現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 自動車のプロはどうやって愛車を選んでいるのか? ハズさないクルマ選びのコツを聞いてみた

ここから本文です

自動車のプロはどうやって愛車を選んでいるのか? ハズさないクルマ選びのコツを聞いてみた

掲載 43
自動車のプロはどうやって愛車を選んでいるのか? ハズさないクルマ選びのコツを聞いてみた

 この記事をまとめると

■コラムニストがマイカー選びで重視する点を紹介

【恐れる必要なし】買う前に必ず行くべきディーラー試乗の心構え4カ条

■山本晋也さんは「代わりの効かない魅力」があることを最優先する

■さまざまな条件を考えるが最終的には「肌に合う」ことを最優先している

 ある意味「ライバル不在」が重要

 モータージャーナリストという職業・肩書からは「クルマの評価やチェック、解説をする職業」という姿が思い浮かぶだろう。新車を評論する際には、時代性やターゲットユーザーとのマッチングなど、自分の好き嫌いとは分離して考える職業ともいえる。そんなクルマのプロは、新車を購入する際に必ずチェックしていること・するところはあるのだろうか?

 おそらく千差万別、十人十色だろう。モータージャーナリストは必ず一定の基準でクルマを評価・解析する必要もなく、当然ながらマイカーについては完全に個人のおかれた状況や趣味趣向、好き嫌いで選んでいるはずだ。

 というわけで、モータージャーナリストではなく自動車コラムニストを名乗っている筆者の場合、どんな基準でマイカーを選んでいるかをお伝えしようと思う。

 ちなみに、ジャーナリストとコラムニストの違いについては、著名コラムニストである小田嶋隆氏が『コラムニストとは、取材をしないジャーナリスト』と定義している。この表現について、足で稼いだファクトを伝えることより、自分の感性を重視した文章を書くことを大切にしているという意味では、小田嶋氏の定義は納得であるし、そうしたマインドの持ち主がマイカー選びで重視しているポイントについて語るコラムになると、ご理解いただければ幸いだ。

 結論をいえば、「替えの利かない要素があること」を、マイカー選びにおいて最優先事項としている。

 たとえば、いまの愛車はスズキのエブリイバンなのだが、なぜライバルとなるホンダN-VANやダイハツ・アトレー/ハイゼットカーゴではなかったのかといえば、エブリイにはメーカー純正の2段ベッドキットが設定されていたことにある。

※写真はエブリイワゴン

 そもそも軽バンを選んだ理由は、「気ままな車中泊ドライブを軽バンという限られたスペースで楽しんでみたい」というものだった。そのうえで、「軽バンのプリミティブさを実感できるMTで乗りたい」、「せっかくなら商用車らしくFRがいいな」などの条件を当てはめていったところ、最終的には上記のとおり「純正アクセサリーとして用意されているアルミ&スチール製の丈夫な2段ベッドが設定されている」ことが決め手となった。

 軽バンのなかで、最大4名の大人が横になれるというのは、オンリーワンといえるもので、「替えが利かない」というクルマ選びの最重要条件に合致したことで、エブリイバンを購入することにしたのだ。

 過去の愛車歴を振り返ると、2000年頃に購入したホンダ・インサイト(初代)については、「オールアルミボディかつ、専用設計の3気筒エンジン+ハイブリッド。空力のために後輪をスパッツで覆ったフォルム」という他に類を見ない要素が購入を決断させてくれたと記憶している。

 ここまで振り切れていなくとも、これまで「このクルマでしか味わえない、楽しめない」部分を重視して愛車を選んできたと自負している。その理由はクルマを買ったあとで後悔したくないからだ。

 試乗した瞬間に「肌に合う」モデルが存在する

 前述したインサイトのように飛びぬけて特徴的なクルマでない限り、たいていのクルマにはライバルモデルが存在している。自動車メディアでは、そうしたライバル同士の燃費や速さ、寸法に価格などをロジカルに比較して、どちらが優れていると評価しがちだが、そうした条件がクルマの魅力すべてをカバーしているとはいえない。数値では表現しづらい要素もあれば、スタイリングやボディカラーのように好みに左右される要素もある。

