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今では絶滅寸前? 過激すぎない往年のFFホットモデル5選

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今では絶滅寸前? 過激すぎない往年のFFホットモデル5選

■往年のハイパワーすぎないFFホットモデルを振り返る

 技術の進歩は目覚ましく、近年はFF車でもハイパワーなモデルが登場するようになりました。かつては加速時のトラクションがかかりにくいことからFFのパワー限界はそんなに高くありませんでしたが、いまではホンダ「シビックタイプR」やルノー「メガーヌ R.S.」などは300馬力に到達しています。

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 しかし、これほどのパワーを公道で発揮できるシーンは限られており、むしろストレスを感じてしまうこともあるはずです。

 そこで、1980年代に登場したFF車のなかから、過激すぎないスポーツモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「シビック Si」

 ホンダ「シビック」は次世代のFF大衆車として誕生しました。このシビックが最初の大きな転換期を迎えたのは1983年に発売された3代目ではないでしょうか。

 通称「ワンダーシビック」と呼ばれた3代目は3ドアハッチバックと4ドアセダン、5ドアステーションワゴンの「シャトル」をラインナップ。

 なかでも主力だったのが3ドアハッチバックで、外観はロー&ワイドを強調した安定感のある直線基調のフォルムで、見た目にもスポーティな印象です。

 トップグレードである「25i」は、軽量な車体に100馬力(グロス、以下同様)を発揮する1.5リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載。ローパワーといえますが、わずか830kg(MT)という車体でスピーディな走りが可能でした。

 しかし、ライバル車がターボエンジンやDOHCエンジンを搭載したことから、1984年に新開発の1.6リッター直列4気筒DOHC「ZC型」エンジンを搭載した「シビック Si」を発売。

 ホンダの4輪車では、「S800」以来14年ぶりにDOHCエンジンが復活を果たしたことになります。

 シビック Siは最高出力135馬力を発揮し、少々重くなったとはいえ890kg(MT)と十分に軽量な車体で、ワインディングでは腕に覚えがある若者たちを虜にする走りを披露しました。

●トヨタ「カローラFX-GT」

 前出のシビックと同様に、トヨタ「カローラ」も1980年代に大きな転換期を迎えました。

 それが1983年に登場した5代目で、「レビン」を除くセダン系モデルがシリーズ初のFFとなったのです。

 そして、1984年には派生車としてFF2BOXの「カローラFX」がデビュー。ボディタイプは3ドアハッチバックと5ドアハッチバックが設定され、まさにシビックを意識したといえます。

 トップグレードの「GT」は3ドアのみで、シャシは5代目カローラセダンをベースとしており、サスペンションは4輪ストラットの独立懸架を採用。

 GTに搭載されたエンジンは、最高出力130馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCの「4A-GELU型」を搭載し、AE86型と同じエンジンながら横置きに改められています。

 カローラのスポーツモデルとしてFRのレビン、FFのカローラFXという盤石のラインナップを展開し、とくにカローラFXはシビックと人気を二分するほどでした。

 その後、カローラFXは代を重ねて3代目まで続き、現在の「カローラスポーツ」へと系譜は受け継がれています。

●フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI 16V」

 前述のシビック SiやカローラFX-GTの登場に大きな影響を与えたのは、1974年に発売されたフォルクスワーゲン初代「ゴルフ」ではないでしょうか。

 初代ゴルフは、「タイプ1(ビートル)」の後継車として開発されたFFコンパクトカーで、ジウジアーロによるデザインと優れたパッケージングが高く評価され、後に世界中のコンパクトカーのベンチマークとなります。

 1976年にはエンジンやシャシをチューニングしたスポーティグレードの「ゴルフ GTI」を追加ラインナップ。これは、いわゆる「ホットハッチ」の先駆け的な存在でした。

 そして、1983年に登場した2代目にもGTIがラインナップされ、1985年に日本へも初めて正規輸入が開始されました。

 2代目GTIのエンジンは当初8バルブの直列4気筒SOHCでしたが、1987年に最高出力125馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒DOHC16バルブエンジンを搭載した「GTI 16V」にアップデート。

 当然ながら足まわりもチューニングされ、外観は標準モデルから大きく変わっていませんが、グリルやバンパー、サイドモールにGTIの伝統となる赤いラインが入れられるなど、控えめにスポーティさをアピールしています。

 ゴルフII GTIは国産ホットハッチと同等の車格でしたが品質については1枚上手で、ボディの剛性感やハンドルやアクセル、ブレーキなどの操作フィーリング、コーナーや高速時の走行安定性といったところは、国産車を大きく凌駕していました。

■過激すぎない性能のFFターボ車とは?

