電動化時代でもR8のようなモデルは残ると明言!
2017年10月28日から一般公開が行われている東京モーターショー2017にて、電動化と自動運転技術に力を入れているアウディは「アウディAIエクスペリエンス」をテーマに、ジャパンプレミアとなる3モデルをお披露目した。
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冒頭、「前回のモーターショーからわずか2年の間に、1世紀以上に渡る自動車の概念を大きく変えるような変化が起こっていると感じます」と切り出したアウディジャパンの斎藤 徹社長。そんななか出展されたのが、世界で初めてレベル3の自動運転(特定の場所においてすべての操作をクルマが行う。緊急時はドライバーが操作する)を可能にした新型アウディA8だ。
新型A8は、高速道路における同一車線内の自動運転を行う「AIトラフィックジャムパイロット」や、自動的にパーキングスペースへの駐車を可能にする「AIリモートパーキングパイロット」など、40種類にも及ぶドライバーアシスタンスシステムを搭載。毎日の通勤路の運転や都市間の移動など、渋滞時の運転に費やす時間をクルマが代行することで、同乗者と会話を楽しんだり、仕事をしたりリラックスしたりと、アウディが『25時間目』と呼ぶ有意義な時間を作り出してくれるものだ。
もうひとつA8で注目したいのが、量産車として初めて搭載される48Vの電源システムだ。12kWの強力な回生エネルギーを生じるスタータージェネレーターを搭載したマイルドハイブリッドシステムにより、55~160km/hまでのコースティングや、22km/h以下でのアイドリングストップを実現。燃費を100km走行あたり0.7リットル削減するという。
また48V電源によって4つのモーターを駆動し、4つのホイールを個別に制御する「AIアクティブサスペンション機構」を世界で初めて搭載。側面への衝突が不可避となった際、衝突する側の車体を瞬時に8cm持ち上げることにより、衝撃を軽減するという。
自動運転システムの採用については法的条件が整い次第となるが、モデル自体は来年、導入される予定。ホイールベースを130mm伸ばした全長5300mmのロングバージョン「A8L」も用意される。
また、A8に搭載される48Vマイルドハイブリッドシステムをさらに強化し、2年以内に市販化を予定しているのがプレミアムSUV「Q8コンセプト」だ。
搭載されるエンジンは3リッターV型6気筒ツインターボにスーパーチャージャーを組み合わせ、331kW(450馬力)の高出力と鋭いレスポンスを実現。スタータージェネレーターと48V電源システムは20kWの回生能力をもち、ブーストモードではスタータージェネレーターが電気モーターとして駆動力を補完。合計350kW/700N・mのシステムパワー/トルクが発揮されるという。
そして2019年に生産を開始。日本にも2020年までに導入予定という、アウディで2モデル目となるEV「e-tron Sportback」のプロトタイプがエレーヌコンセプトだ。
一定のエリア内においては、高速道路を130km/hまで自律走行することができ、ガレージでは自動運転で自らスペースを探して駐車するなど、ドライバーがまったく介入しないレベル4の自動運転(特定の場所ですべての操作が完全に自動化される)を可能にしている。3つのモーターを使うクワトロシステムを搭載し、航続距離は500kmとなっている。
このように電動化や自動運転が強化されていく状況を見ると、RSモデルに代表されるスポーツモデルはどうなるのか? 心配になるところだが、「アウディは、完全自動運転の時代が到来しても、人がクルマを操る楽しみを持ったスポーツカーは決してなくならないと考えています。EVになっても、我々の五感を刺激し続けるR8のようなモデルは存在し続けるでしょう」と斎藤社長。
アウディがそう信じる証拠のひとつが、9月に本国で発表された、ドイツメーカーとして初となるフォーミュラEへのファクトリーチームの参戦だ。市販モデルについても、来年には新型RS4アバントが導入される。
AIによる高度な自動運転から、サーキットにおけるスーパースポーツまで、アウディはこれまで以上に幅広いクルマの楽しみ方、使い方を提供してくれる存在になりそうだ。
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