はじめに 2020年のマイナーチェンジとは
text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】じっくり見たい 改良型オデッセイ【細部まで分かる】 全227枚
photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)、ホンダ
11月5日。ホンダはオデッセイをマイナーチェンジして、6日に発売すると発表した。
1994年に登場した初代オデッセイは、現在まで続くミニバン・ブームのパイオニア的な存在だ。
クラス的には、ラージクラスと呼ばれるアルファード/ヴェルファイア、エルグランドよりはひとまわり小さく、ミドルクラスと呼ばれるヴォクシー/ノア、セレナよりはひとまわり大きい、独自のポジションを確立している。
初代オデッセイのヒットから、日本中にミニバンが広まって行ったといっても過言ではないだろう。
現行型は2013年に発売された5代目だが、それまでに低床化や低い車高など、さまざまなアプローチがなされてきた。また、4代目まではリアサイド・ドアは乗用車的なスイングドアを採用していたが、現行型からスライド式となっている。
初代から現行型まで、オデッセイがつねに意識してきたのは、ユーティリティ性能と乗用性能の両立だ。
ミニバンだからといって実用性ばかりを重視せず、走りの楽しさも忘れないという、ホンダらしい考えである。デビュー以来7年というロングセラーになりつつあるオデッセイだが、今回のマイナーチェンジでどう変わったのか、その概略を紹介していこう。
改良新型オデッセイ 外観
マイナーチェンジされたオデッセイの外寸は、全長4855×全幅1820×全高1695mm(2WD)。ホイールベースは2900mm。従来型より全長がわずかに長くなっているが、他はほとんど変わらない。
一般的に「マイナーチェンジ」では、グリルやバンパーなど、あまりコストをかけずに変更できる樹脂系パーツのデザインを作り替えることはあっても、ボディパネルやランプ類(開発費は億単位になることもあるという)まで変更することは少ない。
だが、今回のオデッセイは前後バンパーやグリルはもちろん、エンジンフード、フェンダー、ランプ類、テールゲートなど、かなり多くのパーツを新しいデザインとしている。
「スタイリッシュ・プレミアム」をキーワードにしたエクステリアでは、大型化されたグリル、薄型のフルLEDヘッドランプ、厚みのあるフードなどによって、従来のスタイリングはそのままに、より力強さを感じるフロントフェイスへと進化している。
リア・コンビランプもソリッドで立体的なものを採用し、メッキ加飾を施して、よりワイドでシャープなフォルムが際立つようなデザインに。
また前後のウインカーは、車両の内側から外側に流れるように点灯するシーケンシャル・ターンシグナルランプを標準装備して、先進的なイメージと優れた視認性を両立している。
改良新型オデッセイ 内装
マイナーチェンジで大きく変わったのは外観だけではない。インテリアも一新されている。
インストゥルメントパネルは、新しい金型による新デザインとなった。
横基調でシンプルなデザインを採用し、上品な質感の加飾パネルを、視界に入りやすい上部に。また、触り心地の良いソフトパッドを、手の触れやすい位置へと配置している。
メーターもデザインを変更した。従来型は、中央に大型スピードメーターを配し、その内側に3.5インチの液晶モニターを採用し、デザインに少し古さを感じさせていた。
そこでメーターの左側を7インチの高精細フルカラー液晶パネルとし(右側はアナログのスピードメーター)、タコメーター/パワーメーターといった車両情報や、安全支援の情報など、多彩にわかりやすく表示できるようになった。
センターダッシュ上のカーナビゲーション(オプション)用モニターも、クラス・トップレベルの10インチを採用。このモニターは、パーキング・アシストなどのマルチビュー・カメラシステムにも対応する。
また、運転席側の収納式ドリンクホルダーを追加したり、助手席側にリッド付きのインパネ・アッパーボックスを新たに設定するなど、室内収納がより使いやすくなっている。
改良新型オデッセイ パワートレイン
内外装は大きく変わったオデッセイだが、パワートレインは基本的に従来型をキャリーオーバーしている。ただし、2.4Lの直噴エンジンは廃止された。
ガソリン・エンジン仕様は、2.4L(2356cc)の直列4気筒 DOHC iーVTEC。最高出力は175ps/6200rpm、最大トルクは23.0kg-m/4000rpmを発生。
トランスミッションは、マニュアルモード付きのCVTを組み合わせる。駆動方式は2WD(FF)が基本だが、4WDも設定されている。
ハイブリッド仕様は、2L(1993cc)の直4 DOHC iーVTECエンジンに2モーターを組み合わせ、最近発表されてきたホンダのハイブリッド車と同様に「e:HEV」の呼称が採用されている。
エンジンは145ps/6200rpmと17.8kg-m/4000rpmを発生。モーターは184ps/5000-6000rpmと32.1kg-m/0-2000rpmを発揮。駆動方式は、FFのみとなる。
