510psのフラット6 NAに5kgの車重増
text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
【画像】最新 992型911 GT3 先代991型911 GT3、GT3 RSと比 全89枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
最新の992型ポルシェ911 GT3が発表された。スペック表を見ていると、既視感がなくもない。新しく就任したボスは、以前のボスと似た人柄のよう、とでもいえようか。
近寄って見てみても、強い新鮮味はないかもしれない。少し車重が増え、少し馬力を増している。水平対向6気筒エンジンにはターボが載らず、ペダルは3枚か2枚が選べることは以前と同じ。かなり高額になっているのだが。
もちろん、この情報だけで最新のGT3を判断するのは間違い。実際に運転すれば、今までで最も大きな進化を得たGT3だと気がつく。
初代となった996型のGT3から2代目の997型GT3への進化も、大きなものだった。だが今回の992型は、筆者がこれまで運転してきたGT3の中で最も感銘を受けた1台となった。
触れるべき内容はかなり多い。手短に確認していこう。
4.0Lのフラット6には10psが追加され、最高出力510psを獲得している。馬力で比べれば、先代の991型のGT3の500psと、最終進化形のGT3 RSの520psの間に相当する。
車重は先代から5kg増えている。むしろ、40kg近く増えていた可能性があるところを、積極的なダイエットで5kgのプラスに留めたといった方が正しいだろう。
具体的に見ていくと、エンジンの軽量化で6kgのマイナス、エグゾーストシステムで10kg、電装系用にリチウムイオン・バッテリーを採用し10kgを削減。さらに薄いガラスを用いることで4.7kgを削っている。
ダウンフォースは最大で385kg
ほかにも軽量なエンジンマウントの採用で3.5kg、カーボンファイバー製のボンネットで2.5kg、防音材の削減で1.9kg、リアデッキの変更で0.5kgなど、細かな部分も抜かりはない。鍛造ホイールは1.3kg軽いという。
オプションのセラミック・ブレーキやカーボンファイバー製のシートとルーフを選べば、一層の軽量化も図れる。ただし、この3つのオプションを加えると、GT3への支払金額が10%以上高くなるから、見積もりの際は気をつけたい。
空力的な改善も大きい。最新型は、ポルシェが詳細な数字を明らかにしたいと思えるダウンフォースを生成する、初めての911 GT3ではないだろうか。
特に、高くそびえるスワンネックと呼ばれるステーで支えられる、大きなリアウイングが目新しい。空力的な役割を果たすのは主にウイングの下面だから、上から支えることで面を平滑にし、ダウンフォースを高める機能がある。
フロントスポイラーも新形状。ボディの下面にはディフューザーが内蔵され、ホイールハウス周辺の気流を調整し、リアウイングとのバランスを取るように設計されているそうだ。ジャッキアップしてフロントタイヤを外さないと見れないが。
これらが組み合わさり、最大で385kgのダウンフォースを生成するとポルシェは説明する。先代のGT3より、150%以上も大きい数字となる。
史上初のダブルウイッシュボーン
それ以外、見た目の進化はわかりにくい。しかし、大きなホイールを外すと最大の変更部分が顕になる。58年間の公道用911の歴史上初めて、フロント側のサスペンションにダブルウイッシュボーン式が採用されたのだ。
もし992型のGT3以外でダブルウイッシュボーンが与えられた911を運転したいなら、ル・マン仕様のレーサー、RSRを選ぶ必要がある。値段は、100万ポンド(1億5000万円)くらいは必要だろう。
フロント側の変更に合わせて、リア側のマルチリンク式サスペンションも当然ながら再設計を受けた。加えて四輪操舵システムも備わり、新しいサスペンションと連携して機能することになる。
進化内容の確認はこのくらいにして、運転席に座ってみよう。走り始めてすぐ、駐車場を出る前に新しいフロント・サスペンションが生む変化に気づいた。ステアリングホイールを左右に動かすと、GT3は即時に正確に反応する。
まるでボールジョイントで可動するレーシングカーようだ。操舵感が今までの911とは異なり、少し戸惑うドライバーもいるかも知れない。ステアリングホイールは想像していたより軽い。筆者はパワーアシストの効きを弱くした。
乗り心地もソフト方向へ調整した。先代のGT3の挙動を反映してか、フロントスプリングのレートは2倍に引き締められている。ただし先代はマクファーソンストラット式で、今回はダブルウイッシュボーン式だから、直接の比較はできないだろう。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
普通フェラーリ買うでしょ。