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東京モーターショーなのに縄跳び体験!? 同時開催のFUTURE EXPOがタダとは思えぬほど面白い!

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東京モーターショーなのに縄跳び体験!? 同時開催のFUTURE EXPOがタダとは思えぬほど面白い!

10月24日から一般公開される東京モーターショー2019には、無料で楽しめるイベントもある。ひとつは、ゆりかもめ「青海駅」すぐ近くのメガウェブでおこなわれる「TOKYO MOTORSHOW 2019×COUNTDOWN SHOWCASE FUTURE EXPO(以下、FUTURE EXPO)」だ。

筆者は開催直前の10月22日、このイベントを見学する機会を得た。FUTURE EXPOは、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会(※)を含む5者(日本自動車工業会、経済界協議会、経済産業省、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、メガウェブ)共同主催の企業合同技術展示会。約60社の企業・団体の最新技術が集結したという触れ込みだ。

美点を隠し持ったシトロエンらしいSUV──C5エアクロスSUV試乗

(※ 一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)・日本商工会議所・東京商工会議所・公益社団法人経済同友会を中心に、全国の企業が自治体等と力を合わせ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の盛り上げと、その先の未来、レガシーをつくるために結成された団体。)

次世代のペイント技術を体験出来るコーナーも。見学の冒頭、「さまざまな企業を集めて、新しい生活の提案をしていきます。同時に、日本の未来を体験できます」と、モーターショー特別委員会委員長の長田准氏(トヨタ自動車 国内販売事業本部 副本部長)は述べた。

FUTURE EXPOは、未来の日本への“入国”をイメージしているという。公式ウェブサイトには「未来の移動、都市での生活、スポーツ観戦や地方観光など、生活に密着した未来を体感することができます。」とある。いったいどんな未来を体感出来るのか? 百聞は一見に如かず、さっそく“入国”した。

3Dバーチャル・キャラクターがお出迎え白を基調にした入国用トンネルを抜けると、猫、ウサギ、パンダの3Dバーチャル・キャラクターが出迎える。「どこからきましたか?」「お名前は?」と話しかけられ、会話がはじまった。3Dバーチャル・キャラクターはAI(人工知能)ではなく、生身の人間が操作するため、会話の流れは自然。ちなみにパンダは上野動物園公認とのこと(名前はシャンシャン)。日本語のみならず、中国語も話せるという。

白を基調にした入国用トンネル。公式ウェブサイトには「エンタメ性の高い会話で、来場者を一気に未来空間に引き込みます」と、記されている。

3匹の3Dバーチャル・キャラクターは、電通とVR制作などを手がけるエジェが共同で開発した。これらは、接客バーチャル・ユーチューバー サービス「キャラトーカー」で使われるもの。

入国用トンネルを抜けると、猫、ウサギ、パンダの3Dバーチャル・キャラクターが出迎える。キャラトーカーは、液晶モニターなどに映し出された3Dバーチャル・キャラクターが接客するのが特徴だ。3Dバーチャル・キャラクターの声や表情は、別室の生身の人間がスマートフォンやタブレット端末などで操作し、顧客とリアルタイムに会話する。液晶モニターに設置されたマイクやカメラを通して、店頭客の反応や表情、声をチェックしているからだ。

「キャラトーカーは、簡便・安価に導入出来るのが特徴です。今、設置数が増えているデジタル・サイネージにも導入可能なシステムです」と、電通の足立光氏(ビジネス・ディベロップメント&アクティベーション局新領域開発部部長)は述べる。

クルマと関係ないスポーツもキャラトーカーのつぎは、未来のモビリティが登場する。NECが開発をすすめる空飛ぶクルマ(まるで巨大ドローン!)やトヨタやホンダがてがけるひとり乗りEV、そしてパナソニックが完全自動運転時代を見据えて開発した「SPACe_L」など、複数台が展示されていた。

