現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 中国でカスタムカーを見かけない理由とは? 厳しい車検制度のせいで自由に改造を楽しめません【Key’s note】

ここから本文です

中国でカスタムカーを見かけない理由とは? 厳しい車検制度のせいで自由に改造を楽しめません【Key’s note】

掲載 16
中国でカスタムカーを見かけない理由とは? 厳しい車検制度のせいで自由に改造を楽しめません【Key’s note】

スポーツカーは多いのに改造車がいない!?

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「中国に改造車がいない理由とは」です。いまや世界一の自動車販売台数を誇る中国市場。輸入スーパースポーツモデルなども多く走っており、多くのクルマ好きがいると推測されます。しかし、ホイール交換など手を加えているユーザーがいないのです。その理由は、中国の厳しい車検制度にあるようです。

中国でEVメーカーが爆増! ただし生き残れるのはたったの3社!? どうしてメーカーが乱立しては消えていくのでしょうか【Key's note】

車検制度が厳しくホイールすら変更できない

中国でのクルマの販売攻勢は止まることを知らないかのようですね。2024年の自動車販売台数は3000万台を超えると予想されています。15年連続で世界一になることは確実です。

そんな爆上がりの中国自動車市場ですが、カスタム文化の話題を見聞きすることはありません。雨後の筍のようにあれほど多くの自動車メーカーが誕生し、さまざまなニューモデルがデビューしています。となれば、カスタムすることで個性を主張したくなるのがクルマ好きの道理なのですが、カスタムブランドを耳にすることはありません。

「中国人は、改造が嫌いなのかぁ」

僕の友人が、訝しそうに指摘しました。実際に中国を走っていても、改造車を目にすることはありません。僕が訪れたのは北京や上海、あるいは香港に近い珠海です。経済的に発達しており、世界の高級車にあふれています。フェラーリやアストンマーティンなどが、富裕層の下駄がわりに走っています。そうした人々は世界にアンテナを張っていますし、多くの先進国がそうであるように、マイカーの改造願望が芽生えてもいいはずです。だというのに、カスタムカーを1台も見ることがないのです。

中国にカスタムブランドがない理由は明確です。中国の車検制度は驚くほど厳しいからです。一切の改造が許されず、新車販売の状態を完璧に保っていなければ、車検を合格させることはできません。クルマの外観を大きく変えるようなエアロカスタムは当然のこと、ホイールの変更も許されないというのですから、可哀想に感じますよね。

車高の変更も認められません。ほとんど走行性能に影響することのないカラーリングの変更すら許されないというのです。外観を著しく変更させないブレーキパッド等のブランド変更は許されているそうですが、大胆なチューニングはご法度というのは、いかにも社会主義国家らしいですね。

マイカーを改造しつつ、車検の際にノーマルに戻す方法も考えられますが、中国では道という道には公安に直結したカメラが設置されており、日々監視されています。改造が見破られればすぐに警察官がやってくるといわれています。逮捕される危険を犯してまで改造するユーザーがいないのも道理ですね。

見た目ではすぐわからないブレーキパッド交換などは人気

挑むとしたら、外観から悟られないパワーユニットの改造や、サスペンションの変更などでしょうか(車高が変わるとアウトですが……)。ブレーキパッドは安全性を高めるものですし、外観を著しく変化させないものとして人気のようです。

ただし、多少は規制緩和の傾向にあるようですね。新車購入後の車検が2年から6年まで延長されました。日本よりも緩いのです。新車購入6年目から10年目までの車検サイクルも、1年から2年に緩和されています。

監視カメラから逃れなければならない点は変わりはありませんが、次回の車検までの猶予が延ばされたことで、密かに改造を楽しむことができるようにはなったようです。

それを象徴するように、改造車を集めたイベントは盛況のようです。日本のカスタムブランドも人気だといいます。中国の改造規制が緩和されれば、一気に経済が動く可能性もあります。世界一の自動車大国ですから、そうなればとてつもなく巨大なカスタムワールドが開けることになります。世界中のサードパーティーのメーカーは、虎視眈々とその時を待っているのかもしれませんね。

