もくじ
ー はじめに C5エアクロスSUVとは?
ー C5エアクロスSUVのエクステリア
ー C5エアクロスSUVの新世代ハイドロ
ー C5エアクロスSUVのインテリア
ー C5エアクロスSUVのシート
ー C5エアクロスSUVの装備
ー C5エアクロスSUVのパワートレイン
ー C5エアクロスSUVの価格/スペック
はじめに C5エアクロスSUVとは?
プジョー・シトロエン・ジャポンは、中型SUVの「C5エアクロスSUV」を発売した。
「SUVにおいてコンフォート性能という新たな価値を提案する」というメッセージとともに登場した新型車「C5エアクロスSUV」の技術的なトピックは、
・新世代ハイドロ「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」
・ソファのような「アドバンスト・コンフォートシート」
・後席3座独立シート
・2重ラミネートフロントサイドガラス
・エアクオリティシステム
といったもの。文化国籍を問わず誰もが味わえる快適性をシトロエン独自のテクノロジーで実現した「Citro・・n Advanced Comfort・・プログラム」の1つの到達点と説明されている。具体的には、サスペンション、シート、ゆったりとした空間、素材、エアクオリティ、音響という6つの要素において、すべての乗員の快適性を追求する開発プログラムによる成果だという。
また、独自のレーンポジショニングアシストやパークアシストなど数々のADAS(先進運転支援機能)、新世代プラットフォームEMP2などを持つSUVとしても注目される。
ヒューマン・オリエンテッドな視点をもったC5エアクロスの詳細を詳しく見ていこう。
C5エアクロスSUVのエクステリア
堂々とした力強さ、シトロエンらしいユニークさを併せ持つC5エアクロスの外観について、デザイン部門を率いるアレクサンドル・マルバルは「力強く主張するデザイン」で、「世界中のカスタマーを魅了する」と説明している。
その新型SUVのボディサイズは、全長×全幅×全高が4500×1850×1710mm、ホイールベースは2730mmとなっている。
ダブルシェブロンが組み込まれたフロントフェイスは、3D効果を持つLEDテールランプユニットによりワイドフォルムを強調。
サイドビューは、ルーフラインからCピラーを経て連なるC型のクロームラインが印象的で、近年のシトロエンを象徴するエアバンプはアクセントカラーで塗り分けて車体側面に配した。フロントバンパーアクセント、ツートーンのルーフレールとともに明るく軽快な印象をうまく演出している。
日本仕様の外装色は下記の6色を用意した。
・ブラン ナクレ
・グリ プラチナム
・ブルー チジュカ
・ノアール ペルラネラ
・ルージュ ボルカーノ
・ブラン バンキーズ(受注生産)
このうちブラン ナクレ、グリ プラチナム、ブルー チジュカにはバイトーンルーフがオプションで設定される。
外観も特徴的だが、やはり新世代のシトロエンを象徴する新サスペンション技術についても確認しておこう。
C5エアクロスSUVの新世代ハイドロ
注目のPHC(Progressive Hydraulic Cushions・・)は、ハイドロニューマティックの現代的解釈とされている。
通常のダンパーシリンダー内にセカンダリーダンパーが追加された構造の純メカニカルなシステムで、サイドには複数のポートが開けられている(ポート径はストロークエンドに行くに従い小径化)。
セカンダリーシリンダーにはその内径にあったセカンダリーピストンが存在し、ストロークが進むとそのセカンダリーピストンがシリンダーに入り込みハイドロリックストップとして作用する、位置依存型(ポジション・センシティブ)ダンパーだ。
サスペンションが小さく細かく動く状況(車高が通常の高さから大きく変わらない状況)や、サスペンションのストロークスピードがゆっくりな状況では、減衰力が小さく非常にソフトな乗り心地を提供する。
一方で、サスペンションが大きく動く状況では、前述のセカンダリーピストンとシリンダーが生み出す減衰力で衝撃をスムースに吸収し、大きな凹凸があってもソフトな乗り心地で乗員を包み込む。
PHCは、シトロエンのWRCカーに採用されている技術をベースに、コンフォート性能、つまりロードカーとしての乗り心地を実現しており、
・“魔法の絨毯のような” 乗り心地
・余計なサスペンショントラベルを減らした快適性向上
・純機械的メカニズムによる高い信頼性
が特徴となっている。
また、一般論として通常のダンパーの場合、圧側(縮側)で大きくストロークした場合、ゴムやウレタン製のバンプラバーがその衝撃の吸収を担うが、ストローク時のエネルギーを減衰することができず反発力となってしまうことがある。これも乗り心地や挙動の悪化を招く原因だ。
