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平成最後の桜を愛でながら、古いクルマのオーナーの1人として感じたこと

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平成最後の桜を愛でながら、古いクルマのオーナーの1人として感じたこと

今年も桜前線が北上中だ。平成最後のお花見ということもあり、既に楽しまれた人もたくさんいると思う(これから開花という地域の人は待ち遠しいことだろう)。桜の花は毎年必ず咲いてくれるし、本当にきれいな花だと改めて感じた。毎年のこととはいえ、すべての人が毎年ちゃんと楽しんで、年月を重ねることへの意味を感じてるいるか?ということについては、ちょっと疑問に感じることがある。今年もお花見ができることに感謝をして、無事に年月を重ねることに意義を感じるのは、長い時を超えて愛するモノと一緒にその機会を迎えられているからかな、とも思うのだ。

今、日本では年月を重ね、何年、何十年もともに桜の開花を迎え、ときには一緒のフレームに収まり、写真や画像データとして残されるクルマたちがたくさんいる。それは、年月を重ねたからこそ、並んで写る意味があるのかもしれないと思うほどだ。

初のファミリーカーは1965年前後のトヨタ コロナHT。なぜ、いまこのクルマにドキドキするのか?

筆者が運営しているfacebookグループで起こった不思議なできごととは?

前置きが長くなった。筆者の主催するfacebookグループ「旧いクルマの自動車税割増反対」( https://www.facebook.com/groups/1444683832519843/ )で、今年の春、不思議なことが起きた。

あるメンバーが今年のサクラをバックに自分の愛車を投稿したことによって、多くのメンバーが桜の背景に愛車写真を投稿するという事象だ。もしかすると、最近(税金が割引だったり、割増されていない年式)のクルマのコミュニティでも、同様のサクラを背景とした写真が共有されていたかもしれない。

しかし、この旧車増税反対グループでは、誰かが旗を振って「桜の背景の写真を共有しよう!」と書き込んだことはかつて一度もなかった。…にもかかわらず、多くの「桜と愛車」の写真が共有されたのだ。

「毎年、春になると桜の花が咲き、我々を楽しませてくれる」

筆者が思うに、それはあたりまえのことであって、実はそうではないのかもしれない。少なくとも、慣れというものがないように思う。それは日本人としてこの世に誕生したDNAなのかもしれない(海外の人はどうなのだろうか)。ソメイヨシノを例に挙げると、50年が寿命という説もある。事実、それ以上の年月を重ねても毎年のようにきれいな花を咲かせているケースもあるから一概にはいえないようだ。要は、多くの人の尽力があってこそ、毎年のように桜の花が愛でられることを忘れてはならないということだ。そこに思いを馳せれば、お花見をした場所にゴミを残したまま帰宅する…といった行為はとうていできないはずだ。

クルマにまつわる税金について

翻って、クルマはどうか?初年度登録からある程度の年月を重ねたクルマが公道を走り、車検を継続して維持いくためには、オーナーの愛情が不可欠だ。しかし、現実は厳しい。純正部品の入手が厳しくなる一方という人も多い。さらには、税制面が追い打ちを掛けているように思う。3月下旬にはじまった桜前線が日本列島を掛け抜け、やがて津軽海峡に到達する頃になると、あたりまえのように自動車税の納付書が送られてくる。

クルマにあまり詳しくない読者の中には、クルマにまつわる税金について詳しくないかもしれないので、簡単に整理しておくと、

[1]自動車税
毎年4月1日のクルマの持ち主に向こう1年分の自動車を保有していることに対する税金を納めるもの。納付期限は5月末。この税金はエンジンの排気量によって納税額が決められており、日本国内で最初の車検を受けてから13年未満のクルマは29,500円(排気量1リットル以下)~111,000円(6リットル以上)であるのに対して、13年を超えるクルマの場合は32,400円~122,100円(約10%の割増)、さらに18年を超えるクルマの場合は33,900円~127,600円(約15%の割増)となる。
*詳しくはコチラ( https://www.noqz.org/?page_id=3535 )

[2]重量税
車検を受けるときに納めるもの。これは自動車税のように排気量ではなく、クルマ本体の重量によって税額が決められており、日本国内で最初の車検を受けてから13年未満のクルマは8,200円(車両重量500kg未満)~49,200円(3t以下)であるのに対して、13年を超えるクルマの場合は11,400円~68,400円(約40%の割増)、さらに18年を超えるクルマの場合は12,600円~75,600円(約50%の割増)となる。
*詳しくはコチラ( https://www.noqz.org/?page_id=3527 )

この2種類の税金の割増は、年数の経ったクルマは「環境負荷が高い」というなんとも納得のいかない理由で決められている。何度も桜の季節を超え、年月を重ね、スクラップにもせず、大切に乗っているだけで何故か税金が高くなる、という非常に理不尽な税制なのだ。

ちなみに、排ガス基準をクリアしたり、燃費性能に優れている最近の「エコカー」はこれらの税金が免除されたり減額されている。排ガスの量が少なく、燃費のいい新車を買い、消費を促進させるためにこういう減税がされることについて反論はない。ただ、帳尻合わせのためなのか、古いクルマを割増にするということについては全力で反対だ。

上記2つの税金以外にも
[3]自動車取得税
50万円以上の自動車を購入した際、登録時に納めるもの。現在は取得価格の3%だが、今年の秋の消費税が10%に上がるタイミングで廃止されることが検討されているようだ。この税金は年式での割増はない。

[4]ガソリン税
ガソリンを買う際に1リットルあたり53.8円を納めるもの。これ以外にもガソリン税として1リットルあたり2.54円も追加で納めており、ガソリンの本体価格にこれらの税金を合算した金額にさらに消費税も納めることにもなる。街のガソリンスタンドに掲げられている1リットルあたりの価格の約40%が税金だ。この税金も自動車取得税同様、年式による割増はない。一律で支払っているので、税率の高さはおいておいて、年式での不公平感はない。

愛車と桜の2ショット画像をご覧あれ!

今回、各オーナーの承諾を得て、前述のfacebookグループ上にアップロードされた「愛車と桜の2ショット画像」の一部をご紹介したい。※順不同

もはやネオクラッシックといわれるようになった1990年代の国産車も、40年前、50年前という歴史を持つ国内外のクルマも、例外なく見事なまでにマッチしていることがお分かりいただける思う。

長い年月をかけて日本の気候に馴染むためにいろいろな改善(改造)を施したり、新車当時の状態をできる限り維持していたり、オーナーの愛を受けてサクラの季節を何回も何十回も駆け抜けて来たクルマたちに重い課税を課す日本の税制はやはり不条理であること明らかと考えている。

「年月を重ねる」ということを楽しみ、意味を見出し、愛し、共感することに重い税金を課す国に豊かな将来やおもてなしができるのかということについては、課題があると思っている。今年は平成18年のクルマから割増になる。あなたが新車で買ったエコカーが割増に来る日も実はすぐそこかもしれない。また新車、買いますか?

[ライター/ryoshr・撮影/ryoshr & facebookグループ「旧いクルマの自動車税割増反対」メンバーの皆さん]

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