「大きな課題」に直面するイタリアンブランド
イタリアの自動車メーカーであるマセラティは、セダンのクアトロポルテとSUVのレヴァンテを引退させ、V8エンジンの時代に終止符を打った。
【画像】「ちょいワル」な高級スポーツセダン、ついに生産終了【マセラティ・クアトロポルテ・トロフェオを写真で見る】 全35枚
2013年から販売されていた小型セダンのギブリは、今年初めに生産を終了した。
この3車種はすべて、フィアット傘下で開発された「M156」プラットフォームをベースにしており、ミラフィオーリ工場で新型グラントゥーリズモやフィアット500eとともに生産されていた。
今回、クアトロポルテの特別仕様車「グランドフィナーレ」(写真下)が、フェラーリ設計の3.8L V8ツインターボ「F134」を搭載する最後の量産車として、米国の顧客に納車された。
これでマセラティのラインナップは、グラントゥーリズモ、SUVのグレカーレ、スーパーカーのMC20の3車種のみとなった。
マセラティは声明の中で次のように述べている。
「マセラティは、フォルゴーレBEVプログラムによる電動化に向けた移行期にあります。現在、グラントゥーリズモとグランカブリオにICEとBEVバージョンを、グレカーレにICE、マイルドハイブリッド、BEVバージョンを用意しており、クアトロポルテとレヴァンテの後継車も準備中です」
最近、EVとなる次期クアトロポルテの導入が2028年に延期された。このことから、マセラティの新製品として次に登場するのはレヴァンテのEVと考えられる。
クアトロポルテとグラントゥーリズモのチーフエンジニアであるダヴィデ・ダネシン氏は、AUTOCARの取材に対し、延期される前に開発は半分ほど完了していたと語った。彼は次期クアトロポルテを「マセラティにとって重要な問題」と呼び、「あらゆる観点から傑出したもの」でなければならないと指摘した。
ダネシン氏は、特にEVの航続距離がマセラティにとって克服すべき課題であるとして、クアトロポルテでは最長600km以上を目指していることを示唆した。
マセラティは次世代車の開発で課題に直面しているが、2028年に完全電動化するという目標を訂正してはいない。
クアトロポルテとレヴァンテの引退の数日前、親会社ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、マセラティの財務状況が改善されなければ閉鎖もありうると警告した。
「儲からないブランドを持つ余裕はない」とタバレスCEOは記者団に語った。
ステランティスの広報担当者はその後、タバレスCEOのコメントに反し、次のような声明を発表した。
「ステランティスは、14の象徴的なブランドからなるポートフォリオ全体に対するコミットメントを改めて表明します。それぞれのブランドには、収益性の高い持続可能ビジネスを構築するための10年の時間的猶予があり、不安定な市場や一時的な状況により変動が生じる可能性があることも認識しています」
マセラティ自身もまた、今乗り越えなければならないハードルを認め、「マセラティは大きな課題に直面しており、今後数か月は目標に集中しなければならない」と述べている。
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いつものごとく中国資本の傘下にならないことを祈る。