現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 全体的に「イイクルマ」 シャオペンG6 ロングレンジへ試乗 モデルYを徹底ライバル視

ここから本文です

全体的に「イイクルマ」 シャオペンG6 ロングレンジへ試乗 モデルYを徹底ライバル視

掲載 10
全体的に「イイクルマ」 シャオペンG6  ロングレンジへ試乗 モデルYを徹底ライバル視

モデルYを徹底的にライバル視して生まれたG6

世界で最も売れているバッテリーEVは? テスラ・モデルYだ。それを徹底的にライバル視して生まれたのが、今回試乗したシャオペンG6。英国にも、インターナショナル・モーターズ社を通じて導入が始まった。さらに、4種のシャオペンを輸入予定だという。

【画像】モデルYを徹底ライバル視 シャオペンG6 ロングレンジ サイズの近い電動SUVはコレ 全183枚

このブランドが強みとするのが、スマートなデジタル技術と持続可能性。同社の研究施設は中国外の複数の国にも存在し、世界各国でのビジネス展開を計画している。

大きな目標を背負ったG6だが、第一印象を左右するスタイリングには、もう少し特長が欲しいかも。中型の電動SUVにはライバルが多く、ヒョンデ・アイオニック 5などとも比較されるはず。ヘッドライトをスリムにしたモデルY、と表現したくなる。

ボディサイズは、ひと回り大きい。全長4891mm、全幅1937mm、全高1680mmだ。

パワートレインの展開は、シングルモーターのスタンダードレンジとロングレンジに、ツインモーターのパフォーマンスという3種類。航続距離も含めて、モデルYの設定が強く意識されたことは間違いない。

駆動用バッテリーの容量は、スタンダードでLFPの66kWh。ロングとパフォーマンスには、NMCの87.5kWhユニットが載る。急速充電は前者で215kW、後者で280kWと高速。20分程度で、残量10%から80%へ回復できる計算だ。

英国価格の正式発表はまだだが、スタンダードで約4万ポンド(約780万円)から。ロングでは4万3000ポンド(約839万円)へ上昇する見込みだが、モデルYよりだいぶお手頃といえる。

アウディやBMWから大きく見劣りしない車内

インテリアは、ライバルより安価なことを感じさせない。印象の薄いデザインではあるものの、これで充分と感じさせる仕上がり。多くのユーザーが、納得できると思う。

車内はモデルYより狭めだが、アイオニック 5と同等の空間を得ている。前後のシートへ、背の高い大人が快適に座れる。床下に収納はないものの、荷室の容量は571L。フロント側のフランクは備わらない。

内装には、柔らかな人工皮革がふんだんに用いられ、小物入れも点在。全体的な質感は高く、アウディやBMWと比べても、大きく見劣りはしないだろう。オーディオの音質も良好。電話用などに、ヘッドレスト横にも小径スピーカーが備わる。

ダッシュボードの中央には、大きなタッチモニター。速度や航続距離が表示されるメーター用モニターも独立してある。運転席からの視界は広い。

BYDやMGなどと比べて、インフォテインメント・システムの使い勝手は良好。ショートカットメニューが常時表示され、頻繁に使う機能は2度のタップで到達できる。クアルコム社製プロセッサが実装され、画像は高精細で動作も高速だ。

それでも、実際に押せるハードボタンと同等に、扱いやすいわけではない。例えば、高速道路を走行中にドアミラーの調整メニューを探し出すのは容易ではない。英語の翻訳にも、少し違和感はある。

一方、シャオペンの技術者は数か月をかけて、グレートブリテン島で英国仕様を仕上げたと主張する。その成果として、車線維持支援や制限速度認識などのオン/オフは簡単。アップル・カープレイも標準で備わる。

清々しく速い加速力 少し硬めの乗り心地

今回試乗したのは、シングルモーターのロングレンジ。スタンダードレンジから強化された駆動用モーターがリアに載り、最高出力は286psある。息が詰まるほどの勢いではないが、出だしから爽快に速い。

ドライブモードは3種類。その1つ、エコ・モードが普段使いでは最も心地良い。アクセルペダルへの反応が穏やかで、扱いやすい。ただし、最高出力も僅かに制限される。ノーマル・モードも充分に自然。穏やかで滑らかだ。

