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自動運転レベル分けの日本語版が登場。誤解を招く用語も解説

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自動運転レベル分けの日本語版が登場。誤解を招く用語も解説

公益社団法人 自動車技術会が、JASOテクニカルペーパとして「自動車用運転自動化システムのレベル分類及び定義」を2018年2月1日に発行、同会ウェブサイトにて無償公開している。

これまで自動運転のレベル分けというと、いくつもの分類方法があったが、現時点ではSAE Internationalが2016年9月に定めた「SAE J3016」による分類がスタンダードとなっている。

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自動車技術会が公開しているのは、その日本語参考訳にあたるもので、無償公開した理由をこう説明している。

「自動運転の今後の普及を考えた場合、様々な場面で統一されていない自動運転に関する認識・用語(レベル)があると社会受容性にも影響があることから、SAE J3016の日本語参考訳を発行し、広く国民に認知させたいとの考えの元、JASOテクニカルペーパとして無償公開することとしました」

すでに知られているように、SAEの自動車分類はレベル0(運転自動化なし)からレベル5(完全運転自動化)まで6段階となっている。そして「自動運転システム」と呼称できるのはレベル3から上の段階であることを、このペーパーは示している。

マーケティング的な面から運転支援システム全般に対して「自動運転技術」と呼ぶこともあるが、今後の運転自動化の普及を考えると、誤解を招く用法は避けるべきだろう。

その点でいえば、このペーパーの後半に書かれている「推奨しない用語」という項目は、メーカー関係者、自動車メディア、またブログやSNSで積極的に発信しているユーザーは目を通しておくべきだろう。

たとえば完全運転自動化について「自律型」という表記をすることもあるが、自律型という言葉はスタンドアローンで動作するという意味があり、厳密に言うと通信を利用した協調型の自動運転は自律していないという見方もできる。こうした曖昧さにつながるため「自律型」という言葉を、このペーパーでは使用していない。

また「無人」という言葉については、レベル5の完全運転自動化となったクルマが乗員ゼロの状態で移動しているのか、単に遠隔操作によって動いているのかを区別できないため、やはり自動運転のレベルを示す文脈では使わないことが推奨されている。

なお、レベル3~5を「自動運転システム搭載車両」と表記するのに対して、レベル1~2については「運転自動化システム搭載車両」とすることが推奨されている。

しばらくはレベル2とレベル3が混在する(もちろんレベル0もあるだろう)ことを考えると、「運転自動化」と「自動運転」の違いをユーザーが認知できるよう、啓蒙する必要がありそうだ。

そこに一役買うのがアーリーアダプターとなる自動車ユーザー。ぜひともJASOテクニカルペーパ「自動車用運転自動化システムのレベル分類及び定義」をダウンロードして、目を通しておきたい。

(文:山本晋也)

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