自動車の電動化が進む今、かつてあった内燃機関を搭載した旧車に注目が集まっている。なぜなら最新モデルでは得難いエンジンサウンドやエンジンフィール、ハンドリングなどを有するからだ。そこで『GQ JAPAN』ではちょっと懐かしいクルマを振り返り、旧車ならではの魅力を深めていく。第4回目は、かつてあった日産のセダン、「ブルーバード」の6代目に注目!
「ブルーバードお前の時代だ。」
1970年代から1980年代にかけて、日本車は大きく変わった。“ミニ米国車”、いや、“プア米国車”といったおもむきを捨てさり、独自の存在感を持つように。
1979年発売の6代目の日産ブルーバード(910型)も、そんな、エンジニアリングもデザインも、先代から大きく飛躍したと感じさせてくれたモデル。いま見ても魅力的だ。
910の特徴を簡単に言うと、時代の進化に合わせてすべてが進化していた点にある。どんなクルマを市場が欲しがっているかを把握し、それを提供してくれた。
流麗なシルエットと、装飾的な要素をできるだけ削ぎ落としたスタイリングは、初めて見たとき、おおっと思わせてくれた記憶がある。
「ブルーバードお前の時代だ。」というコマーシャルも大きな話題になった。キャラクターはジュリー(沢田研二)である。
1979年のジュリーといえば「カサブランカ・ダンディ」(2月)、「OH!ギャル」(5月)、「ロンリー・ウルフ」(9月)と立て続けに新曲を発表していた年だ。1980年1月には「TOKIO」を大ヒットさせている。ソロ活動で勢いにのっていた頃だった。
6代目ブルーバードは、後輪駆動で、リヤサスペンションは4リンクのリジッド(高性能「SSS」のみリヤも独立懸架)だ。
それでも、ステアリング形式は、重厚感はあるがやや鈍重なボール循環式から、きびきびとしたラック&ピニオンに変更されたし、前輪ブレーキは通気式ディスクが標準になった。
車検証の“ダットサン”に惹かれ……今回、撮影した個体は、1982年型の「1800ターボSSS-X・G」なる最上級グレードで、ボディは4ドアハードトップ。1980年3月31日に発売され、販売増に拍車をかけたモデルだ。
ちなみに6代目のブルーバードは、当時、小型車(1.6リッター~2.0リッタークラス)カテゴリーで27カ月連続新車登録台数第1位を記録した大ヒットモデルだった。
1800ターボSSS-X・Gで特筆すべきは、910型ブルーバードにとってエポックメーキングともいえる1.8リッターのターボエンジンを搭載した点にある。
4気筒ターボエンジン搭載の初の日本車としても話題になった。新開発のノックセンサーシステムで高めの圧縮比を実現。同時にファイルナルギアの設定も見直された。
先代は「実質的豊かさを持った小型ファミリーカー」(発表時のプレスリリース)とされたが、今回は「1980年代を代表する高性能・高品質の本格的小型乗用車」(同)へと舵を切った。
オーナーは、辻堂で「ガッティーナ」なる中古車販売店を経営する酒井悦郎さん。「価値ある格安イタリア車、フランス車、ノスタルジック溢れる昭和の日本車」を、扱うとするお店である。
今回、GQ JAPAN本誌6月号のCars企画で、声優・江口拓也さんが「昔、わが家にあった6代目ブルーバードに再会したい!」とのリクエストで用意した。
担当編集者いわく、ターボのSSSはなかなか見つからなかったという。酒井さんに訊くと、年々個体は減っているうえに、ガレージにしまい込むオーナーも多いそうだ。ちょっと前までは街中でフツーに見かけたというのに……。
酒井さんに気に入っている点をうかがうと、「シャープな四角い形とピラーレスハードトップ」だそうで、スポーツモデルであるSSSだけど「硬い足かと思ったらフランス車を思わせるしなやかさ」とのこと。たしかにかつて乗った記憶では、ふわりとした乗り心地が印象的だった。
今の基準からすればピラーレスハードトップゆえに、ボディ剛性はちょっと低いかもしれないけれど、それはそれで今のクルマでは体験出来ない“味”で、新鮮である。
「高速よりも山道のほうが楽しい」と、酒井さんは評価。湘南の海岸線を通って、そこから箱根に走っていったら気持よさそうだなあと、うらやましくなってしまう。
6代目ブルーバードを自分のクルマにしたのは、ブルーバード最後の後輪駆動である点を重視し、「車検証にダットサンと書かれていた」のも決め手になったとか。いろいろな思い入れを反映した1台なのだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
同時期のシルビアもフェンダーミラーでしたな。
個人所有で楽しむ人は素晴らしい。
だが旧車ブームに乗っかりアホ丸出しの
車屋が、これらの車を300万円前後で
売りに出していたなぁw
最近見かけないので、いい加減気がついたか?
それは鉄屑だと。