デザイン見直し 責任者を入れ替え
BMWでデザインを担当してきたドマゴイ・デュケク氏が、グループ傘下のロールス・ロイスに移籍することになった。アンダース・ウォーミング氏の後任として、ロールス・ロイスのデザイン責任者に就任する。
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現職のウォーミング氏はロールス・ロイスのデザイン部門を3年間指揮してきた。それ以前はBMWでクリス・バングル氏の下で働き、ミニのデザイン責任者も務めていた。同氏の指揮下で発表されたモデルには、電気自動車(EV)のスペクター、改良型のカリナンとファントム、そして限定生産車のドロップテールなどがある。
ロールス・ロイスのクリス・ブラウンリッジCEOは、同ブランドにおけるウォーミング氏の功績について「実質的かつ永続的」な影響を与えたと称賛し、「彼の豊富な経験と創造性が、我々の将来の美的方向性を示した」と述べた。
ウォーミング氏は今後、BMWグループのデザイン子会社であるデザイン・ワークスの責任者に就任し、より包括的に自動車デザインを捉えることになる。
BMWグループはデザイン部門の業務体制の見直しを進め、「未来志向のデザインに対する需要の変化に対応するため」として大規模な人事異動を行っている。
デュケク氏とウォーミング氏の異動の他、スウェーデンのポールスターでデザイナーを務めるマクシミリアン・ミッソーニ氏が採用され、アルピナを含むBMWの中~大型車および最上級モデルのデザインを指揮することになる。
また、ミニのデザイン責任者であるオリバー・ハイルマー氏が、M部門を含むBMWの小型および中型車のデザインを担当することになる。ハイルマー氏の後任にはホルガー・ハンプフ氏が選ばれた。
デュケク氏はBMWのデザイン責任者を長年務めたことで知られ、その指揮の下、BMWは外観を全面的に刷新した。特に、すべてのモデルに大型フロントグリルを採用したことは有名で、デュケク氏自身もこの動きを「賛否両論ある」と認めつつも「ブランドの形成」につながると語っている。
デュケク氏はBMWに14年以上在籍し、EVサブブランドであるBMW iや高性能車部門のMのデザイン・ディレクターなど、さまざまな要職を歴任してきた。
BMWに移籍する前は、1990年代後半にフォルクスワーゲンのエクステリア・デザイナーとしてキャリアをスタートさせ、その後PSAグループでもプジョーとシトロエンのシニアデザイナーを務めていた。
ロールス・ロイスでは、収益性の高いビスポーク(オーダーメイド)部門の拡大も含め、「すべてのデザインテーマの総責任」を背負うことになる。
ロールス・ロイスの新型車の投入計画については明らかではないが、現在はゴーストの改良に取り組んでいるほか、2030年の完全電動化を目指してEVに目を向けている。
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