どちらも高速道路での使用が前提となる
今、夢の自動運転に向けた第一歩として、国産車のごく一部に「手放し」運転が可能なクルマが登場している。そう、2019年に日産スカイラインのハイブリッドモデル用として「プロパイロット2.0」。さらに2020年には、“ぶつかれないクルマ”=アイサイトでおなじみのスバルでは新型レヴォーグに「アイサイトX」が搭載され、いずれも”条件付き”「手放し」運転を実現している。
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とはいえ、両車のシステムは異なる。高速道路のみでの使用で、ドライバーモニターの装備(ちゃんと前を向いているか、寝ていないかクルマが監視)、万一の際の危険を低減する自動車両停止機能を必要としているのは同じだが、機能、実際の「手放し」運転感覚はけっこう違う。
まずは先輩格のスカイラインのプロパイロット2.0だが、高速道路上に限った作動は当然として、制限速度(約60~90km/h ±10km/hの猶予あり)を上限に同一車線での「手放し」運転が可能となるシステムだ。
セレナなどに採用されているプロパイロット“1.0”とこの2.0の大きな違いは、2.0には日本車初の高精度3Dマップと7個のカメラ、ソナーを使っているところ(360度モニター)。肝は精度と作動の自然さに差があり、高速道路の車線中央をビシリと走行してくれるほか、カーブでも「やったね日産」と叫びたくなるほどのしっかりとしたトレース性を示してくれるのだ。
しかも、高精度3Dマップの採用で、通常のACC(アダプティブクルーズコントロール)とは違い、カーブ、料金所を認識。上限速度を80km/hで設定していても、自動でカーブや料金所の手前から減速し、そこをすぎればスムースに速度を80km/hまで復帰してくれるのだから気が利いている。従来のACCは先行車がいなければ、カーブ、料金所も設定した速度のまま突っ込んでしまうのだから、怖い、危ない。ブレーキング&ACC解除、復帰の繰り返しにもなりがちだ。
ところで、実際にスカイラインのプロパイロット2.0で高速走行、80km/hの「手放し」運転をした経験があるのだが、ガラガラの高速道路ならともかく、混雑した高速道路では、自身が臆病者なのか、あるいはまだ「手放し」運転に慣れていないのか、けっこうな緊張感を伴ったのも事実。ステアリングに手を添えての運転に慣れ切っているため、そう感じさせるのだろう。無論、スピード感が高まる100km/hを超えての「手放し」運転など、どんな乱暴なドライバーがいるかも知れぬ道では、ご遠慮したいところである。
アイサイトXは渋滞時に限ったハンズオフ機能だ
一方、新型レヴォーグに搭載されたアイサイトXの「手放し」運転は、新型ステレオカメラと前後左右4カ所に配置されたレーダー、リヤソナー、電動ブレーキブースターによって、0~50km/hで可能となる「渋滞時ハンズオフアシスト」となる。
そう、高速道路での渋滞時に役立つハンズオフ機能に限定しているのである。“渋滞”というキーワードがあるぐらいで、一般的な渋滞追従機能&停止保持機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)では、停止後、時間が経つとアクセルやスイッチ操作によってACC機能を再開させ、発進しなくてはならないのと違い、アイサイトXでではペダル、スイッチ操作不要で自動再発進してくれるところが、先進的かつ便利なポイントだ。
また、アイサイトXは3D高精度地図ユニット、GPSのほか、準天頂衛星による運転支援が行われるため、プロパイロット2.0同様に自動車専用道路でのカーブ、料金所手前で、速度制御(カーブでは進入するカーブの曲率に合わせた速度、料金所では安全に通過できる速度)も行ってくれる。つまり、アイサイトXを一度セットしてしまえば、自動車専用道路では追加の操作不要ということだ。
実際に、東京~軽井沢の往復でアイサイトXを試した経験があるのだが、途中、首都高の渋滞に「運よく」巻き込まれ、「渋滞ハンズオフ」機能を体験。ここで痛感したのは、臆病者のボクとしては、「手放し」運転はこのぐらいまでの速度域だと緊張、不安なく使える、という事実だった。高速道路で約50km/hまで……という点に物足りなさを感じるのは当然だが、渋滞中、前後左右にクルマがひしめくシチュエーションでは、停止から約50km/hまでの加速でさえけっこうな加速度を伴い、「手放し」運転はこれぐらいの速度域で十分……と、個人的に感じたのも本当なのである。
「渋滞ハンズオフ」機能は前をしっかり見ていればOK(カメラが監視している/濃色のマスクは認識できない可能性があるので要注意)で、それこそペットボトルの蓋を開ける、鼻をかむ……といったことも、“安全に”両手で行える。しかし、アイサイトXで「手放し」運転ができること以上に感心したのが、「渋滞ハンズオフ」中の減速、加速、追従性能だった(ハンズオフ機能以外のアイサイトX作動シーンでも同様!!)。じつにドライバーの意図をくんだ、スムーズかつ頼りがいある制御に終始し、思わずブレーキを踏んでしまう、アクセルを踏み増したくなる!!といった、緊張し、歯がゆさある場面など皆無だったのである。
また、約50km/h以下でのウインカー操作による「手放し」車線変更が可能な「アクティブレーンチェンジアシスト」も超便利だった(約50km/h以上ではステアリングに手を添えている必要があるが、作動は完璧)。アイサイトXのすべての機能が、12.3インチのフル液晶メーター内に的確に表示され、じつにわかりやすいので安心できる。
この自動レーンチェンジは、終始、自車左右後方の車両を検知してくれているため、左右どちらのレーンに車線変更できるのかが一目瞭然。レーンチェンジ可能なレーンが表示(車線が青く表示される)されれば、ウインカーを最後まできっちり倒すことで自動レーンチェンジ開始。完了すれば、ウインカーは自動で戻る。その際のクルマの動きにしても、ベテランドライバーのスムースさ(揺れ戻し、おつりなし)と言っていいから文句なしなのである。
このように、スカイラインのプロパイロット2.0とレヴォーグのアイサイトXでは、「手放し」運転が可能な条件、上限速度、価格(プロパイロット2.0は約50万円、アイサイトXの正味価格は約50km/h以下の作動としてコストダウンを図った結果、約11~12万円程度)こそ異なるものの、慣れればその機能の便利さに感動できること間違いなし。とはいえ、個人的にその便利さをより”安心して”使えたのは、混雑した高速道路上という条件下に限れば、低速域の渋滞時だったのも事実なのだが……。
いずれにしても将来、「手放し」(自動)運転があたりまえになる時代が到来することになる。その「手放し」運転を、部分的とはいえ、いち早く体験できるというメリットが、プロパイロット2.0と、より身近な存在のアイサイトXにあるということだ。
※2月25日 11:50 一部記事内容を修正しました。
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みんなのコメント
交通事故起こしたら『手放し運転の設定にしてたらメーカーが悪い』と言って罪から逃れようとする人が居そう。
プロパイロット2.0は本当に渋滞関係ないのか
高速道路で上限80kmで常時問題なく交通の流れに乗れてるのか?
自動車業界としてプロパイロットを否定する訳にはいかないから、という何か忖度が無いか…今だに分からない。