■「Gクラス」がベースの特殊部隊用車両、2023年に生産開始!
2022年6月13日から6月17日にフランス・パリで防衛・安全保障見本市「ユーロサトリ2022」が開催されました。
このイベントで、兵器メーカーの「ラインメタル」はメルセデス・ベンツ「Gクラス」をベースとした新たな特殊部隊用車両を公開しました。
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ユーロサトリは、1967年から続く国際展示会で会場には、空と陸の防衛と安全を担う未来の車両が展示されています。
さまざまな車両が並ぶなか、ドイツを本拠地としているラインメタルはGクラスをベースに開発された新たな特殊部隊用車両「カラカル」を公開しました。
Gクラスは、日本国内でも人気の高いモデルであり、現行モデルは年単位の納期となることもめずらしくないようです。
その背景には、近年主流となりつつある都市型SUVとは一線を画す無骨なデザインと、もともとミリタリーユースを想定して設計されたという無類のタフネスさ、そしてそれらに起因したワイルドなイメージがあります。
とはいえ、日本国内ではGクラスは高級車としての性格が強く、港区・六本木を始めとする富裕層エリアでは一種のステータスとなっていることもあり、そのタフネスさが活用されることはほとんどありません。
そうしたなかで、今回発表されたカラカルはおもに空挺部隊や特殊部隊での活用が想定された四輪駆動の車両です。
開発には、メルセデス・ベンツに加え、さまざまな装甲車を手掛けるACS(アーマード・カー・システムズ)社も携わっており、高い機動性や防護性をもつ1台となっています。
一方、ボディサイズは全長4700mm×全幅1900mm×全高1850mmと、ヘリコプターでの輸送を想定してややコンパクトな設計とされています。
さらに、機動力を必要とすることから、車両重量はベースモデルで4900kgと特殊部隊用車両としては軽量です。
パワートレインは、3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンが搭載されており、最高出力は249馬力となっています。
軽量化された車両重量も相まって、最高速度140km/hという高速走行を可能です。
そんなカラカルは、さまざまな場面において活用できる汎用性の高さが特徴です。
カラカルには、用途に合わせた2種類のホイールベースがラインナップされているうえ、ACS社独自設計のモジュラー構造が採用されています。
これによって、基本のタイプの兵員輸送モデルに加え、医療支援モデルや補給モデルなど、幅広いシーンに対応するスタイルへ変更できます。
さらに、カラカルは、コンパクトかつ軽量なボディにより、ヘリコプターへの搭載もしやすくなっているのが魅力のひとつとなっています。
CH-53K「キングスタリオン」や、CH-47F「チヌーク」といった、大型の車両輸送ヘリコプターにおいてはカラカル2台が収容可能で、効率的な輸送をおこなうことができる点もメリットになるとされています。また、機体への吊り下げも可能となっています。
そのほか防弾パネルなどのオプション装備もラインナップされており、用途に合わせてカスタマイズした車両を購入できるようにされているのも特徴です。
なお、カラカルの本格的な生産開始は、2023年頃が予定されており、ラインメタルでは今後20年にわたって完全サポートを提供していくとしています。
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