入で国産コンパクトカーの世界に新風を吹き込んでから2年後。平成13年(2001年)6月、ホンダはロゴの後継車として同社の持てる技術の粋を込めたコンパクトな世界戦略車を発表した。それがフィットだ。

【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?

初代シビック以来、ホンダが設計思想としてきた「マン・マキシマム、メカ・ミニマム」を極限まで突き詰めたパッケージングは、ついに燃料タンクを前席の下に配置したセンタータンクレイアウトという斬新なパッケージングを生んだ。それによる居住空間の拡大はまさにエポックで、従来のコンパクトカーとは一線を画す本格的なハンドリングやクラスを感じさせないデザインも相まって大ヒットとなった。平成15年(2003年)には年間販売台数で33年間トップに君臨してきたカローラを抜いてトップの座に就く。そして平成19年(2007年)には国内販売累計100万台を突破した。

フィットの登場がいかにエポックだったかは、そのプラットフォーム戦略にも表れている。今となってはひとつのプラットフォームからさまざまな車種を生み出すことは当たり前になっているが、当時はまだプラットフォームの概念そのものがあいまいで、クルマごとに実質的な専用プラットフォームが与えられていた時代。ホンダは「グローバル・スモールプラットフォーム」と呼ぶ新プラットフォームをいち早く開発し、以後、クラスごとに車種をまたいだプラットフォームの共用化(と商品企画)を急速に進めたのだ。新しい時代のクルマ作りの幕開けである。同様の手法は,その後、世界中の自動車メーカーが採用し、今日のようなモジュラー化へとつながっていく。

初代:平成13年(2001年)6月21日発表・6月22日発売
ホンダが世界市場を見据えて開発した「グローバル・スモールプラットフォーム」は前述のようにセンタータンクレイアウトという世界初のパッケージングを実現した。フィットはその採用第1弾で、その後同プラットフォームは3代目欧州シビックを始めさまざまなクルマ(モビリオ、モビリオスパイク、フィットアリア、エアウエイヴほか多数)に使われるなど、クルマ作りに大きな変革をもたらした。

とにかくそのスペース効率の良さは、他のコンパクトカーを寄せ付けないもの。外観からは想像できない空間を実現するだけでなく様々なシートアレンジを可能にして利便性でも群を抜いた。欧州車風に味付られた足回りもリアのストロークがやや不足気味であることを除けば、それまでの国産コンパクトにはない乗り味だった。当初は1.3L+CVTのみでスタートし、平成14年(02年)には1.5L車も追加。ともにその優れた燃費性能でもライバルを圧倒した。日本を始め計6ヵ国(タイ、中国、ブラジル、インド、フィリピン)で生産され、世界中に輸出された。

2代目:平成19年(2013年)9月5日発表・9月6日発売
全長3900×全幅1695×全高1525mmとやや大きくなるもプラットフォームは踏襲。国内仕様のエンジン排気量1.3Lと1.5Lだが、新たにi-VTEC化され、特に1.5Lは高出力(120ps)を狙ったセッティングとなった。同エンジンが搭載されたスポーティグレードのRSにはクラス初の6速MTが搭載されている。さらに平成22年(10年)には1.3Lエンジンに1モーターのIMAシステムを組み合わせたハイブリッド車を追加した。CVTだけでなく6速マニュアルミッションの組み合わせも可能だったのは、IMAシステムならではだ。なおこの代からイギリスでも生産を開始している。

3代目:平成25年(2010年)12月22日発表・発売
新設計プラットフォーム(センタータンクレイアウトは踏襲)により全長、全高ともさらに大きくなるが、全幅は1695mmをキープ。さらに、エンジンのDOHC化、新ハイブリッドシステム(SPORT HYBRID i-DCD)の採用など、使い勝手、環境性能などすべてをワンランクアップさせて登場した。なかでもハイブリッド車の開発・販売に重点が置かれ、ホンダの電動化を推進する役割を担った。またプラットフォームやパワートレーンを共用するコンパクトSUV「ヴェゼル」が平成25年(2013年)12月発売されてこちらも大ヒットとなっている。

その後のフィット
令和元年10月の東京モーターショーで4代目フィットがワールドプレミア、今年2月から発売が開始されている。新型は2モーター式の新型ハイブリッドシステム「e:HEV」を採用した1.5Lハイブリッドをメインに、1.3Lガソリンエンジン搭載車もラインアップする。さらに全車に先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備するなど、時代の要請にもしっかり応えている。発売後1カ月(2020年3月)の受注は1万4845台で、同月首位のカローラに次ぐ第2位の好スタートを切っている。

[ アルバム : はオリジナルサイトでご覧ください ]

[ アルバム : 歴代フィットと仲間たち はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
レスポンス
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
AUTOSPORT web
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
AUTOSPORT web
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
VAGUE
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
レスポンス
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
Auto Messe Web
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
Webモーターマガジン
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
motorsport.com 日本版
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
WEB CARTOP
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
AUTOSPORT web
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
WEB CARTOP
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
Webモーターマガジン
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
レスポンス
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
くるまのニュース
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • これのせいでトヨタのコストダウンが加速したイメージ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村