こんな記事も読まれています

DSの新コレクション、「サン=テグジュペリ」の映像公開…「旅は芸術」のビジョンを表現
DSの新コレクション、「サン=テグジュペリ」の映像公開…「旅は芸術」のビジョンを表現
レスポンス
ベントレーが黒をアクセントに採用した日本限定モデル「コンチネンタルGTアズール ラスト・オブ・ライン コレクション」を発売
ベントレーが黒をアクセントに採用した日本限定モデル「コンチネンタルGTアズール ラスト・オブ・ライン コレクション」を発売
@DIME
ポルシェ911カレラのようなホットハッチ──新型GRヤリスGR-DATモデル試乗記
ポルシェ911カレラのようなホットハッチ──新型GRヤリスGR-DATモデル試乗記
GQ JAPAN
ホンダが斬新な「小型SUV風ミニバン」初公開! ゴツい“タフ顔”に「3列シート」搭載!「新型フリードクロスター」の魅力とは!
ホンダが斬新な「小型SUV風ミニバン」初公開! ゴツい“タフ顔”に「3列シート」搭載!「新型フリードクロスター」の魅力とは!
くるまのニュース
ドライブスルー中古車査定が登場…強みは「スピードと会話の短縮」
ドライブスルー中古車査定が登場…強みは「スピードと会話の短縮」
レスポンス
【MotoGP】スピードはあるのになぁ……ドゥカティシート争いで蚊帳の外なバスティアニーニ、ぼやく
【MotoGP】スピードはあるのになぁ……ドゥカティシート争いで蚊帳の外なバスティアニーニ、ぼやく
motorsport.com 日本版
2024スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』参加条件
2024スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』参加条件
AUTOSPORT web
ホンダのスクーター第2弾「ジュノオM型」は「E-クラッチ」の元祖? 世界GP初優勝の年に市販した変速機の革命
ホンダのスクーター第2弾「ジュノオM型」は「E-クラッチ」の元祖? 世界GP初優勝の年に市販した変速機の革命
バイクのニュース
トヨタ『シエンタ』対応の「車中泊キット」一般販売開始
トヨタ『シエンタ』対応の「車中泊キット」一般販売開始
レスポンス
【MotoGP】ヤマハのカル・クラッチロー、イタリアGPのワイルドカード参戦取りやめ。残る予定はイギリスGPとサンマリノGP
【MotoGP】ヤマハのカル・クラッチロー、イタリアGPのワイルドカード参戦取りやめ。残る予定はイギリスGPとサンマリノGP
motorsport.com 日本版
RBの今季マシンVCARB01の弱点は”トラフィック”。リカルド「僕とユウキがスタートで順位をキープできれば、違うレースになっていたはず」
RBの今季マシンVCARB01の弱点は”トラフィック”。リカルド「僕とユウキがスタートで順位をキープできれば、違うレースになっていたはず」
motorsport.com 日本版
ポルシェ『カイエン』に「ターボナイト」の内外装が登場…米2025年型
ポルシェ『カイエン』に「ターボナイト」の内外装が登場…米2025年型
レスポンス
DSオートモビル、DS4の特別仕様車を発売 車体色はひなげしをイメージ
DSオートモビル、DS4の特別仕様車を発売 車体色はひなげしをイメージ
日刊自動車新聞
全長5.1m! 新型「最上級6人乗りミニバン」発売! “クラス最高峰”の「超豪華リアシート」がスゴい! レクサス「新型LM」のインテリアとは
全長5.1m! 新型「最上級6人乗りミニバン」発売! “クラス最高峰”の「超豪華リアシート」がスゴい! レクサス「新型LM」のインテリアとは
くるまのニュース
メルセデスAMG「GT43クーペ」欧州で注文開始 後輪駆動の2ドアクーペは421馬力の2リッターエンジン搭載
メルセデスAMG「GT43クーペ」欧州で注文開始 後輪駆動の2ドアクーペは421馬力の2リッターエンジン搭載
VAGUE
【人とくるまのテクノロジー展2024】日産 電動化技術と知能化技術を中心に出展
【人とくるまのテクノロジー展2024】日産 電動化技術と知能化技術を中心に出展
Auto Prove
新車の慣らし運転は不要!? メーカーとエンジンチューナーとでどうして見解が食い違うのか。長く乗るならやっておいたほうが無難
新車の慣らし運転は不要!? メーカーとエンジンチューナーとでどうして見解が食い違うのか。長く乗るならやっておいたほうが無難
Auto Messe Web
フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」がよりたくましく変身!最高出力20psアップの256psに
フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」がよりたくましく変身!最高出力20psアップの256psに
Webモーターマガジン

みんなのコメント

16件
  • nam********
    ちょっと前の日本も似た様なもんだったろ。
    アルミ変えてたら良くパトに止められたよ。
    車高短やマフラーなんて持っての他、それでもやりたい人は車検の度に純正に戻してたよ。
  • ◯。。
    日本も昔はそうでした。まぁ、だいぶ昔の話ですけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

139.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.989.9万円

中古車を検索
Kの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

139.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.989.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村