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【注目集まるも】新型ホンダ・シビック SUVシフト/「国民車」Nボックスの間でどう生きる?

掲載 更新 14
【注目集まるも】新型ホンダ・シビック SUVシフト/「国民車」Nボックスの間でどう生きる?

今や上級「市民」 もう「ド真ん中」ではない

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】ホンダ図式の中でどう生きる?【新しくなったシビックを見る】 全93枚

editor:Taro Ueno(上野太朗)

ホンダは2021年6月24日、日本で2021年秋に発売予定の11代目シビック(ハッチバック)をオンライン上でワールドプレミアした。

このニュースを知って「なぜホンダはシビックをつくり続けるのか?」という気持ちを持った人が少なくないのではないだろうか。

なぜならば、タイプRを愛する熱狂的なシビックファンを除けば、日本でのシビックの存在感がけっして大きくないからだ。在りし日のように、シビック(市民)という名が示すような大衆車として「日本における日本車のド真ん中」という状況ではない。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会による乗用車ブランド通称名別順位では、2020年度(2020年4月~2021年3月)にシビックは8880台で48位だった。

1つ上の47位はEVの日産リーフ(9491台)、さらに2つ上の45位がセダンのカムリで1万1324台だ。

さらに、車格的にはシビックと同格でセダンやハッチバックを持つカローラになると、11万2777台とシビックの約13倍も売れている。

シビックがモデル末期である一方で、カローラは2017年以降に各種モデルチェンジした比較的新しいモデルとはいえ、シビックとカローラとの差は歴然だ。

だからといって、日本人がシビックに関心が薄いのかといえば、そうでもないようだ。

販売振るわず でも新型への注目度は高し

日本市場を念頭においたハッチバック型の11代目シビックのワールドプレミアは、日本時間で2021年6月24日午前10時に実施された。

ホンダのホームページにユーチューブのリンクも示され、約9分間の動画の中で開発責任者の佐藤洋介氏、エクステリアデザイナーの浅野一麿氏、インテリアデザイナーの小川泰範氏、そして車体研究開発責任者の山上智行氏が新型シビックにこめたそれぞれの想いを語った。

キーワードは「爽快」である。

先に登場しているフィットでは「ここちいい」を商品コンセプトとしており、新型シビックでもそうしたホンダの「人中心」の開発思想が明確になった。

こうした中、エンバーゴ(情報公開日)を過ぎたことで新型シビックに関するニュースがネットメディアで一気に拡散。ヤフー・ニュースの経済ランキングでも、新型シビック関連ニュースが上位を占めた。

果たして、こうしたシビックへの関心の高さが、シビックの実売に結び付くのだろうか?

直近の日本市場でのホンダは、ヴェゼルの新車効果が大きく、さらに「日本での日本車のド真ん中」であるNボックスが下支えし、フィットはやや苦戦という状況にある。

こうした日本市場でのホンダ図式の中に、新型シビックがどうはまるのか?

シビック事情 日本とアメリカで大きく違う

グローバル市場に目を向けると、11代目シビックは2021年11月に北米ホンダがオンライン上でワールドプレミアしている。

こちらはセダンだが、エクステリアデザインではかなりハッチバックに近い雰囲気があるのが特徴だ。

北米での発売は2021年春後半で、日本向けシビックより半年ほど早い。

また、今回の日本市場を含めたシビックワールドプレミアを受けて、北米ホンダによるプレスリリースにはセダンと区別するため、シビック・ハッチバックという商品名としている。

また、ハッチバックのターゲットユーザーを「Young (若者)」としている。このヤング層について、ホンダは明確な年齢を示していないが、アメリカでの一般論では20代はもちろん、30代も含まれると考えられる。

こうした北米市場におけるホンダの新型シビック戦略の背景には、近年一気に進んでいるSUVシフトの影響が色濃い。

北米ホンダによると、直近での2021年5月のシビック販売台数は3万5962台。前述した日本国内年間販売台数を、単月で4倍も上回る。

一方で、ホンダブランドで最も販売台数が多いのはCR-V(4万2090台)となった。

北米自動車市場のボリュームゾーンは、シビックやアコードが属するC/Dセグメントセダンが定番だったが、2010年代以降にコンパクトSUV市場が急拡大している。

電動化の中で「タイプR」はどうなる?

北米のコンパクトSUVシフトを受けて縮小傾向となったCセグメントセダンで、最初に新しい戦略を仕掛けたのはカローラだった。

従来の購買層よりも若い層を狙い、エクステリアでスポーティ性を強調し、インテリアではデジタルネイティブが十分満足するためのHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)を実現した。

こうしたカローラ戦略に、11代目シビックはセダン・ハッチバックで対向することになる。その一翼を担うハッチバックが、日本でも発売されるということになる。

また、気になるe:HEVとタイプRの詳細について、今回のオンライン公開では未発表だ。

さらにいえば、ホンダの三部俊宏社長は2021年4月の社長就任オンライン会見で「『2040年までにグローバルでEV/FCV100%』を宣言しており、つまり近未来のシビックもEVまたはFCVになることが確実だ。

または、シビックは内燃機関時代のモデル名であり、完全電動化するとモデルとして消滅する可能性もあろう。

ただし、社長就任会見で三部社長は「EVになってもタイプRのようなホンダらしい走りを強調するモデルを考えていきたい」ともコメントしている。

ホンダが完全電動化に向けて大きく動き出したいま、11代目シビックが日本ユーザーにどう受け止められるのか?

2021年秋の発売以降の市場動向を注視していきたい。

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