 もし、ライバル比較のなかで、どれか一車種にしかないオンリーワンの機能や要素があったとしたら、そもそも比較項目として成立しないともいえる。

 愛車選びにおいても、同様にカタログスペックを比較したり、ディーラー試乗などで乗り比べてみたり、シビアに交渉した価格によってコスパを計算してみたりといった比較をすることだろう。しかしながら、そうしたロジックで選んだクルマでも満足できないことがある。そうしたときに「あっちにすれば良かった」と思わないためには、自分の好みやニーズに合った「替えが利かない」要素を持っていることがポイントになると思う。

 そうした自分だけの評価ポイントとして、意識してほしいと思うのは「クルマとの相性」だ。機械と人間において「肌に合う・合わない」が存在するのは不思議なことだが、個人的には間違いなく「肌に合うクルマ」というのは存在している。

 自分の車歴でいえば、1990年代に乗っていたスズキ・ワゴンR(初代)はまるで体の一部のように扱えるという意味で肌に合うクルマだった。それと似た感覚は現在の愛車であるエブリイバンでも感じているのだが、不思議なのはスズキ車であれば相性がいい、とはいえないこと。2000年代に「泣く子も黙る79万円」のキャッチコピーで話題となった初代スイフトに乗っていたこともあるが、このクルマは最後まで馴染むことができなかった。

 そんな相性の良し悪しは乗った瞬間に感じることも珍しくない。

『コラムニストは取材しないジャーナリストである』を自分に当てはめると、『自動車コラムニストは試乗をしないモータージャーナリストである』となる。そのため、新車試乗をする機会は少なめなのだが、それでも過去に「新車試乗取材においてあまりにも肌に合うクルマだったので購入に至った」というモデルがあったりする。

 具体的には、ホンダのコンパクトミニバン「フリード(現行型・ガソリンエンジン車)」とトヨタ・クラウン(12代目ゼロクラウン、3.5リッターエンジン搭載車)は、まさに肌に合う感じがよすぎて買ったモデルだった。自分に相性がいいクルマというのは、けっしてカテゴリーや駆動方式、メーカーといった要素では判断できないのは、自分のことながらおもしろい。

 その意味では、皆さんが愛車を選ぶ際にも「スポーツカー以外はあり得ない」だとか「利便性からミニバン一択」と、対象を絞り過ぎないほうがいいと思う。広い視野でクルマを見ていくことで自分や家族にとって相性の良いモデルに出会えるかもしれない。

