■電動車の中核を担うMX-30は発電用ロータリー搭載も視野に
マツダが2020年10月8日、新型SUV「MX-30」の日本国内販売を開始しました。パワートレインは「e-SKYACTIV」という名称で、2リッターガソリンエンジン「SKYACTIV-G」に小型モーターを連動したマイルドハイブリッドです。
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マイルドハイブリッドと聞いて、「MX-30ってEVじゃなかったの?」と思う人がいるかもしれません。
なぜならば、東京モーターショー2019で世界初公開されたMX-30がEVだったからです。
世界初公開されたとき、マツダの丸本明社長は「本日(2019年10月24日)より欧州において先行予約の受付を開始し、2020年に欧州のお客さまからMX-30をお届けします」と述べましたが、日本での発売時期については明言を避けました。
今回おこなわれた日本国内向けオンライン記者会見後の記者との質疑応答のなかで、丸本社長は「欧州では5200台の受注があります。そのうちの3000台は9月にディーラーに車両が配備されてからの1か月で達成しています」として、販売の出足の良さを強調しました。
また、購入者からは、エクステリアとインテリアの質感、そして走る歓びとしてダイナミクスに対する高い評価があるといいます。
欧州でEVのMX-30が好調な販売を見せているなか、なぜ日本はマイルドハイブリッドが先に発売されたのでしょうか。
日本でのMX-30 EVについては「2021年1月発売」と説明されましたが、3か月遅れでEVが発売されることに関して丸本社長は、「5年から6年のモデルサイクルを考えると、3か月(というインターバル)はさほど大きなことではないと思います」と回答。
さらに、ロータリーエンジンを発電機として使う、マツダ独自のパワートレインをMX-30へ搭載することについては「2022年前半から、(B、Cセグメントの小型車である)スモール商品群で展開します」として、そのなかにはMX-30も含まれるとの解釈を示しました。
つまり、MX-30は少なくとも、マイルドハイブリッド、EV、そしてロータリーエンジンを使うレンジエクステンダーの3種類あることになります。
加えて、丸本社長はロータリーエンジンを活用する電動車については、レンジエクステンダーだけではなく、プラグインハイブリッドやハイブリッドとの絡みについても示唆しました。
その発言の真意は確認できませんでしたが、要するにMX-30はマツダの次世代電動車戦略のトップバッターであり、また電動車開発の中核モデルであることは間違いありません。
こうした点でMX-30を見ると、ホンダのEV専用車「ホンダe」とはモデルラインナップのなかでの立ち位置が大きく違うと思います。
EVとしての走行性能だけでみると、MX-30搭載する駆動用バッテリーの電気容量が35.5kWhで、満充電での航続距離は欧州仕様では124マイル(198km) です。
それに対して、ホンダeのバッテリー電気容量はMX-30とまったく同じ35.5kWhですが、車両重量が軽いことなどから航続距離は283kmを確保しています。
■マツダの電動化は今後どうなる?
マツダの電動化戦略の柱になっているのが、2017年に公表した「サスティナブルZoom Zoom宣言2030」です。
「ウェル・トゥ・ホイールを国や地域ごとで最適化するためのマルチソルーション戦略」という難しい表現を使っています。
ウェル・トゥ・ホイールとは、石油や天然ガスなど化石燃料由来のエネルギー源を掘削し、船やトラックで輸送され、発電所や製油所を経て、電気やガソリン・ディーゼル燃料になり、それがクルマを動かすまで、トータルでのCO2削減を考えるという理念です。
これに対して、マルチソルーション(さまざまな解決方法)を世界各地それぞれでおこなう、ということです。
そのためにマツダでは、「SKYACTIV-G」「SKYACTIV-D」「SKYACTIV-X」、そして「e-SKYACTIV」といった各種パワートレインが併存することになります。
そのうえで気になるのは、EVバブルとも思える最近の世界的なEV市場の動向です。
これまでは、アメリカや中国でのEVに対する実質的な販売台数規制や、欧州でのCO2総量規制がEV市場拡大の主な要因でした。
これらに加えて、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資という、経営の尺度への注目が集まり、テスラはもとより、GMやフォードなど一気にEVシフトを仕掛けてきました。
こうした社会変化について、丸本社長の肌感覚を聞きました。
「国や地域でも、発電構成、発電能力、そしてお客さまのニーズに対するマルチソルーションを引き続きおこないます。一方で、計画停電や急速充電に対する規制なども含めて(社会変化を考慮した)動向を見据えていきます」という前置きを説明。
さらに、「マルチソルーションを進める意識は変わらないが、電動化の普及のスピードは慎重に考えながら進めます。社会の急速な変化を捉えて、サスティナブルZoom Zoom宣言2030は(時期を見て)アップデートしたい」と今後の方針について語りました。
※ ※ ※
今回の発表で、丸本社長とMX-30開発主査の竹内都美子氏は、マツダにとってMX-30は、電動化のみならずブランド戦略としても「新しい挑戦だ」といいます。
販売現場では、既存の「CX-3」「CX-30」「CX-5」は、マツダのコンパクトSUV商品群として捉えられています。
たとえばCX-5を検討していた人が、販売店での説明を聞いて試乗して、自分にベストマッチするのはCX-30だという販売の流れが生まれています。
マツダは、「SUVの3モデルでカニバリ(食い合い)は起こっていない」と説明しますが、これら3モデルと見た目が似ているMX-30が、果たして既存SUV群と上手く融合するのか、それともまったく新しい存在として1点買いのユーザーが増えるのか、今後の日本での動向を見守っていきたいと思います。
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みんなのコメント
メディアもエビカニが美味いからって適当な話で
太鼓持ってんじゃねーよ。
スカイアクティブXの醜態を何度繰り返すつもりだ?
火花点火制御圧縮着火が生きるのはロータリーの復活にだね