年次改良を受けた新しいレクサス「LC500 Sパッケージ」に、小川フミオが乗った。今や希少なV8自然吸気エンジン搭載の、ラグジュアリーなクーペに迫る。
立派なスポーツカー
ホンダの“ラグジュアリー・スポーツ”──新型シビック・タイプR RACING BLACK Package試乗記
これこそレクサスブランドの真髄! とも呼びたいLCが改良を受け、2024年12月に発表された。25年3月に乗ることができたのは5.0リッター V8搭載のLC500 Sパッケージ。スタイルもパフォーマンスもかなり高得点の出来映えに感心した。
LCの魅力は、他に並ぶもののない存在感。低く幅広なボディに、大排気量の8気筒、それに後輪駆動。印象深いのは、操縦性は軽快でスポーティである点。立派なスポーツカーなのだ。
今回のマイナーチェンジでは、操縦性の向上が注目点だ。 床下前後に補強材を4本、新たに設けていて、「LCの開発コンセプトである、より鋭く、より優雅に、をさらに追求した」と、レクサスでは資料で謳う。
結果として、より高いボディねじり剛性を確保し、すぐれた操縦安定性と高次元の車両応答性を実現したという。
そもそも、LCはハンドリング性能にすぐれ、街中で見る優雅な印象とはうらはらに、サーキットでも期待以上の走りを味わせてくれるモデルだ。
今回は、街中と高速道路でのドライブに終始したので、究極のドライブ感覚はまだわからないのだけれど、スポーティさと快適さを両立させた乗り味は、しっかり堪能できた。どんなスタイルのドライビングも許容する出来のよさが、2017年のデビュー以来のLCの魅力で、25年になっても、まったく古さを感じない。
世界のスポーツカーに目を転じると、足かけ8年作り続けられているモデルはほとんど思い当たらない。たとえばフェラーリの現在のラインナップでもっとも寿命が長いのは19年発表の「SF90ストラダーレ」だし、ポルシェの「911カレラ」も18年の登場だ。ポルシェの「718ボクスター」が16年なので、1年だけ先輩だ。
LC500に乗ると、まず印象的なのが、動力性能。最大トルクが540Nmもあるからだけど、まず加速性。ターボもマイルドハイブリッドシステムも搭載しないが、低回転域からしっかり力が出て、かつ、自然吸気エンジンのよさで、上の回転域までシュンシュンと痛快に回る。
ドライバーが気力に満ちていれば、パドルシフトを積極的に使い、4968ccV8のスムーズな回転マナーと、低いギヤをあえて選び、ミシュランタイヤを履いた後輪が強く車体を蹴り出すようなトルク感を味わう楽しみがある。
ボディ剛性がより高くなっているということだけれど、従来型との差異はあまりわからなかった。ただし純粋に、いいクルマだなぁ、という思いをあらたにすることができた。
素直なハンドリングは、ドライバーとクルマとの一体感を感じさせ、乗っていると、笑顔になれるモデルだ。乗り心地も硬さはなく、段差ごえの身のこなしもよい。試乗車はスポーツカーとしてサスペンションスプリングが少々やわらかめかな?と、思う場面もあったけれど、ひょっとしたら個体差かもしれない。
試乗車は、ブルーとホワイトの2トーンで仕上げた内装をもっていて、それがとてもよい雰囲気を作っている。イメージ的には色の組合せがマリンリゾートを連想させるので、LCのもつエレガントなイメージに合っている。
欧米のスポーツカー(米には1台しかないけれど)が、昨今は務めて個性的なデザインを採用しているなかで、鬼面人をおどろかすような要素がほぼ皆無のLCクーペの存在感は、たいへん希少、というか貴重だ。
レクサスは以前から、できるだけこの5.0リッターV8エンジンを作りたいとは言ってはいるものの、LC自体の寿命とともに、それがあと10年もつとは思えない。でも、このクルマがなくなったら、クルマ好きにとっては悲劇的だ。
そう思わせるほど、よいクルマである。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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