スポーツ・モードは、アクセルレスポンスが過激になり、モニターのグラフィックがスポーティなものへ変化する。ローンチコントロール機能も備わる。

印象としては、スタンダードレンジの257psでも充分だろう。これに87.5kWhの駆動用バッテリーを組めれば、理想的なG6へ仕上がりそうだが、その設定はない。

回生ブレーキは、タッチモニター上で強さを選べる。ワンペダルドライブには対応しないが、かなり強力なモードから、惰性走行を許すモードまである。ブレーキペダルには、若干弾力のような感触があるものの、効きは漸進的だ。

乗り心地は少し硬めなものの、不快なほどではない。荒れた路面でも、モデルYより落ち着いているように感じられた。

タイヤのグリップ力は高く、トラクション・コントロールの介入も巧妙。ステアリングホイールへ伝わる感触は非常に薄く、運転の楽しさを醸し出すとはいえないが。

テスラと同等の機能をより安価に

タイトなカーブへ突っ込んでみると、ボディロールは大きめ。ステアリングの反応は予想しやすく、機敏ではないものの、車線の中央を導きやすい。洗練性は低くなく、小回りも充分に利き、ファミリーSUVとして大きな不満はないといえる。

高速道路を短時間走らせてみたが、風切り音やロードノイズは最小限。運転支援システムの仕事ぶりも、完璧ではないとしても、目立った不備はなかった。リラックスして長距離を巡航できそうだ。

試乗で表示されていた電費は、シングルモーターのロングレンジで6.1km/kWh。比較的平坦な場所が多かったとはいえ、かなりの高効率といえる。単純計算で、525kmほど走れることになる。

全体的に「イイクルマ」といえる、G6。モデルYでは、乗り心地やギクシャク気味なアクセルペダルの反応、ワンペダルドライブの強要などへ小さな不満を感じたが、そんなことはなかった。ライバル視したテスラと同等の機能を、より安価に提供できている。

客観的な仕上がりは悪くない。技術的な競争力も低くない。訴求力のある、キャッチコピーへ繋がる特長はないとしても。フェイスリフト版となる、モデルY ジュニパーより先に英国市場へ投入されたことが、強みとして働くかもしれない。

◯:航続距離の長さ 急速充電の速さ モデルYより高いコストパフォーマンス 高品質で広々とした車内
△:特長のないデザイン 少し硬めの乗り心地 タッチモニターへ機能が集約されすぎ

シャオペンG6 ロングレンジRWD(英国仕様)のスペック

英国価格:約4万3000ポンド(約839万円/予想)
全長:4891mm
全幅:1937mm
全高:1680mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:6.7秒
航続距離:569km
電費:5.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2025kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:87.5kWh
急速充電能力:280kW
最高出力:286ps
最大トルク:44.8kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

