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【岡崎宏司カーズCARS/CD名車100選】ターボパワーで圧倒的なスピードの伸びを実現。1980年日産スカイライン2000GTターボ(GC211型)の復活スポーツ能力

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【岡崎宏司カーズCARS/CD名車100選】ターボパワーで圧倒的なスピードの伸びを実現。1980年日産スカイライン2000GTターボ(GC211型)の復活スポーツ能力

牙を抜かれたスカGがターボで見事にパワフルに、ATの加速に感動

 走りのスカGが、見事に甦った。ターボチャージャーという強力な武器を得て、誰もが認めるフラッグシップが帰ってきた。
 GTターボはL20E型にエアリサーチ製TO3型ターボユニットをドッキング。145ps/5600rpm、21.0kgm/3200rpmをマークする。ノンターボに比べ、15ps/4kgmの出力/トルクの上乗せである。しかも走りっぷりときたら、スペック差以上に大きな開きを感じる。1200kg台の車重がL20E・T型ではまったく気にならない。
 ギアボックスは5速マニュアルと3速ATの2種。5速マニュアルから、その走りをご報告する。

【クルマ物知り図鑑】前年の敗北が原動力。1964第2回日本GPでのポルシェとの激闘が生んだスカイライン神話

 1速に入れてぐんとフロアまでアクセルを踏み込む。2500rpmあたりからターボ特有のハイピッチな音が届きはじめ、タコメーターの針が4000rpmに届くと、ぐっ、ぐっ、と段がつくような加速を示し、猛然とダッシュする。イエローゾーンの始まる6000rpmまでは、あっという間だ。素早く2速にシフトアップ。タコメーターの針は3500rpm近くまで下がる。ごくわずかなタイムラグで、スカGはまたグーンとスピードを伸ばしていく、2速6000rpmでスピードは73km/hあたり……。ここまでは息つくひまはない。3速へシフトアップしたところで、ようやく快いタービン音と、エキサイティングなターボパワーのフィーリングに浸れる。

 0→400m加速はメーカーデータで16.6秒。加速感は、この数値と完全に一致した。一人乗りでトライすれば、16秒そこそこまで縮められるかもしれない。
 スカGターボはとにかく速い。ブルーバード・ターボも速いが、その上をいく。ただし5速ギアボックスのギアリングは強力なパワーに対して少し低すぎである。1500rpmですでにかなりのトルクが発生しているのだから、こんなに低くする必要はない。6000rpmで1速が50km/h、2速が90km/hあたりまで伸びるギア比を採用しても、扱いにくいとは思えない。発進にも別に不都合はないだろう。

 ところでAT仕様だが、これは素晴らしい。立ち上がりの出足だけはちょっともたつくが、これはAT車共通のクセだから、やむを得ない。3500rpmに達するあたりの加速は、まさに強烈。その速さは、排ガス規制のなかった時代のアメ車の加速感を思い出した。

 シグナルGPなどではMT車に立ち上がりで1~2車身先行されたりする。しかし3500rpmに達するあたりから差が詰まった、と思う間もなく、一気に抜き、たちまちバックミラーの中……だ。

 フルスロットルでは、1速から2速へは5500rpmあたりでシフトアップする。アクセルは踏んだままでいいから、ターボはずっとフルブーストの状態を保つ。このATは、シフトアップ操作もスパッとやってくれるので、スピードは鋭く上昇していく。そのスピードは、日本生まれのAT車の中で排気量を問わずズバ抜けたもの。MT車と競っても、このATを上回るMTはごく限られている。この胸のすく加速感は、トップスピードまで連続する。最高のフィーリングだ。

 サスペンションは、基本的にノンターボ車と変わっていない。GT-EとGT-E・Sは、バネ/ダンパーのレートを上げ、リアにもスタビライザーをつけたハードサスペンションが組み込まれている。E・SのタイヤはミシュランXVSだ。

 E・Sの足は、日本車の中で最も優れた、安定感の高いもの、というのが定評だった。ターボでも相変わらずの安定感、安心感のある足だ。だがターボパワーをフルに引き出してワインディングロードを攻めよう……となると、さすがに、ゆとりがなくなる、タイヤの性能が高いから、かなり踏ん張れはする、だが、タイヤの限界をたやすく超えてしまうほど、ターボパワーは強烈だ。注意が必要である。
 スカGターボは、ふだんはイージーで静粛。オープンロードでは俄然スプリンターぶりを発揮する。パワーステアリングとATの組み合わせはとくに魅力的だ。
※CD誌/1980年7月号掲載

【プロフィール】
おかざき こうじ/モータージャーナリスト、1940年、東京都生まれ。日本大学芸術学部在学中から国内ラリーに参戦し、卒業後、雑誌編集者を経てフリーランスに。本誌では創刊時からメインライターとして活躍。その的確な評価とドライビングスキルには定評がある。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員

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みんなのコメント

14件
  • dar********
    L20型が初めてスカイラインに搭載されたのはハコスカ時代の2000GTからだったが、その当時は「遅い」と言う話は聞かなかった。ケンメリ型にモデルチェンジしてボディーが大型化して車重が重くなったと言われていたところに排気ガス規制が追加されてさらに走らなくなったと言われていた。だからL20ターボは物凄く馬力があるように感じた。
  • だふころ
    兄が乗っていたから、ジャパンは思い出深いクルマ。
    日産のわりには宣材写真がカッコよく、限定車にはカンパニョーロのホイールが奢られていた。
    プリンス店からのグッズも豊富で、どれもが大人びた趣味の良いものだった。
    ケンメリとジャパンはイメージ戦略も成功した好例だと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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