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間もなく販売終了!? 従来型メルセデス・ベンツGクラスとジープ・ラングラーは「買い」か?…その2・新旧メカニズム比較&従来型試乗

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間もなく販売終了!? 従来型メルセデス・ベンツGクラスとジープ・ラングラーは「買い」か?…その2・新旧メカニズム比較&従来型試乗

メルセデス・ベンツGクラスは新型の発表後も従来型が併売されているが、本国ではすでに生産を終了。ジープ・ラングラーも昨年末のロサンゼルス・オートショーで新型が発表されており、年内の日本上陸が確実視されている。このドイツとアメリカが世界に誇る本格オフローダー、果たして従来型が「買い」なのかどうかを検証する。続いて両車の新旧同士でメカニズムを比較する。

 まず、走りの基本となるボディを見ると、新旧両車とも悪路走行時の衝撃に耐えうるラダーフレーム構造を採用。このうち新型Gクラスは、最大3.4mm厚の鋼板を閉断面構造とし、MAG溶接で組み立てている。

トヨタ2000GTの真実 名車再考 トヨタ2000GT Chapter 2 再録MotorFan Road TEST(1967年10月)

 アッパーボディの外板はGクラス、ラングラーとも新型では軽量素材を多用。GクラスではA・Bピラーなどの骨格部材に高張力鋼板、フェンダー、ボンネット、ドアなどの外板にアルミ合金を使用している。その結果、約170kgの軽量化に加え、フレーム、ボディシェル、ボディマウントのねじり剛性を、先代の6537Nm/degから1万162Nm/degへと約55%向上させ、操縦安定性と乗り心地を改善しつつノイズや振動を大幅に低減した。

 新型ラングラーも、ドアやヒンジ、エンジンフード、フェンダーフレア、ウィンドシールドフレームのほか、エンジンマウントやステアリングギヤ、マスターシリンダーにもアルミ合金を用い、さらにスウィングゲートにはマグネシウム合金を使用。だが安全・快適装備の充実などの影響を受け、3.6ℓV6エンジンを搭載する4ドアAT車の「スポーツ」(北米仕様)同士で比較すると、新型は45kg車重が増加し1905kgとなっている。

 シャシーは従来型Gクラスおよび新旧ラングラーが前後5リンクリジッドサスペンションと油圧アシストのボール&ナット式ステアリングを採用するが、新型Gクラスはフロントをラダーフレーム直付けのダブルウィッシュボーン式に変更。ステアリングも電動アシストのラック&ピニオン式に置き換えることで、オンロード走行時の直進性と操舵レスポンスを高めている。

 そして4WDシステムは、Gクラスがインパネ中央のスイッチでセンター/リア/フロントの順にロック可能なフルタイム4WDを新型も踏襲。ラングラーはセンターデフをロック可能で、ローレンジのギヤレシオが2.72の副変速機付きパートタイム4WD「コマンドトラック」を新旧とも採用するが、新型にはこのほか、ローレンジのギヤレシオが4.00の副変速機付きパートタイム4WD「ロックトラック」と、フルタイム4WD「セレクトラック」も用意された。

 エンジンは、従来型Gクラスがグレードごとに下記のエンジンを搭載。トランスミッションは全車7速ATだ。

・G350d…3.0ℓV6ディーゼルターボ
 245ps/3600rpm、600Nm/1600-2400rpm

・G550…4.0ℓV8ガソリンツインターボ
 421ps/5250-5500rpm、610Nm/2000-4750rpm

・メルセデスAMG G63…5.5ℓV8ガソリンツインターボ
 571ps/5500rpm、760Nm/1750-5250rpm

・メルセデスAMG G65…6.0ℓV12ガソリンツインターボ
 630ps/5000-5300rpm、1000Nm/2300-4300rpm


 対する新型Gクラスは、「G550」が従来型と同じM176型エンジンを搭載するものの、「メルセデスAMG G63」は最高出力585ps/6000rpm、最大トルク850Nm/2500-3500rpmを発するM177型4.0ℓV8ガソリンツインターボに換装。トランスミッションも全車9速ATに改められた。ただし2018年8月時点では、日本仕様のみならず欧州仕様もこの2種類しかラインアップがない。

 ラングラーは新旧とも最高出力285hp/6400rpm、最大トルク353Nm/4800rpmの3.6ℓ「ペンタスター」V6ガソリンNAエンジンを設定するが、新型はさらに最高出力270hp/5250rpm、最大トルク400Nm/3000rpmの2.0ℓ直4直噴ガソリンターボを北米・欧州仕様とも、200hp/3500rpm、450Nm/2000rpmの2.2ℓ直4「マルチジェット2」ディーゼルターボを用意。

