マツダ最小のモデルである「マツダ2」だが、次期モデルがあるのかどうか危ぶまれている。しかし、マツダにとってはなくしてはならない存在だと現行モデルのディーゼル車を所有した筆者が警鐘を鳴らす!
文/永田恵一、写真/ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部、マツダ、永田恵一
マツダよ諦めないで! マツダ2を「最コンパクトマツダ車」として存続させるべきワケとは!?
■歴代デミオの功績とは?
現行マツダ2の最新改良モデル。次期型モデルは果たしてあるのか……!?
現在、マツダのエントリーカーはコンパクトカーのマツダ2である。デミオから2019年にマツダ2と車名が変わってから実質現行モデルとなる4代目デミオの登場から9年近くが経っているが、販売はいまだ月約2000台と堅調で、マツダの国内販売において欠かせない存在だ。
しかし、最近「マツダ2は現行モデルで最後」という噂を聞くことが増えてきた。
ここでは、マツダ2の前身である4代目デミオのディーゼル車を35歳の時(現在43歳)に生涯初の新車として自分のものとして買った筆者が歴代デミオ&マツダ2、自分のデミオディーゼルを振り返りながら、マツダ2の必要性を考えてみた。
■革新的だった初代モデル(1996年登場)
初代デミオは1996年に登場。当時、苦境に陥っていたマツダを立ち直らせた救世主的モデルに!
マツダは当時のバブル崩壊や、バブル期に博打のように展開した5チャンネル制の失敗の痛手などにより、非常に厳しい時期だった。
という時期にそれまであまりなかったスモールワゴン的なコンパクトカーとして登場した初代デミオは、クルマ自体はシンプルなものだった。
しかし、ボディサイズのわりに広いキャビンとラゲッジスペースに加え、シートのフルフラット機能により車中泊がしやすい点、そして価格の安さを理由に大ヒット。苦しかったマツダにとって救世主となった。
●上質感アップの2代目モデル(2002年FMC)
2002年にフルモデルチェンジを受けて登場した2代目デミオ。内外装ともに上級感を向上させている
2代目モデルはキープコンセプトではあったが、マツダが「Zoom-Zoom」戦略で同時期に登場した初代アテンザなどを含め、元気を取り戻してきた時期のモデルだった。
具体的には、プラットフォームは「重い」という難はあったものの当時のフォードフィエスタと共通で、エンジンは新設計のMZRと、全体的にクルマが劇的にレベルアップした。
また、2代目モデルはキャンバストップの「コージー」を設定したほか、価格も内容を考えればリーズナブルだったこともあり、2代目モデルもまた成功を収めた。
●スタイリッシュHBとなった3代目モデル(2007年FMC)
2007年にフルモデルチェンジを受けて3代目に進化。その全体的なフォルムは当時の2代目ヴィッツと酷似している
デミオは2代目モデルまで他社ならホンダフィットに近い広さを重視したコンパクトカーだった。しかし、3代目モデルはコンパクトカーのなかでのポジションは現在のトヨタヤリスやスズキスイフトに近く、リアシートやラゲッジスペースをそれほど重視しないド真ん中のコンパクトカーに移行。
キャラクターはクルマの軽量化も含めライトで、エクステリアも2代目ヴィッツを意識したようなスタイリッシュなものとなった。
3代目モデルは2代目モデルのような重厚感のようなものこそなくなったが、3代目モデルも成功をおさめ、2011年のビッグマイナーチェンジでは現在も続くSKYACTIV技術群の第1弾となる1.3Lガソリンエンジンを搭載した。
●ロングスパンとなった4代目モデル→現行マツダ2(2014年FMC)
2014年にフルモデルチェンジを受けて登場した4代目デミオ(現在はマツダ2)。
4代目モデルもコンパクトカーのなかでのポジションは3代目モデルと同じである。しかし、デミオの車名で始まった4代目モデルは2012年の初代CX-5からスタートした魂動デザインや、ディーゼルターボを中心としたSKYACTIV技術群によりマツダが好調だった時期のモデルであった。