完全自動運転時代を見据えて開発されたパナソニックの「SPACe_L」。さらにスポーツ関連のコーナーもある。筆者は、「東京モーターショーなのにクルマと関係ないのでは?」と、思った。モーターショーの担当者に訊くと、「FUTURE EXPOは、あらゆる未来の生活を体感・見学出来るのがポイントです。必ずしもクルマのある生活とは限りません」とのこと。

次に、富士通ブースで体験出来る「運動能力可視化なわとびセンシング」。これは、なわとびを使い運動能力を測定するユニークなシステムだ。

「運動能力可視化なわとびセンシング」は、来場者も実際に体験出来る。測定方法は、専用のIotセンサーを腰に装着し、30秒なわ飛びをし続けるだけ。これにより、運動能力(リズムやバランス感覚)を測定する。

一体どんなシーンで使われているのか? 富士通の公式ウェブサイトには「小学校向けサービスです」と、記されている。「自治体にとって、地域の小学生の運動能力を把握し、地域特性にあった教育を提供」するために役立てられているとのこと。今の教育現場はこんな高度な技術が導入されているのか! と、驚いた。

ゴルフのスイングを測定する機器も体験可能だ。「体操採点支援システム」というのもあった。3Dセンシング技術を使うのが特徴で、システム使用時、選手の体の角度などを即座に審判へ提供し、より客観的かつ正確な判断をサポートするという。

「体操競技の技は高速化、複雑化しているため、審判員が目視で採点するのに限界があるそうです」と、富士通の担当者が述べる。採点システムの進化もさることながら、体操競技の技がそれほど進化しているのも驚きだ。ちなみに、3Dセンシング技術は自動車にも搭載されているとのこと。

「体操採点支援システム」を構成する機器。NTTブースの「Kirari」もおもしろかった。「NTTの高速伝送技術を使い、あたかも特設ステージ上で、スポーツの試合がおこなわれているような臨場感を味わえるのが特徴です」と、担当者が述べる。

早速、バドミントンの試合を見ることとなった。すると、目前の特設ステージ上に、3Dヴァーチャルの選手が登場! 激しい戦いを繰り広げる。今回は、FUTURE EXPO用の録画データだったが、リアルタイムだったら相当おもしろそうだ。FUTURE EXPOの公式ウェブサイトに記されていた「これまでにない超高臨場感を提供します」の言は、納得である。

NTTブースでは、3Dヴァーチャルのバドミントン選手が見られる。MIRAI コンセプトも展示!「未来のエネルギーエリア」では、水素エネルギーにかんする展示が大部分を占める。

川崎重工業の展示エリアは、水素のある生活をわかりやすく説明するジオラマを展示、液体水素の大量輸送技術についてもわかりやく説明する。

川崎重工業の展示エリアにあったジオラマ。奥に進むと、水素を動力源に使う実車も展示されていた。現行のホンダ「クラリティ FUEL CELL」と、次期型トヨタ「MIRAI」のコンセプトモデル「MIRAI コンセプト」の2台。

【今度のMIRAIはより高級に、そしてスポーティになる!】

ショー開催前にメディアにお披露目された「MIRAI コンセプト」。MIRAI コンセプトのメーターパネルはフルデジタル。MIRAI コンセプトはGQ JAPANでもすでに記事化済みであるが、取材時と異なり、車内の電源がオンになっていたので、フルデジタルのメーターパネルやインフォテインメント用ディスプレイの表示が見られた。また、リアシートからも空調などを操作・設定出来ることもわかった(センターコンソールに専用スウィッチ付き)。

展示されている月面探査機は、主に水素を探すために使われるという。車両の奥には、燃料電池自動車技術を使った月面探査機を展示。FUTURE EXPOの公式ウェブサイトには「最新の宇宙技術や燃料電池車の仕組みなど、これからの国を支える未来のエネルギー社会を体感いただけます」と、記されており、その通りの内容だった。

FUTURE EXPOは想像以上に興味深い展示づくしだった。意外だったのは、トヨタのコンセプト・カーが複数台、展示されていた点。無料イベントとは思えぬほど充実している。今年の東京モーターショーは、FUTURE EXPOのみを見に行くだけでも十分価値はありそうだ。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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