PHCでは、セカンダリーダンパーが減衰力を発揮するためにこうした挙動が起こりにくい。C5エアクロスSUVでは、フロントが圧側伸側の両方にセカンダリーダンパーのハイドローリックストップを、リアは圧側のみに備えている。
C5エアクロスSUVのインテリア
インテリアでは静粛性が大きなトピックだ。C5エアクロスSUVでは、遮音性ラミネートをサンドイッチしたフロントサイドウインドウを採用している。
またバルクヘッドなどに入念な防音材を設置し、ロードノイズ、ウインドノイズを軽減。静粛性を高め、乗り心地と相まって「繭に包まれたかのような快適さ」を乗員に提供するという。
水平基調のダッシュボードはスムースな素材とフィニッシュが取り込まれ、シートトリムと合わせたカラーで統一感を持たせた。
ダッシュボードやドアハンドル、コンソールなどにはステッチのアクセントが備わり、ピアノブラックと落ち着きある光沢のクロームがアクセントに。視覚的にも広々として開放感と、車両感覚の掴みやすさを追求している。
12.3インチ・デジタルインストルメントパネルのフルデジタルメーター、ダッシュボード中央には8インチタッチスクリーンが配され、エアコン操作、メディア再生、ナビゲーション(オプション)など多彩な情報を指先で直感的にコントロールできるのも、ブランドの近代化が生んだ成果である。
また、実用性についても配慮され、通常の後席ポジションにおけるトノカバー下のラゲッジスペースが580ℓ。リアシートをスライドさせると670ℓに拡大。リアシートをすべて折りたためば、1630ℓというスペースが現れる。
さらに、スマートキーを携帯していれば、リアバンパーの下で足を動かすだけで自動的にテールゲートが開く「ハンズフリー電動テールゲート」を装備。スマートキーおよびダッシュボードのボタン操作でもゲートの開閉が可能となっている。
新しいトピックであるAQC(エアクオリティシステム)は、車内の空気を安全で、匂いのない状態に自動的に保つダイナミック・エアフィルターシステムだ。COやNOxなども含め、外気の汚れが一定レベルを超えたとセンサーが検知した場合に、自動的に内気循環に切り替える。また、アクティブカーボンフィルターによって、花粉や埃、PM2.5などの微細な粒子を取り除き、室内を清浄な空気で満たすことができる。女性オーナーには嬉しい機能だろう。
C5エアクロスSUVのシート
C5エアクロスSUVでは、シートもまたCitro・・n Advanced Comfort・・プログラムの大きな要素だ。
身体をソフトに包み込み、確実にサポートするシートを実現するために、クッション素材のポリウレタンフォームを徹底的に研究。業界平均に対して非常に密度の高い独自の高密度フォームを採用するに至ったという。
また、シート表皮中央部にはさらに15mm分レイヤーを重ねることで、座った瞬間の当たりの柔らかさとなじみの良さを向上。
・座った瞬間に感じるソフトで快適なフィーリング
・たっぷりとしたクッションの厚みがもたらす運転時の快適性
・大きなシート座面および背面によるサポート性の向上、健全な姿勢の維持
・高い耐久性
こうしたメリットに加え、さらに運転席にはマルチポイントランバーサポートを搭載。ドライバーの体形に合わせたシートの微調整ができるだけでなく、8つのエアバッグにより5パターンのマッサージを提供する。
リアシートを独立した3座としている点もC5エアクロスSUVの個性だ。それぞれの乗員が等しく同じ優れた快適性を享受できるという考えで導入され、グランドC4スペースツアラーなどのノウハウを応用したという。それぞれのシートが前後に150mmのスライド幅を持ち、バックレストは19°から26.5°までの5段階に調整が可能となっている。
C5エアクロスSUVの装備
C5エアクロスSUVは、ADAS(先進運転支援システム)でもSUVをリードする存在だ。
なかでも、自分がちょうどいいと感じる位置を高速道路でキープする「ハイウエイドライブアシスト」について説明しておこう。
・渋滞での完全停止と3秒以内の再発進が可能なトラフィックジャムアシスト
・前走車との車間距離を保つアクティブクルーズコントロール
・車線内の左右任意の位置を保持して走行するレーンポジショニングアシスト
を統合したシステムである。
とくにレーンポジショニングアシストは、車線の左右の白線内の任意の位置を指定して走行ができる。これはグループPSAだけのシステムとされており、ドライバーの好みに応じて車線のやや左側をキープしたり、高速道路の流れが遅い状態で車線左側をオートバイが通過しがちな場合にやや右側にC5エアクロスSUVを寄せることが可能。運転者に違和感を感じさせたり、強制的に車線中央のみを走行するなどという不自然さがないのが特徴だ。