そんな背景もあり、4代目モデルは登場時、内外装のクォリティの高さ(インテリアは前席までが中心だったが)、そのわりにリーズナブルな価格といった魅力を持っていた。
筆者はこれらの魅力に加え、当時のアテンザやアクセラに設定されていた2.2Lディーゼルターボ+MTが持つ、エンジンの表情を自分の手でより濃厚に楽しめる点に惚れ込んでいた。しかし、当時の筆者には300万円級のアテンザやアクセラの2.2Lディーゼルターボ+MTはとても買えなかった。
そこに登場した4代目モデルの1.5Lディーゼルターボ+MTを設定し、価格は約200万円と買えるクルマだったこともあり、その点を決め手に筆者は即飛びついた。
筆者が買ったデミオディーゼルは2.2ℓディーゼルターボのほどの迫力はないが、MTでディーゼルエンジンの表情を楽しめる点は同じだった。それでいて燃費はリッター20kmを切ることがないのに加え、軽油の安さにより燃料代は当時のアクアやフィットハイブリッドとイーブン、つまり純エンジン車でハイブリッドに対抗できる存在だった。
さらに前述した内外装のクォリティの高さなどにより、筆者の思い入れもあるにせよ「コンパクトカーだけど、誇りを持って乗れるクルマ」として大満足していた。
筆者はこのデミオディーゼルに乗っていた時期にトヨタ初代86が欲しくなり、当時はクルマを1台しか持てなかったこともあり、結果的にデミオディーゼルを1年で処分し、中古の初代86に乗り替えた。
しかし、筆者のデミオディーゼルは友人が引き取ってくれ、友人はデミオディーゼルに筆者と同じような満足を感じながら、新車から9年近く、譲ってから8年近くなる今も乗ってくれている。
4代目モデルはマツダ車らしく毎年のように改良され、特に2018年にはガソリンエンジンの排気量を1.3Lから1.5Lに拡大し、2019年にはマツダ2に移行。また2023年1月にはエクステリアをポップな方向とし、グレード体系を見直すなどのマイナーチェンジを受け、現在に至る。
なお、筆者はつい最近、最新モデルではないが、マツダ2のガソリン車のレンタカーに乗る機会があった。乗ってみると新鮮さこそないものの、登場から時間が経っているにもかかわらず、特に古さや問題を感じなかった点にはあらためて感心させられた。
■マツダ2次期型モデルの必要性とは?
4代目デミオの1.5Lクリーンディーゼル6MT車を人生初の新車として購入した際の筆者
筆者は噂となっているマツダ2の絶版には大反対である。その理由は簡単で、コンパクトカーは多くの自動車メーカーにとってエントリーカーとして、また同じメーカー内でステップアップしていく入り口として必要、重要な存在だからだ。
もしマツダ2が絶版となり、マツダ3がエントリーカーになったとしたら価格は約230万円から、かつボディサイズも大きく、一時期プレミアムブランドを目指したけど実際にはそこまでのポジションではない今のマツダにとって、ユーザーの間口を狭めてしまうことになるだろう。
また、燃費のいいコンパクトカーはCAFE(企業別平均燃費規制)のクリアを考えても必要な存在だ。その点ではいろいろな意味で実際のところは別として、小ささも特徴となっているMX-30から搭載されるロータリーエンジン+2モータープラグインハイブリッドを普通のハイブリッドとしてマツダ2に設定し、量産されればそのコストダウンにつながるという青写真だって描けるかもしれない。
さらに次期マツダ2があれば、現在のCX-3の後継車となるコンパクトSUVへの発展が考えられることも、マツダにとって悪い話ではないのではないだろうか。
といったことから筆者はマツダ2の絶版には大反対なのだが、もしかすると現在のマツダ3やCX-30以降のマツダのFFが使うスモールアーキテクチャーはコンパクトカーには対応できないのかもしれず、この点からマツダ2の絶版が噂されているのかもしれない。
そうだとすると話は根深いが、それでも6月の新社長への交代により新体制となるマツダには、形はいろいろあるにせよ親しみやすいマツダ車としてもマツダ2はぜひ諦めないでほしい。そう切に願っている。
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みんなのコメント
それなら従来のままでもよかったと思える。