エンジン車、ハイブリッド車とも従来型とパワースペックは変わっていないが、ハイブリッドのプログラミングなどはアップデートされているという。
改良新型オデッセイ 装備
ミニバンらしい機能装備として追加されたものは、まずジェスチャーコントロール・パワースライドドア。
これはスライドドアに流れる青いLEDの光に手をかざすことで、ドアノブに触れることなくパワースライドドアの開閉ができるもの。日本国内では初採用で、標準装備された。
また、パワースライドドアが閉まりきるのを待たずに、ドアクローズ後の施錠が可能となる予約ロックをホンダ車では初採用して標準装備した。
その場に待機せずに離れた位置からのロック確認もできるため、日常の使い勝手を向上させている。
さらに、リアバンパーの下に足先を出し入れするだけでテールゲートの開閉が可能なハンズフリーアクセス・パワーテールゲートをEXタイプに標準装備。
ホンダの先進安全運転支援システム「ホンダ・センシング」は、全車に標準装備する。
衝突軽減ブレーキや歩行者事故低減ステアリング、渋滞追従機能付きアダプティブ・クルーズコントロールといった従来からの機能に加え、新たに後方誤発進抑制機能といったものが追加されている。
改良新型オデッセイ リフトアップシート
マイナーチェンジされたオデッセイではグレードが整理され、標準モデルが廃止されて全車「アブソルート」となった。したがって、従来型では福祉車両のリフトアップシート車は標準車のみに設定されていたのだが、今回エンジン車のアブソルートをベースにしたモデルに変更された。
従来型と同様、リフトアップシート車にはサイド・リフトアップシート車と助手席リフトアップシート車が設定される。
サイド・リフトアップシート車は、2列目左側のシートがリモコン操作で車外の低い位置までせり出して、乗車・降車をサポートする。せり出したシートの両側に空間があるため乗降のサポートが容易なことと、移動中でも隣の席で介護ができる、といったメリットがある。
助手席リフトアップシート車は、助手席が車外にせり出すタイプ。シートの操作は、サイド・リフトアップシート車と基本的に変わらないが、ドライバーとの距離が近く安心感があるとか、視界が広くドライバーとの会話もストレスなくできる、といったメリットがある。
どちらを選ぶかは、要介護者の状態などで決めることになるだろう。なお、サイドリフトアップシート車は7人乗り(2列目キャプテンシート)/FFのみの設定だが、助手席リフトアップシート車は8人乗り(2列目ベンチシート)でFFと4WDが設定されている。
また、オデッセイのインテリアカラーはブラックが基本だが、リフトアップシート車にはアイボリーが設定されている。なお、助手席リフトアップシート車にはサイドエアバッグは装着されず、サイド・リフトアップシート車には足元照明が追加されている。
改良新型オデッセイ 価格
改良新型オデッセイの発売日は、2020年11月6日。
消費税込みの価格は、ハイブリッド仕様のオデッセイe:HEVは、「アブソルート(8人乗り)の419万8000円」~「アブソルートEX(7人乗り)」の458万円。
ガソリン仕様のオデッセイは、「アブソルート(8人乗り/FF)」の349万5000円~「アブソルートEX(8人乗り/4WD)」の392万9400円となっている。
リフトアップシート仕様は、「サイドリフトアップシート車(7名/FF)」の363万4000円~「助手席リフトアップシート車(8名/4WD)」の378万2000円を用意した。
ハイブリッド仕様
e:HEVアブソルート(8名/FF):419万8000円
e:HEVアブソルート(7名/FF):428万6000円
e:HEVアブソルートEX(7名/FF):458万円
ガソリン仕様
アブソルート(8名/FF):349万5000円
アブソルート(8名/4WD):371万5000円
アブソルート(7名/FF):358万3000円
アブソルートEX(7名/FF):381万5000円
アブソルートEX(8名/4WD):392万9400円
リフトアップシート仕様
アブソルート・サイドリフトアップシート車(7名/FF):363万4000円
アブソルート助手席リフトアップシート車(8名/FF):358万2000円
アブソルート助手席リフトアップシート車(8名/4WD):378万2000円
改良新型オデッセイ スペック
オデッセイe:HEVアブソルートEX(7名/FF) 主要諸元
税込み車両価格:458万円
全長×全幅×全高:4855×1820×1695mm
ホイールベース:2900mm
重量:1930kg
パワーユニット形式:直4 DOHC+2モーター
排気量:1993cc
最高出力(エンジン):145ps/6200rpm
最大トルク(エンジン):17.8kg-m/4000rpm
最高出力(モーター):184ps/5000ー6000rpm
最大トルク(モーター):32.1kg-m/0-2000rpm
燃費(WLTCモード):19.8km/L
タイヤサイズ:225/50R18
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