この記事をまとめると
■各国の自動車保有率が数値化されている
どの車種もどこでも買える販売チャンネルの統合は一見メリットだらけ……だがマイナス面もある! じつは車種と販売店の「リストラ」も目的のひとつだった
■アメリカは2.96人に1台となり日本は1.98人に1台という数値が出ている
■サンマリノ共和国0.79人に1台という数値でトーゴ共和国は500人に1台という割合だ
各国の自動車保有率が面白い
国内でクルマが一家に1台がデフォルトとなったのは、そう遠い過去ではない気がします。同様に、一家に2台、3台となったのも、さほど昔のことでもないでしょう。世界を見まわしてみると、自動車の普及率というのは千差万別で、一家に1台なんて夢のまた夢という国だって珍しくありません。
こういったデータは自工会や通産省が詳しいのですが、ちょっと面白い数字を見つけました。人口1000人あたりの自動車保有台数でトップといえば、思い起こすのは自動車王国アメリカ! かと思いきや、意外な国が追い越していました。それは日本でもなく、中国でさえなく、F1グランプリで知られるあの国だったのです。
最初にお断りしておくと、ご紹介するデータはソースによってまちまちでして、上述の自工会や通産省、はたまた彼らが雇うグローバル系シンクタンクなどによって違いが生じています。ともあれ、それほど真剣な記事でもないので肩の力は抜いていきましょう(笑)。
さて、全世界の自動車保有数をトータルで見ると、2021年に15億7130万台となり、人口1000人当たり200台、5人に1台ほどに普及している計算。これを聞いて真っ先に「ええ~⁉」と嘆くのはインドに違いありません。なにしろ、かの国では35人に1台という状況ですから、列車の屋根が乗客でいっぱいになるのも納得です。
ちなみに、自動車の保有台数は中国とアメリカが3億台弱で他国をリードしていますが、普及率でみると中国は5人に1台と平均的である一方、アメリカは2.96人に1台。日本は1.98人に1台ですから両大国を大いに突き放しているわけです。自動車生産国としては優秀、というか当然の数字といえるのではないでしょうか。
1人1台以上の計算になる国も
ですが、この1.98人という変な数字を軽くぶち抜く国がありました。数値としては0.79人に1台、平たくいえばひとり1台以上のクルマを保有しているわけで、インドの皆さんが奥歯かみしめちゃうわけです。どこの国かといえば、ずばり「サンマリノ共和国」。クルマ好きでなくともサンマリノGPくらいは耳にしたことがあるはず。
ですが、イタリアの端くれ(ちょうどふくらはぎのあたり、世田谷区くらいの面積しかありません)みたいな国が、どうしてインドも羨む自動車保有率になっているのかは謎(笑)。おそらくは、敬虔なキリスト教徒が人口の大半を占めるため、「キリストさまのお導き」とかなんとか理由があるのでしょう。
ちなみに、サンマリノGPはイタリアでのF1が商業的に成功すること、イモラがご当地コースになるフェラーリの思惑が相まって開催されることになったそうですが、当時FIAの大ボスだったバーニー・エクレストンが無責任にも「どうせイタリアで2戦やるならバチカンGPでもいんじゃね」といったところ、ローマ教皇でなくエンツォ・フェラーリから怒声を浴びせられたという噂も。それくらいキリスト教徒は敬虔な信者、ということなんでしょうね。
さて、贅沢なサンマリノの保有状況を羨ましく思っているのはインドだけではないかもしれません。じつはアフリカのトーゴ共和国こそ1000人に対してクルマが2台という猛烈ぶり(笑)。つまり、500人に1台の割合という「もう、クルマなんてないも同然」な環境です。あまり豊かでないのかなと、調べてみるとGDPは世界191カ国中で150位と上ではないけど最下層でもない。しかも、GDPの内容を見れば40%が農業という手堅い経済地盤に加え、リン鉱石、セメント、金といった外貨獲得手段もあるとくれば「ひょっとしてクルマ嫌い?」なのかと。
この謎は、トーゴの南北に細長い国土に理由がある気がします。国土のもっとも細いところは東西に40kmほどしかなく、またコーヒーが採れるという山間部も標高900mがせいぜい。ようするに移動にさほど苦労は生じなさそうという土地柄なのです。となると、現地の人々はクルマよりもバイク、バイクよりも自転車、ペダルをこぐくらいならロバ乗ろうぜ! ロバよりラクダのほうが荷物つめるじゃん! バカめ、ゾウなら荷物だけでなくて家族全員乗せてくれるんじゃ! みたいな理屈かもしれません(笑)。
いずれにしてもサンマリノは贅沢な保有率なのか、トーゴの「クルマがなくてもなんとかなる」環境がいいのか、これからの日本が目指すべきは一体全体どちらなんでしょうかね。
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