こんな記事も読まれています

4人乗れる「軽トラ」!? 今も“新車”で買える斬新「商用車」が存在! 仕事から趣味、ファミリー用でも使える「超個性派モデル」に注目あり!
4人乗れる「軽トラ」!? 今も“新車”で買える斬新「商用車」が存在! 仕事から趣味、ファミリー用でも使える「超個性派モデル」に注目あり!
くるまのニュース
スーパーGT参戦で初来日。ニクラス・クルッテンが感じた、地元ドイツとは違う日本レース界の魅力「ここではモータースポーツが高く評価されている」
スーパーGT参戦で初来日。ニクラス・クルッテンが感じた、地元ドイツとは違う日本レース界の魅力「ここではモータースポーツが高く評価されている」
motorsport.com 日本版
6年目にしてPHEVへ! ランボルギーニ「ウルスSE」は「ペルフォルマンテ」と「S」のいいとこ取り!?「北京国際モーターショー」でワールドプレミア
6年目にしてPHEVへ! ランボルギーニ「ウルスSE」は「ペルフォルマンテ」と「S」のいいとこ取り!?「北京国際モーターショー」でワールドプレミア
Auto Messe Web
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年4月21日~4月27日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年4月21日~4月27日)
Webモーターマガジン
F1参戦諦めないアンドレッティ、準備着々。シルバーストンで働くスタッフの採用開始……御大マリオ「これ以上何ができようか」
F1参戦諦めないアンドレッティ、準備着々。シルバーストンで働くスタッフの採用開始……御大マリオ「これ以上何ができようか」
motorsport.com 日本版
小型or多機能? 車内の充電環境を快適化できる“ハイパワー”な電源アイテム登場!【特選カーアクセサリー名鑑】
小型or多機能? 車内の充電環境を快適化できる“ハイパワー”な電源アイテム登場!【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
プレミアムカーに搭載されている「Dolby Atmos for cars」が奏でる圧倒的な臨場感の秘密
プレミアムカーに搭載されている「Dolby Atmos for cars」が奏でる圧倒的な臨場感の秘密
@DIME
最強最後の「V8エンジン」搭載モデル!? 650馬力の「爆速スポーツカー」予約再開に“購入希望”の声あり! 2500万円の新型「コルベットZ06」とは
最強最後の「V8エンジン」搭載モデル!? 650馬力の「爆速スポーツカー」予約再開に“購入希望”の声あり! 2500万円の新型「コルベットZ06」とは
くるまのニュース
Moto3スペイン決勝|山中琉聖、表彰台争うも一歩届かない2戦連続の4位。コリン・ベイアーが勝利
Moto3スペイン決勝|山中琉聖、表彰台争うも一歩届かない2戦連続の4位。コリン・ベイアーが勝利
motorsport.com 日本版
スーパーGT 2024年シーズンが開幕! GT500クラスは36号車「au TOM’S GR Supra」が圧倒的強さを見せつけました
スーパーGT 2024年シーズンが開幕! GT500クラスは36号車「au TOM’S GR Supra」が圧倒的強さを見せつけました
Auto Messe Web
メルセデス・ベンツ「GLCクーペ」にPHEV「GLC 350 e 4MATIC Coupe Sports Edition Star」が新たにラインナップ。EV走行118kmを実現
メルセデス・ベンツ「GLCクーペ」にPHEV「GLC 350 e 4MATIC Coupe Sports Edition Star」が新たにラインナップ。EV走行118kmを実現
Webモーターマガジン
九州産交バスが「くまモン」デザインのラッピングバス運行開始
九州産交バスが「くまモン」デザインのラッピングバス運行開始
レスポンス
NSXの次の「タイプR」はホンダじゃなくてマツダ「ランティス」だった! 2リッターV6まで搭載するも1代で消えた残念な名車
NSXの次の「タイプR」はホンダじゃなくてマツダ「ランティス」だった! 2リッターV6まで搭載するも1代で消えた残念な名車
WEB CARTOP
新車購入時に迷ったらコレだけは付けておけ! ガチで使える「オプション装備」5選
新車購入時に迷ったらコレだけは付けておけ! ガチで使える「オプション装備」5選
WEB CARTOP
【フォーミュラE】モナコ4位のベルニュ、もし自分がチームメイトの前だったら……「ジャガー勢に好き放題させなかったのに」
【フォーミュラE】モナコ4位のベルニュ、もし自分がチームメイトの前だったら……「ジャガー勢に好き放題させなかったのに」
motorsport.com 日本版
15年ぶりに全面刷新! トヨタ新型「ランクル250」発売、520万円から!  従来プラドから何が変わった?
15年ぶりに全面刷新! トヨタ新型「ランクル250」発売、520万円から! 従来プラドから何が変わった?
くるまのニュース
四角いクルマによく似合う!無骨なデザインがカッコいい「大容量ルーフキャリア」に荷物はどれくらい積める?
四角いクルマによく似合う!無骨なデザインがカッコいい「大容量ルーフキャリア」に荷物はどれくらい積める?
VAGUE
日産 キックス 新型のスタイルは「堅牢」と「軽やかさ」を両立
日産 キックス 新型のスタイルは「堅牢」と「軽やかさ」を両立
レスポンス

みんなのコメント

43件
  • ******
    その都度広報車借り出しているから、自分のクルマなんて持ってない自動車ライターも多い
    どんなに雑に扱っても他人のクルマだしね
  • set********
    この記者は取材をしないジャーナリスト。
    つまりは机上の空論で仕事をしてる人って事か。
    そんな人の意見って、意味あるのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

335.5372.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.5350.0万円

中古車を検索
インサイトの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

335.5372.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.5350.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村