「あのデザインはどうなの?」
text:Kentaro Nakagomi(中込健太郎)
【画像】写真で見る「賛否両論」のクルマたち【詳細】 全81枚
クルマのデザインは人に多くの印象を与えるものです。
そしてクルマ好きに限らないのかもしれませんが、人はそれまで築き上げてきた印象を覆るような刷新には抵抗を覚えるものです。
数年に一度モデルチェンジするのが自動車では通例。そんな折りにしばしば盛り上がるのが「あのデザインはどうなの?」という新型車のデザインに関する賛否両論。
そんな賛否両論が巻き起こった3台を振り返ってみたいと思います。
あの鼻はやりすぎ? BMW 4シリーズ
そもそもこれを書く契機が、このクルマの登場と共に巻き起こった「賛否両論」でした。
全体的なフォルムこそ、今どきのライバルクーペにも通じるトレンドに則った、比較的オーソドックスと言えるものですが、衝撃的だったのはあのフロントマスク。きわめて大型化されたキドニーグリルでしょう。
デザインアイコンとして欠かせないものではありますが、あの大きさはやりすぎ! という声が少なくなかったようです。
ミッレミリアなどでも活躍したロードスター「328」など、往年のモデルは上下方向に「躊躇ない大きさのキドニーグリル」を持っていたものもありました。
しかし最近のものでは前衛かつ挑戦的。この賛否両論こそ、デザイナーにとって勝利の証みたいなものかもしれません。
愛嬌ない? マツダ・ロードスターND型
そのモデルの先祖が人気車種で、しかもリトラクタブルヘッドライトなど採用していると「賛否両論」避けられません。
4代目のロードスターND型などもその好例ではないでしょうか。
NDに関しては「あの小さなヘッドライト、目つきが悪い」など、かつてのモデルに愛嬌があったりすると、言われようはなかなか厳しいものがあります。
初代ユーノス・ロードスターはリトラクタブルヘッドライト、格納式で点灯時はボンネットからヘッドライトがせりあがるタイプでした。
丸いライトが光るさまは、それこそイラストにしたカエルなんかに通じる愛くるしさを感じやすいものです。
しかし、今はあの構造のクルマを作れません。また衝突安全や、歩行者接触時の対策などをデザインには盛り込まなければならないわけです。
「デザインの責任領域」は大きくなり、かつてできたことがそうそう簡単にできなくなっているのです。
あの形状のボンネット、バンパー、フェンダーで囲まれたところに要件を満たすヘッドライトを構築する。そうするとああなるのでしょう。
確かにデザインこそやや冷ややかかもしれませんが、それでも、屋根を下ろし、風を切ながら駆け回れるロードスターに今も乗れる悦びも噛み締めていたいものです。
意匠より歴史が賛否両論 スカイライン
400Rの登場で、存在をグッと広い層から認知される存在になりました。しかしそんなスカイライン、登場した当時はインフィニティのエンブレムを掲げて登場。
デザインというか「クルマの魅せ方」という点でこれも大いに賛否両論分かれたクルマでした。
しかし、今どきFRセダンがラインナップされていること自体、まず感謝して尊ぶべきことではないでしょうか。
プライスは相当に跳ね上がり、確かに輸入車のプレミアムブランドもチョイスできる価格帯になってしまっていました。
しかし、初めて3.5Lのハイブリッドモデルに乗った時の印象は今も鮮明に残っています。
世界初を標榜するダイレクトアダプティブステアリングは操舵を電気信号に変換して舵角を与える仕組み。決して小さくないボディをひらりひらりと身軽に走らせました。
今こんなクルマが選べるなんて! 技術のありがたみを感じ、思わずほろりとさせられたものです。
賛否両論を交わしている場合ではない! 今のうちに乗っておかないとスカイラインの火が消えてしまう! 私にはそんな危機感の方が強く感じられたクルマです。
マイナーチェンジと共に「日産なフロントマスク」に戻ったスカイライン。賛否両論度は下がったので、是非1人でも多くの人に乗ってほしい、と今や「いっそ太鼓判を押したい」1台と言えるでしょう。
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みんなのコメント
今度の4シリーズ見て思いついた記事なのに、ついでに引っ張り出されたロードスターとスカイラインは通り魔被害にあったようなもんで迷惑。
そもそも、4シリーズにしたって、「賛」はひとつも書かれてないのにどうして賛否両論??