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【昭和の名車 28】マツダ ルーチェ ロータリークーペ(昭和44年:1969年)

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【昭和の名車 28】マツダ ルーチェ ロータリークーペ(昭和44年:1969年)

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。

ベルトーネのデザインは今なお美しく光り輝く
1967年(昭和42年)の東京モーターショーで、東洋工業(現マツダ)のコーナーに、RX85、RX87と名づけられた2台のプロトタイプモデルが出展されていた。

運転免許証番号、12桁の意味。最後の一桁であれがわかっちゃう!

RX85は翌68年7月、ファミリア ロータリークーペとして発売され、RX87は同年10月の東京モーターショーに「ルーチェ・ロータリークーペ」の名で改めて展示された。

レシプロ エンジンのルーチェは1966年8月から発売されていた東洋工業の中級モデルで、イタリアのカロッツェリア(自動車デザイン工房)であるベルトーネがデザインを手がけ、1500ccクラスでは初のSOHCエンジンや定員6名の「このクラスでは最大のボディ」などをかかげて、小型車市場への進出を図った意欲的なモデルであった。1968年12月にはローレル1800に対抗して1800モデルも加えている。

RX87ことルーチェ ロータリークーペは、ルーチェ1500の4ドアボディをベースにノーズを伸ばし、三角窓やセンターピラーを取り去った2ドアとし、傾斜の強いレザートップのHT(ハードトップ)としたもので、ベルトーネがデザインした原型を生かした美しいプロポーションは、68年のショー会場でも観衆の熱い視線を浴びている。

翌69年10月、やっと市販に踏みきったルーチェ ロータリークーペは、コンパクトなロータリーエンジン(RE)の利点を生かすという狙いもあって、東洋工業としては初のFF駆動方式を採用した。ショー展示の段階では明らかにされなかったエンジンは新設計の655cc×2ローター、126psの13A型REで、これをフロントに縦置き搭載していた。

ボディもベースモデルのルーチェ1500/1800に比べるとひとまわり大きくなり、全長で215mm、全幅で5mm、ホイールベースで80mm長くなり、全高は45mm低くなっている。

フロントはウイッシュボーン、リアはセミトレーリングアームの4輪独立で、ブレーキはフロントにベンディックスタイプのディスク、タイヤは165HR15ラジアルが標準装備である。

グレードはDXとスーパーDXの2タイプのみで、スーパーDXは冷暖兼用のエアコン、AMラジオ付きカーステレオ、リアウインドーデフォッガー、パワーステアリング、パワーウインドーなどが標準装備された。

ギアボックスは両モデルとも4速フロアシフトのみで、最高速は190km/hというロータリーパワーを発揮する。その動力性能は当時のスポーツカーにも匹敵するものだった。

とはいえ、1968年7月のマイナーチェンジで10A型REを110psから128psにパワーアップし、最高速も185km/hから200km/hにまで引き上げたコスモスポーツには及ばなかったが、この当時の国産乗用車の中ではトップレベルの動力性能であることは確かであった。
車重はコスモスポーツの940~960kgに対してルーチェ ロータリークーペは1185kg(DX)~1255kg(スーパーDX)であった。

東洋工業では1970年5月からカペラ、71年9月からはRE専用車のサバンナを発売して、REの大衆化路線を進めていたが、72年9月にルーチェ ロータリークーペの生産は打ち切られた。

流麗なスタイルにホットな動力性能をプラスしたルーチェ ロータリークーペは、東洋工業のREモデルのイメージリーダー的な存在でもあった。その役割は十二分に果しての退場ともいえそうである。

約3年間の市販期間で生産累計は976台である。ファミリア ロータリークーペが59万8000円から66万5000円で買えた当時、DXで145万円、スーパーDXでは175万円というズバ抜けた高額車であった。
欲しいが手が出ない向きも多かったに違いない。

ルーチェ ロータリークーペ スーパーDX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4585×1635×1385mm
●ホイールベース:2580mm
●重量:1255kg
●エンジン型式・種類:13A型・直2ローター
●排気量:655cc×2
●最高出力:126ps/6000rpm
●最大トルク:17.5kgm/3500rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:165HR15
●価格:175万円

[ アルバム : ルーチェ ロータリークーペ スーパーDX はオリジナルサイトでご覧ください ]

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