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トヨタが軽スポーツに本気!? 新型「コペン GR SPORT」はホンダ「S660」最上級モデルとどう違う?

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トヨタが軽スポーツに本気!? 新型「コペン GR SPORT」はホンダ「S660」最上級モデルとどう違う?

■トヨタが軽オープンカーをよりスポーティに! どんなクルマになった?

 トヨタとダイハツが2019年10月15日に発売した「コペン GR SPORT」は、ダイハツが2014年に発売した2代目「コペン」をベースにチューニングを施した2シーターオープンスポーツです。

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 トヨタのワークス参戦を担うTOYOTA GAZOO Racingの知見を活かしつつ、ダイハツによって開発・製造がおこなわれました。

 トヨタ・ダイハツの両社で販売されることも特徴で、ダイハツにおいてはコペンの4番目のモデルバリエーションとして設定され、トヨタにおいてはコペン GR SPORTという単一車種としてラインナップされています。

 ダイハツの軽自動車でありながら、トヨタのスポーツモデルの特徴を受け継いだ車種として、注目を集めているスポーツカーです。

 一方、ホンダの軽自動車の2シーターオープンスポーツモデルが、ホンダ「S660」です。このS660のモデルラインナップの最上級モデルに「S660 Modulo X」が設定されています。

 S660 Modulo Xは、ベースモデルのS660に対して、ホンダの純正アクセサリーブランドであるModuloがチューニングを施すことで、より質感高い乗り心地を実現した軽スポーツです。

 これらの2台は、装備やスペックにおいて、どのような違いがあるのか、比較してみます。

 外装面から比較すると、コペン GR SPORTはベースモデルのコペンに設定されている3つのスタイルのどのデザインとも異なる、専用のデザインを採用。

 ワイド&ローな印象を与えるフロント/リアバンパーを装備し、さらに専用のLEDヘッドライト、LEDリアコンビランプ、LEDフォグランプを装備することで、コペンの各モデルのなかでもとくに精悍な雰囲気となっています。

 S660 Modulo XはベースモデルのS660にグリル一体型の専用フロントバンパーや専用アクティブスポイラー、そしてリアロアバンパーを装備。また、屋根のロールトップ(幌)のカラーにボルドーレッドを採用するなど、スポーティさだけでなく大人の雰囲気も感じさせるデザインです。

 内装においては、コペン GR SPORTは専用となるスエード調のレカロシートや、MOMO製革巻ステアリングホイール、専用自発光式3眼メーターを装備。シートやステアリングホイール、メーターにはGRのロゴが加えられるなど、スポーツマインドを高める演出がなされています。

 そしてS660 Modulo Xの内装を見ると、こちらもシートやステアリングホイール、メーター、シフトノブなどが専用品となります。シートはボルドーレッドとブラックの色合いで仕立てられた本革×ラックススェードのスポーツタイプで、ステアリングも本革巻きとなるほか、MT車のシフトノブはチタン製です(CVTは本革巻)。

■コペンとS660のスペシャルモデル、専用装備で見る違いとは?

 スポーツカーの要ともいえるコペン GR SPORTとS660 Modulo Xのスペックの差を比較します。両車共に、エンジン排気量などが規格で定められている軽自動車ではあるものの、違いはあるのでしょうか。

 コペン GR SPORTに搭載されるエンジンは、最高出力64馬力/最大トルク92Nmの660cc直列3気筒ターボです。トランスミッションには5速MTと7速スーパーアクティブシフト付CVTの2種類で、車重は850kg(5速MT仕様)となります。また、駆動方式はFFです。

 ベースのコペンからエンジンやトランスミッションの変更はないものの、コペン GR SPORTではおもにボディ剛性の強化や足回り、電動パワーステアリングのチューニングなどに対して、TOYOTA GAZOO Racingのノウハウが注ぎ込まれました。

 追加のボディ補強材や、専用チューニングのショックアブソーバーによって、しなやかな動きと接地感のあるフラットな乗り味が両立されています。

 一方、S660 Modulo Xに搭載されるエンジンは、最高出力64馬力/最大トルク104Nmを発揮する660cc直列3気筒ターボです。ホンダの人気軽自動車「N-BOX」の初代モデルにも搭載されたエンジンに、S660専用設計のターボチャージャーが追加されました。

 組み合わされるトランスミッションは6速MTと7スピードモード付CVTで、車重は830kg(6速MT)。エンジン搭載位置がフロントではなくドライバーの背面(ミッドシップ)となることから、駆動方式はMRとなります。

 また、S660 Modulo Xも足回りに対して手が加えられています。5段階減衰力調整機構付の専用サスペンションが市街地などでのしなやかな乗り心地と、限界域でのコントロール性を共に向上させています。

 最後に価格はどのように違うのか、ベースモデルの価格とあわせて比較します。

 コペン GR SPORTの車両価格(消費税込、以下同様)は、5速MT仕様が243万5000円で、CVT仕様が238万円となります。標準モデルのコペンが188万6500円から216万7000円に設定されていることから、約50万円前後の価格アップといえます。

 S660 Modulo Xの車両価格は6速MT仕様/CVT仕様ともに291万2900円に設定されています。ベースとなる標準モデルのS660が201万7400円から231万7700円ということは、エントリーモデルより約90万円分高価なモデルとなります。軽自動車のなかでも群を抜いて高い設定といえるでしょう。

※ ※ ※

 トヨタのGRブランドと、ホンダのModuloブランドは、訴求するコンセプトが大きく異なっていることから、コペン GR SPORTとS660 Modulo Xにおいてもそれぞれのベースモデルの性格の違い以上に特色がはっきりと異なります。

 コペン GR SPORTはトヨタがスポーティモデルを展開するGRブランドの末っ子として、改良された点を見てもスポーツ色がとくに強調されたモデルとなっています。装着されるエアロパーツも押し出し感の強い迫力あるデザインです。

 一方、S660 Modulo Xは、専用サスペンションが装備されているものの、内外装においてはベースモデルにはないボルドーレッドでコーディネートされた内装・ロールトップをはじめ、エアロパーツもシックにまとめられているなど、落ち着いたスポーティ感が提案されています。

 車両価格だけでコペン GR SPORTとS660 Modulo Xを比較すると約50万円の差がありますが、趣味性が強いこともあり、どちらもユーザーが「一目惚れした方を買う」ことが多いクルマという点で共通しているといえそうです。

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