メルセデス・ベンツGLE&GLSに、Night Edition登場!──GQ新着カー
メルセデス・ベンツGLE&GLSに、Night Edition登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
新しい日産アルティマ登場へ──GQ新着カー
新しい日産アルティマ登場へ──GQ新着カー
GQ JAPAN
77周年を記念し、新旧ロータスがサーキットでお祝い
77周年を記念し、新旧ロータスがサーキットでお祝い
レスポンス
レッドバロン、外為法違反で警告 ロシアにバイク輸出 経産相の承認受けず
レッドバロン、外為法違反で警告 ロシアにバイク輸出 経産相の承認受けず
日刊自動車新聞
新型「“6速MT”コンパクトカー」公開に反響殺到! “軽”並みのサイズに「小さいエンジン&MTはイイ」の声も! “観音開き”ドアもあるフィアット「500ハイブリッド」伊国で登場が話題に
新型「“6速MT”コンパクトカー」公開に反響殺到! “軽”並みのサイズに「小さいエンジン&MTはイイ」の声も! “観音開き”ドアもあるフィアット「500ハイブリッド」伊国で登場が話題に
くるまのニュース
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストの初日はTOM’Sから参加の卜部和久がトップタイム
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストの初日はTOM’Sから参加の卜部和久がトップタイム
AUTOSPORT web
ミスヒットしても飛距離をキープできる秘密は? “スイングの常識”を塗り替えるPXGの新メタルウッド「ライトニング」シリーズは何がスゴい?
ミスヒットしても飛距離をキープできる秘密は? “スイングの常識”を塗り替えるPXGの新メタルウッド「ライトニング」シリーズは何がスゴい?
VAGUE
午後の眠気の正体とは? 昼食後の睡魔を追い払うコツを専門家に訊く
午後の眠気の正体とは? 昼食後の睡魔を追い払うコツを専門家に訊く
GQ JAPAN
ラジアル=表面パターンではなく、一番下の層を指すって知ってた!? バイクのタイヤの種類「ラジアルタイヤ」とは?
ラジアル=表面パターンではなく、一番下の層を指すって知ってた!? バイクのタイヤの種類「ラジアルタイヤ」とは?
バイクのニュース
一目惚れ注意! 今見ても異端で目を惹く“特別なドゥカティ”がオークションで落札 銀と赤のボディが魅力的な2002年式「MH900e」の現在の価値とは
一目惚れ注意! 今見ても異端で目を惹く“特別なドゥカティ”がオークションで落札 銀と赤のボディが魅力的な2002年式「MH900e」の現在の価値とは
VAGUE
トヨタ斬新「ちいさなクラウン!?」 全長4.2mボディに「豪華内装」採用! 「大排気量V6」エンジン搭載&専用装備もり沢山! 高級感マシマシな爆速ハッチバック「ブレイドマスター」って?
トヨタ斬新「ちいさなクラウン!?」 全長4.2mボディに「豪華内装」採用! 「大排気量V6」エンジン搭載&専用装備もり沢山! 高級感マシマシな爆速ハッチバック「ブレイドマスター」って?
くるまのニュース
三菱『トライトン』を手軽にUSスタイルに変身! IPFが専用「LEDグリルマーカー」発売
三菱『トライトン』を手軽にUSスタイルに変身! IPFが専用「LEDグリルマーカー」発売
レスポンス
5000個限定! TOYOTA AE86「頭文字D」キーチェーンがついに一般販売開始
5000個限定! TOYOTA AE86「頭文字D」キーチェーンがついに一般販売開始
ベストカーWeb
まるでカートのような原付3輪!? ホンダ「ロードフォックス」の悦楽的スイング機構とは!!
まるでカートのような原付3輪!? ホンダ「ロードフォックス」の悦楽的スイング機構とは!!
バイクのニュース
“静粛性×走り×環境”を追求 ブリヂストンからSUV向けプレミアムタイヤ「ALENZA LX200」が2026年2月登場
“静粛性×走り×環境”を追求 ブリヂストンからSUV向けプレミアムタイヤ「ALENZA LX200」が2026年2月登場
くるまのニュース
“新年らしくておめでたい!” シチズンのブランド横断コレクション「KIZASHI」は漆黒のダイヤルにゴールド煌めく限定モデル
“新年らしくておめでたい!” シチズンのブランド横断コレクション「KIZASHI」は漆黒のダイヤルにゴールド煌めく限定モデル
VAGUE
京商とMOONEYES、1970年代風フルサイズバンのR/Cカー共同開発…「マッドバン」2026年2月発売へ
京商とMOONEYES、1970年代風フルサイズバンのR/Cカー共同開発…「マッドバン」2026年2月発売へ
レスポンス
ヒョンデ、オートバックス28店舗に試乗車配備…ダイレクト販売とリアル店舗を融合
ヒョンデ、オートバックス28店舗に試乗車配備…ダイレクト販売とリアル店舗を融合
レスポンス

みんなのコメント

10件
  • msk********
    (プラグイン)ハイブリッドのブームで日本はえらく浮かれ気味だが、所詮は「踊り場」。
    このレベルのものをリリース出来ずに、今後一体どうする気でいるのかねえ。
    ホントヤバいと思うよ日本の行く末は。
  • あかつき
    好みが分かれそうなデザインだけど内外装の統一感があっていいね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

558 . 7万円 647 . 6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

297 . 9万円 638 . 0万円

中古車を検索
テスラ モデルYの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

558 . 7万円 647 . 6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

297 . 9万円 638 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村