●日産「パルサーEXAターボ」

 日産初代「パルサー」は「チェリーF-II」の後継車として1978年に発売され、次世代のFFエントリーモデルであり、日産の世界戦略車という重責も担っていました。

 1982年のフルモデルチェンジで2代目が登場。エンジンは1.5リッター直列4気筒SOHCが主力となり、角型2灯式のリトラクタブルヘッドライトを装備する派生車の「パルサーEXA」も発売されました。

 パルサーEXAのボディは2ドアクーペで、典型的なクサビ型フォルムのシャープなデザインを採用。

 当時は1.5リッター直列4気筒自然吸気エンジン搭載車でも同クラス内では十分に俊足でしたが、1983年のマイナーチェンジで115馬力を誇る1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した「パルサーEXAターボ」が登場します。

 日本初のドアミラー採用車となったパルサーEXAターボは、スポーティなスタイルとトルクフルなエンジンによって人気を獲得。

 2BOX/セダンのパルサーに対して、スペシャリティカー的な要素もありました。

●三菱「ミラージュ GSRターボ X1X」

 三菱初のFF車として1978年に発売された初代「ミラージュ」は、ライバルよりも後発モデルながらもスタイリッシュなボディでたちまち人気車となります。

 搭載されたエンジンは1.2リッターと1.4リッターを設定し、1979年には1.6リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載するスポーティな「1600GT」を追加。さらに1982年のマイナーチェンジ時に、クラス初のターボエンジンを搭載する「ミラージュIIターボ」を発売しました。

 ミラージュIIターボは1.4リッターから105馬力のパワーを発揮し、コンパクトカーによる馬力競争がここから始まったといわれています。

 1983年に2代目ミラージュが登場すると直線基調のデザインへと変貌し、トップグレードの「GSRターボ」には、120馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。

 さらに、1986年にはポルシェ初代「911」をデザインし、ポルシェデザイン社を興したF.Aポルシェ氏がデザインしたパーツを装備した「GSRターボ X1X」が発売されました。

 X1Xシリーズには専用のステアリングホイールやアルミホイール、ピレリ製タイヤが装着され、ヤンチャなイメージが多かった2BOXホットモデルとは、一線を画する大人の雰囲気があるシックな佇まいで人気となりました。

※ ※ ※

 振り返ってみると、今回紹介した5車種くらいの馬力で1トン前後の軽量なモデルが、ワインディングロードを楽しむにはベストな選択ではないでしょうか。

 しかし、今はそうしたモデルのニーズはあまりないのが実情で、今後も発売される見込みも難しいでしょう。

 技術の進歩で高性能化は容易かもしれませんが、フィーリングという部分を見直してみるのも必要かもしれません。

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みんなのコメント

7件
  • 就職して初めて新車で買ったのがカローラFX-GTでした、嬉しくて嬉しくてタバコもやめて毎週末はキレイに洗車して乗ってましたね。
    4A-GEUはフケは良かったけどトルクが細く登りはあまり速くなかった。
    5年程乗ってプジョー205GTiに乗り換えましたがカムシャフトって2本要るのか?って言う感じでした、エンジンって奥が深いな…笑
  • 初代のパルサーEXA大好きだったんですけどね~
    その後にトヨタMR2やホンダCR-Xが出てきて、すっかり影が薄くなってしまいましたね…w
    ところで当時の若者向け雑誌で、パルサーEXAターボとあろうことかポルシェ924ターボを
    比較した記事がありましたが…
    今からしたら、何と無茶なことを…w
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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