さらに前方の車両や障害物を検知し、ドライバーが回避操作を行わない場合に自動的にブレーキを作動させる「アクティブセーフティブレーキ(被害軽減ブレーキ)」、約5km/h以上の走行時にフロントレーダーにより前走車との距離を検知し、ドライバーに注意を促す「ディスタンスアラート」、斜め後方のブラインドスポットに存在する後続車両を検知して危険な車線変更を抑制する「アクティブブラインドスポットモニター」、対向車や前方車輌を検知してハイビームとロービームを自動で切り替え夜間走行の安全性を高める「インテリジェントハイビーム」などを搭載する。
また、C5エアクロスSUVには、パークアシストとバックカメラを装備した。パークアシストは車庫入れや縦列駐車の際に、駐車可能なスペースを検知し、ステアリング操作を自動で行う。ドライバーはシフトチェンジ、アクセル、ブレーキ操作だけで駐車できる運転操作の負担が軽減されるシステムとなっている。
バックカメラは、後進の際に車両後方の状況をタッチスクリーンに自動で映し出すもの。距離や角度が認識できるガイドライン、俯瞰映像により周囲の状況を正確に把握することができる。
また、トップリアビジョンは後退時、障害物に接近すると自動的にカメラのメイン画像を俯瞰映像のズームに切り替える。距離感を分かりやすくドライバーに伝えることで運転時の安全確認をサポート。ヒルスタートアシスタンスは、約3%以上の勾配の坂道ではブレーキペダルを足から離した後も約2秒間制動力を維持し、坂道発進をアシストする。
このほかにも、リアシート頭上まで広がるパノラミックサンルーフ、Apple CarPlay・・、Android Auto・・に対応するスマートフォン接続機能、スマートフォンのワイヤレス充電エリアを用意した。
C5エアクロスSUVのパワートレイン
C5エアクロスのドライブトレインはクリーン・ターボディーゼル2.0ℓブルーHDiと電子制御8速オートマティックEAT8というコンビネーション。最新の欧州環境基準に適合している。
2000バールの高圧燃料噴射と可変ジオメトリーターボチャージャーの組み合わせで、
・最高出力:177ps
・最大トルク:40.8kg-m
を発揮。低回転域から溢れるトルクで車体を前に押し進める。
また、最先端のクリーンテクノロジーを採用し、酸化触媒、SCR(選択還元触媒)、DPF(微粒子フィルター)の3ステップで排出ガスに含まれる有害物質を除去。AdBlue・・(アドブルー:尿素水溶液)を使用することでNOxを最大90%除去することができる。
電子制御8速オートマティック「EAT8」は、日本のアイシン・エィ・ダブリュと共同開発したもので、「エコ」「通常」「スポーツ」といった3つのドライブモードを用意した。
また、FFながらオフロード性能を備え、グリップコントロールでは、センターコンソールのダイヤルで路面状況に応じたモードを選択できる。マッド(泥)、スノー(雪)、サンド(砂)、そして通常のESCオフが選択可能である。
標準装着のマッド&スノータイヤとあいまってFFならではのフリクションロスの少なさによる燃費、優れた走行性能を両立。また、勾配が5%以上の急な下り坂でブレーキ操作なしに車速を低速に保つことができるヒルディセントコントロールも装備した。
C5エアクロスSUVの価格/スペック
C5エアクロスの日本価格は424万円。下記の装備をパックにしたナッパレザーパッケージ・オプションを36万円で追加することもできる。
・ナッパレザーシート(ブラウン&ブラック)
・フロントシートヒーター
・パノラミックサンルーフ(電動メッシュサンシェード付き)
・運転席マルチポイントランバーサポート
・ツートーンナッパレザー革巻きステアリングホイール
・アルミペダル
車名シトロエンC5エアクロスSUV
グレードシャインシャイン・ナッパレザーパッケージ
駆動方式FF
価格424万円460万円
エンジン 1997cc直4ディーゼル・ターボ
使用燃料 軽油
ステアリング 右
全長 4500mm
全幅 1850mm
全高 1710mm
ホイールベース 2730mm
車両重量 1640kg 1670kg
最高出力 177ps/3750rpm
最大トルク 40.8kg-m/2000rpm
燃料タンク容量 52ℓ
燃費(WLTC) 16.3km/ℓ
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