ひと昔前は各メーカーから1車種以上存在していたホットハッチ。しかし気づけば姿を消す一方。シビックタイプRやGRヤリス/GRカローラなど、俊足ハッチバックは存在しているものの、いずれも手ごろな価格とは言い難く、スイフトスポーツもファイナルエディションが発表され、次期型については情報がない。ここいらでマーチnismoのようなちょうどいいホットハッチが出ないものだろうか?
文:小鮒 康一/写真:日産、ベストカーWeb編集部
ホットハッチ冬の時代!? 手頃でちょうどよかった日産 マーチnismoのようなクルマ復活せんのか!?
【画像ギャラリー】国内マーチ唯一のMTで専用ルーフスポイラー付き! nismo仕様で130万円台だったとかバグってるでしょ!?(10枚)
ホットハッチの不文律を極限まで踏襲したマーチNISMO S
ホットハッチはコンパクトで手軽だからこそ惹きつけられる唯一無二の魅力がある
我々が愛していたホットハッチとは、単に速いハッチバック車ではなく、安価な実用ハッチバック車にちょっとパワフルなエンジンと締め上げられた足回り、そしてスポーティな内外装をチョイ足ししたものというイメージが強いだろう。
そんなホットハッチの不文律を忠実なまでに、そして極限まで具現化したのが、2013年6月に登場したマーチNISMO Sだろう。
これは4代目マーチをベースにオーテックジャパンがカスタマイズを施したモデルであり、エクステリアにはスーパーGTで培ったノウハウを採り入れたエアロパーツが備わり、足回りも当然のように専用チューンのものが与えられ、ブレーキも抜かりなく強化された。
そしてホイールは16インチの大径となり、205幅のハイグリップタイヤを標準装備。高められたグリップに負けないように前後のサスペンションステーや2か所のトンネルステー、テールクロスバーといった補強パーツも装着されている。
これが100万円台前半だと……!?
国内向け4代目マーチとしては唯一のMT仕様なのもアツイ
そして最大のトピックが、通常モデルでは直列3気筒1.2LエンジンとCVTの組み合わせだったパワートレーンを専用チューニングが施された直列4気筒1.5Lエンジンへと換装し、トランスミッションも日本向けの4代目マーチとしては唯一となる5速MTに変更されていた点である。
このパワートレーンはNISMO Sのためにわざわざ換装されたものとなっているため、車両に備わるコーションプレートの記載は1.2LエンジンとCVTのままで、車検証には“K13改”の文字が燦然と輝くのもマニア心をくすぐるポイントと言えるだろう。
ここまで手が加えられていたマーチNISMO Sだが、登場時の新車価格はなんと177万300円。もし個人が普通のマーチをベースにパワートレーンを換装して公認車検を取得しようとしたら、それだけで同じくらいの金額がかかってしまうかもしれないところだが、メーカー純正のカスタマイズカーは恐るべしだったのだ。
残念ながら現在はマーチ自体が消滅してしまい、ホットハッチも存在しない日産のラインナップとなってしまっているが、経営再建の目途がたったら再びこのような安くて楽しいモデルをリリースしてもらいたいところである。
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みんなのコメント
これは世界的な傾向。
売れないものを作り続けるほど、
企業経営は甘く無い。
日産が倒産しそうって発想はないんだろうなぁ~