 トランスミッションは、従来型が5速ATまたは6速MTを設定していた(現在の日本仕様は5速ATのみ)が、新型はATが8速となった。なお、2019年からは、260hp、600Nmの3.0ℓ V6「エコディーゼル」ターボエンジンを北米仕様の4ドア車に追加することが明言されている。

 さて、新旧Gクラスの走りについては、高平高輝氏のインプレッションが詳しいのでそちらをご覧いただきたいが、従来型G350dも100km/h以下であればオンロードでも静粛性は極めて高い。

 それは同じ日に同じコースを試乗したGLS550すら遥かに凌ぐほどだが、2550kgの車重と1970mmの全高、そしてラダーフレームボディに4輪リジッドサスペンションというスペック相応に直進安定性は悪く、操舵レスポンスも鈍い。また旋回時はシャシーとアッパーボディが別々に動く感覚が強いため、高速道路を走る機会が多いのであれば新型をオススメしたい。


 ラングラーは新旧でボディ・シャシーよりもパワートレイン・駆動系の変更点が多く、特にATが全車8速化され、2.0ℓ直4ガソリンターボエンジンが追加されたことは大いに注目すべきだろう。従来型の3.6ℓV6 NAは低回転域のトルクに乏しく、トランスミッションも5速ATのため、必然的に高回転域を多用せざるを得ないのだが、この点が2.0ℓ直4ガソリンターボ&8速ATで大きく進化し、日本仕様にも設定されるとすれば、新型の登場を待ちたいところだ。

 なお、北米仕様の最小回転半径は、従来型が6.2mなのに対し新型は6.0mまで改善されているが、従来型日本仕様のカタログに記載されている最小回転半径は7.1mで、北米仕様に対し1m近い乖離がある。車庫入れの際に切り返しをせずに済むことはなく、多大な苦労を要した筆者の体感では、後者の方が実態に近い。これが新型では実際に、どの程度小回りが利くようになっているかが大いに気になる。

 また、トランスファーが新型も、車体中央から大きく右側に張り出しているのを写真で見る限り、左足の置き場がなく不自然な姿勢を強いられる右ハンドル車のドライビング環境は、ほとんど改善されていない可能性が高い。左側通行の日本では確実に不便を強いられるものの、新型では左ハンドル車が選択可能になることを切に望む。

【Specifications】
<従来型メルセデス・ベンツG350d(AWD・7AT)>*日本仕様
全長×全幅×全高:4575×1860×1970mm ホイールベース:2850mm 車両重量:2550kg エンジン形式:V型6気筒DOHCディーゼルターボ 排気量:2986cc ボア×ストローク:83.0×92.0mm 圧縮比:15.5 最高出力:180kW(245ps)/3600rpm 最大トルク:600Nm(61.2kgm)/1600-2400rpm JC08モード燃費:10.3km/ℓ 車両価格:1080万円

<新型メルセデスAMG G63(AWD・9AT)>*価格以外は欧州仕様参考値
全長(スペアタイヤ込み)×全幅×全高:4873×1984×1966mm ホイールベース:2890mm 車両重量:不明 エンジン形式:V型8気筒DOHCガソリンツインターボ 排気量:3982cc ボア×ストローク:83.0×92.0mm 圧縮比:8.6 最高出力:430kW(585ps)/6000rpm 最大トルク:850Nm(86.7kgm)/2500-3500rpm JC08モード燃費:未定 車両価格:2035万円


【Specifications】
<従来型ジープ・ラングラー・アンリミテッド・スポーツ(AWD・5AT)>*日本仕様
全長(スペアタイヤ込み)×全幅×全高:4705×1880×1845mm ホイールベース:2945mm 車両重量:2020kg エンジン形式:V型6気筒DOHCガソリン 排気量:3604cc ボア×ストローク:96.0×83.0mm 圧縮比:10.2 最高出力:209kW(284ps)/6350rpm 最大トルク:347Nm(35.4kgm)/4300rpm JC08モード燃費:7.5km/ℓ 車両価格:432万6000円

<新型ジープ・ラングラー4ドア・スポーツ(AWD・8AT)>*北米仕様
全長(スペアタイヤ込み)×全幅×全高:4785×1868×1868mm ホイールベース:3008mm 車両重量:1960kg エンジン形式:直列4気筒DOHCガソリンターボ 排気量:1995cc ボア×ストローク:84.0×90.0mm 圧縮比:10.0 最高出力:200kW(270hp)/5250rpm 最大トルク:400Nm(40.8kgm)/3000rpm JC08モード燃費:未定 車両価格:未定

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