ベントレーラインナップの中心的な存在であるコンチネンタルGT。その4ドア版がフライングスパーであるという認識は、こと新型に関する限り改めたほうがよさそうだ。確かに昔はコンチネンタル・フライングスパーなどと名乗っていて姿カタチも似ていたから、そう思われてもおかしくはなかったけれど。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur
先代よりもホイールベースを延長し、ボディサイズは全長5316×全幅1978×全高1484mmとなった。価格は2667万4000円。
第3世代となった新型フライングスパーとコンチネンタルGTとの共通点はごくわずか。ダッシュボードそのものの雰囲気と基本のメカニズム(パワートレーンやシャシーの基本構成など)くらいで、それ以外はまるで別物。なかでもその走りが違った。ドライバーズカーのお手本という意味ではコンチネンタルGTと同じベクトルを向くが、ライドクオリティは正にスポーツサルーンであり、クーペのGTとは異なる洗練を持ち合わせていた。
パワートレーンはW12ツインターボ+8DCT+4WD、と書いてしまえばコンチネンタルGTとまるで変わらない。だからこそ筆者は新型フライングスパーの試乗前にとても危惧していたことがあった。コンチネンタルGTは3代目へとモデルチェンジするにあたってスポーツカー志向を強めていた。デュアルクラッチミッションDCTの制御ひとつをとっても繊細さに欠けるきらいがあって、ショーファーとして使われる場面も多いはずのフライングスパーにふさわしいものではないと思ったからだ。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spurなんとも言えぬ心地良さ新型フライングスパーの国際試乗会はモナコのロテルド・パリを起点に行なわれた。普段でもベントレーやロールスロイスがまるでメルセデス・ベンツやBMWのように停まっているような場所だが、それでも新型フライングスパーがずらりと並ぶ光景は壮観だ。そのうちの1台を借り受けて広場をぐるりと走り出した瞬間、抱いていた危惧など杞憂に過ぎなかったと知った。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur数mも走れば即座に乗り心地の良さが分かるという極上のライドフィールだった。しかも十二分に静かだ。22インチというバカでかいタイヤを完璧に履きこなしている。パワートレーンはスムーズに動き、DCTはGTとはまるで別物のように変速した。シャシーの動きも実に懐が深くしなやかだ。これくらい洗練された乗り心地をハナから提供されると、ドライバーは(初めて試すクルマであるにも関わらず)自ずとリラックスできてしまう。モナコのただでさえ気を遣う狭い道を通りつつも、3Dレザーに代表される新しいデザインアイデアをじっくり眺めながらドライブするという心の余裕が生まれるというものだ。移動というプロセスを濃密に楽しむことができる。最新のラグジュアリィというべきだろう。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur新型もまたよくできたショーファーカーだった。その確認を終えてモナコの街を飛び出し、南仏の田園地帯を目指して北へと向かう。もっと驚かされたのはそこからだった。オーナードリブンのスポーツサルーンとして、新時代の幕開けというにふさわしい走りを新型フライングスパーがみせてくれたからだった。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur
12.3インチHDタッチスクリーンを備えるコクピット。タッチパネルだけでなくハードキーでの操作も可能で、利便性を向上している。
適度に曲がりくねったワインディングロードに出ても、W12エンジンは相変わらずほどよくラウドなエンジンサウンドを棚引かせつつ、滑らかにそして力強く回っていた。DCTの変速はまるで段差のない継ぎ目をぴっちり併せて超えていくようでとても心地がいい。リアまわりのスタビリティの高さと、4WS(後輪操舵、モナコには必須だった)によるロングホイールベースを感じさせない回頭性の良さ、ハンドル操作で望んだところへ正確に前輪を置けるというフロントミドシップ特有のステアフィールなど、このうえなく思い通りにドライブできる。それなりに大きなサイズのサルーンであることを忘れてしまうほどに!
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur頑張り過ぎない程度に速いスピードでワインディングロードをひらりひらりと駆けぬけたときの何とも言えぬ心地よさは、コンチネンタルGTに代表されるラグジュアリィスポーツカーとは次元の違うドライビングファンだった。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur
フルサイズのパノラミックガラスサンルーフは、オプション装備。
スポーツサルーンの新境地ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur
ベントレーは100周年を迎えるにあたり、次の100年に向けマスコットのデザインを大幅に変更した。このマスコットはドライバーが車に近づくと、ウェルカムライトとキーレスエントリーに連動し、自動でせり上がる。
ここまで読み進んで新型フライングスパーに興味をもち、いちど試乗してみようかと思った方にアドバイスをひとつ贈りたい。最近のクルマはたいていドライブモードを選択できるのだが、フライングスパーももちろんそうで、試しにカスタムをチョイスしてほしい。これは自分の好みを組み合わせるモードだけれども、3つある選択項目のうちステアリングフィールだけをコンフォートにして、残りのパワートレーンとエアサスペンションのモードはB(オート)を選ぶ。そうすると、コンチネンタルGTとはまるで違うドライブフィールであると筆者が主張する理由を端的に分かってもらえるはず。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spurテクノロジーをシンプルに使いこなすことで、スポーツサルーンの新境地を拓いた新型フライングスパー。コンチネンタルGTの単なる4ドア版でないことは、実は乗らなくてもそのノーズを見ればたちまち分かることだった。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur
エンジンには、6リッターW12ツインターボエンジンを搭載。8速トランスミッションを組み合わせ、最高出力635ps、最大トルク900Nmを発揮する。
より大型になり押し出しのいっそう強くなったグリルの上には、フライングスパーとしては初めてフライングBのマスコットが輝いていたのだから。ちなみにベントレーとしては初めてマスコットが電動で格納できるようになったことも併せて報告しておこう。
ベントレー フライングスパー|Bentley Flying Spur
クロームスリーブを装着し、消灯時でも輝いて見える最新型LEDマトリクスヘッドライト。リアライトにはベントレーのBのモチーフをあしらっている。
文・西川 淳 写真・ベントレー モーターズ 編集・iconic
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みんなのコメント
夢をみつつに・・・
オデもうじじいじゃん