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2019年の新車販売は日産がトップ2独占でスタート! それでも手放しで喜べない裏事情とは

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2019年の新車販売は日産がトップ2独占でスタート! それでも手放しで喜べない裏事情とは

 日産系ディーラーは正月の3日から初売りセールをスタート

 巷では2019年1月の自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計による登録車新車販売台数で、日産ノート及び日産セレナがトヨタを差し置いてワンツーフィニッシュとなったことが話題となっている。

販売台数首位争いの2台! 日産ノートとトヨタ・アクアはどちらが買いか?

 1位の日産ノートは1万1448台、日産セレナは1万110台となっている。ちなみに3番手には8875台でトヨタ・アクアが入っている。

 では、なぜ日産がワンツーフィニッシュを達成できたかというと、日産は1月3日より店を開けて初売りセールを行っているのに対し、トヨタは5日もしくは6日より店を開けて初売りセールを開始していることが挙げられる。つまり日産が2日から3日早くスタートし、結果的に1月の日産系ディーラーの稼働日数が多かったことが大きな勝因のひとつともいえよう。

 毎年スズキとダイハツ系ディーラーは全国的に3日から初売りセールを開催。日産系はディーラーによっては3日から店を開けていたが、今回はテレビコマーシャルを打って全国的に初売りセールを開催した。「たかが2日早いだけだろ」と言うなかれ、アメリカの新車販売台数統計や、販売台数を語るときには必ず、“前年同期との稼働日数の違い”が販売台数の増減を左右するとして統計分析では重要視されている。

 とくにこの初売りセールでのスタートの早さが販売台数に与える影響は大きい。

 3日から店を開けているディーラーを訪れると、「3日から店を開けるのはいいウォーミングアップになります」という話をセールスマンからよく聞く。年末までに暦年締め販売台数をできるだけ多くするため、各セールスマンが担当している購入見込み客をすべてアタックし、生産状況などで納車が遅れ気味の受注済み車もよほどの事情がないかぎり、年内に登録して納車してしまう。

 それゆえ手持ちの購入見込み客も、1月以降の販売実績にカウントできる受注残(12月までに受注したものの登録&納車がまだの車両)車両もないまま、年明け1月から販売ノルマを追いかけることになるセールスマンは結構多い。しかも年末は27日あたりから、早めに初売りセールを始めないディーラーならば年明け5日や6日あたりまで休みとなるので、1月は絶対的な稼働日数が足りないので、ノルマ達成に四苦八苦するセールスマンも目立つ。

 そのため3日から店を開けるのは、1月中に受注がもらえそうなお客とできるだけ多く接しておくという面も大きいのである(もちろん3日から受注できる体制にある)。

 初売りセールでは、来場記念品(来場者全員がもらえる)もいつもより充実しており、初詣や、買い物帰りにディーラーに立ち寄るひとも多い。たとえ記念品狙いとはいえ、正月にわざわざディーラーにくるのだから、まったく脈がないわけではない。仕事の関係から正月ぐらいしかのんびりできないとして、このタイミング(年始)で新車購入を検討する人も意外なほど多いのである。

 一部車種だけが突出している日産の偏った現状

 ただ気になるのは、1月の日産としての新車販売台数は、2018年1月比で98.9%なのに対し、トヨタは103.9%となっており、しかも乗用車メーカーで前年同期割れしているのは、日産のほかスバルとマツダだけで、ほかのメーカーは総じて好実績となっている。

 少し前までは日産ノート、日産セレナに加えて日産の“売れ筋3本柱”となっていた日産エクストレイルは、前年同期比70.1%で登録車ランキング21位となっており、2位の日産セレナから日産エクストレイルまでに日産車は1台も入っていない。

 全軽自協(全国軽自動車協会連合会)統計による、2019年1月の通称名(車名)別販売ランキングをみると、3位に日産デイズシリーズが入っており、販売台数は前年同期比で132.8%となっている。ちなみに日産デイズシリーズは3月下旬に次期型車がデビュー予定となっており、1月下旬に現行型はオーダーストップ(新規にメーカーにオーダーを入れることができなくなる)となっている。

 今回の1月の結果をみると、確かにトヨタ・アクアやトヨタ・プリウスを押さえて登録車ランキングで日産ノートと日産セレナがワンツーフィニッシュになったことは大きなトピックではある。ただ正月3日から店を開け、稼働日数で差をつけても売れるのは日産ノートと日産セレナ、そして軽自動車の日産デイズシリーズぐらいしかないという、いまの日産の偏った国内販売の現状を顕在化させたといってもいいだろう。

 販売台数上積みのために自社登録(軽自動車は届け出)も積極的に行っていたことも否定はできないが、こちらは数カ月後の登録済み(軽自動車は届け出)未使用中古車や、いったんレンタカーやカーシェアリング用車両などとして登録されたあとに中古車として流通させる可能性もあるので、当該車両(ノート、セレナ、デイズシリーズ)の高年式中古車の流通状況を見ればはっきりするだろう。

 初売りを仕掛けるにしても、看板車といえるのは日産ノートと日産セレナ、日産デイズシリーズぐらいしかない。とくに登録2車については2018年度締め販売統計での登録車やカテゴリー別での販売台数トップ獲得も睨んで、メーカーや系列ディーラーも積極的に売り込んだのかもしれないが、いまの日産の国内販売で積極的に売り込みをかけても日産ノート、日産セレナそして日産デイズシリーズぐらいしか注目されないことを鮮明化してしまったともいえるのが、2019年1月の販売台数統計ともいえるだろう。

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