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【試乗】新型レヴォーグ・プロトは4WSばりのカミソリハンドリング! 「手放し」まで手に入れた「アイサイトX」にも驚き

掲載 更新 15
【試乗】新型レヴォーグ・プロトは4WSばりのカミソリハンドリング! 「手放し」まで手に入れた「アイサイトX」にも驚き

 切り出した瞬間にノーズが動く「鋭い刃物」のようなハンドリング

 新型SUBARUレヴォーグ・プロトタイプに触れて、驚かされたことは数限りない。基本的にはキープコンセプトであり、スバルの歴史上のひとつのモデルに過ぎない。だが、その中身に触れると、熱く煮えたぎるようなスバル開発陣の思いが込められていることを知ったのだ。新生スバルの、これからの隆盛への狼煙のように感じたのである。

スバル・レヴォーグだけがナゼ売れる? 人気薄のステーションワゴン市場で気を吐く理由

 クルマを前にして感じたのは、「かっこいい」という単純な感想である。前後に長く、安定感のあるフォルムを形成している。だが、フロントマスクは鋭く前方を見据えるような力強さが感じられたし、リアエンドの造形にも存在感がある。それでいて安心感があるのは、これまで長い年月を重ねる中でスバルが育ててきたツーリングワゴンならではの公式に則って筆を振るったからであろう。

 にもかかわらず、走りは劇的に変化した。先代モデルから乗り換えた瞬間に、これがレヴォーグであることをにわかに疑いたくなるほどに、変身していたのだ。

 エンジンは水平対向4気筒1.8リッター直噴ターボを搭載する。前後に短く、クラッシャブルゾーンを確保するための細工が行き届いている。だが、先代の1.6リッターと比較して最高出力に劇的な変化はない。わずか7馬力のアップでしかない177馬力である。だが最大トルクは250N・mから300N・mに向上している。とはいうものの、加速感には驚くほどの変化はない。必要にして十分なパワーが得られたに過ぎない。

 劇的に変化したのは操縦性である。走り始めた瞬間に襲ってきた、鋭い刃物のような切れ味には驚かされた。ステアリングのほんの数ミリの入力でさえ、ノーズが大胆に反応した。同時に強烈な旋回Gが立ち上がる。身構える僕の予測を大幅に超えていたのだ。ちょっと頭がクラクラっとした。

 電動パワーステアリングはフリクション感がほとんどなく、なおかつステアリングギア比を切り詰めたことでシャープな反応を示す。

 スバル初の電子制御ダンパーは、初期から鋭く減衰力が立ち上がる。ボディ剛性も際立っている。鉄板と鉄板の接着エリアを増やしたことなどが効いて、強固なボディに成長したのだ。それらの相乗効果で、ステアリングレスポンスがドキドキするほど高まったのだ。

 切り込んじだ瞬間、4WSなのかと我が感覚を疑った。後輪が逆位相に転じたのかと信じて疑わなかったほどの切れ味なのだ。

 それでいて、コーナリング中のスタビリティは高い。サスペンションストロークが増えたことで、簡単にはグリップを身離すことはない。フロントの切れ味は鋭くても、テールハッピーではないのだ。これには驚かされた。

 ダンパーの減衰力が鋭く立ち上がるから、その分乗り心地の悪化も感じた。路面の微細な凹凸にも反応してしまう。試乗車はプロトタイプであり、走行距離も進んでいなかった。距離を重ねればあるいはなじみが得られるかもしれない。

 50km/h以下の渋滞時は手放しも可能!

 新型レヴォーグのドライブを終えて強く印象に残っているのはその刺激的な操縦性のことである。改めて思う。これはスバルの積み重ねてきたツーリングワゴンの復権の狼煙ではないのかと思う。

 スペース・ユーティリティ・ヴィークルの座をSUVが奪って久しい。各メーカーがこぞってSUVを開発し、そしてそのモデルはとても売れる。たが、そもそもユーティリティ豊かなモデルはツーリングワゴンの特権ではなかったのか。スバルワゴンからレガシィへと受け継ぎ、レヴォーグがその座を牽引している。ツーリングワゴンの老舗スバルが、ユーティリティ・ヴィークルの座をSUVから奪い返すために、レヴォーグにあれほどの走り味を盛り込んだのではないかと想像するのだ。背の高いSUVじゃ、ここまでの走りはできまいと……。

 ちなみに、新型レヴォーグには、さらに運転支援性能を高めた「アイサイトX」が搭載されている。来たる自動運転時代に備えているのは明らかな性能なのだ。

 アイサイトXには、3D高精度地図が組み込まれた。高精度GPSとの連携によって、これまでカメラやレーダーでは認識できなかった「先の先」までの把握することが可能になった。

 これにより、ウインカー操作だけで車線変更が可能な「アクティブレーンチェンジ」や、渋滞路に先行車を追尾する「渋滞時発進アシスト」だけでなく、「渋滞時のハンズオフ」も可能になった。

 料金所では自動減速してくれるし、ゲートを潜り終えればまた元の速度まで自動で復帰してくれる。曲率の強いカープが迫れば、適切な速度まで減速してくれる。もちろん復帰もする。

 トライバーを常に監視し続けてくれており、脇見運転には警告を発するし、意識を失った場合には安全を確保した上で完全停止もしてくれるのだ。運転支援技術は飛躍的に高まった。しかも、レーンキープや追尾が、人間の感覚に自然に制御するのだ。多くのテストを重ねて完成にたどり着いたことが想像できた。

 新型レヴォーグは、ツーリングワゴンの復権を願うとともに、安全性を高めて登場する。しばらく話題の中心になる予感がする。

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みんなのコメント

15件
  • 安定の正常進化という感じで好感が持てます。何も変わる必要の無いところを無理に変える必要は無い。3代目レガシィが登場したときに時、三本さんの新車情報で開発の方がそんなことを言ってのを思い出しました。逆に中身の進化に期待します。意味の無い見た目だけの変化や押しつけの機能変更を求めるなら他のブランドを選べば良い。長年のスバルユーザーはその辺理解してます。個人的にCVTは好きではないですが、他では選べない水平対向と4輪駆動を貫き通して頑張って欲しいですね。スバルの様なクソ真面目で1本芯の通ったメーカーは貴重な存在だと思いますよ。
  • 走りの進化は凄そうですね
    いかにせんデザインがねぇ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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