■旅のスタイルは、飛行機からクルマへ!
新型コロナウイルスのパンデミックによって、さまざまな分野で大きな経済的打撃が報告されているが、観光産業ほど痛手を負った産業もないだろう。多くの人が同じ空間を共有する移動手段(飛行機、客船)での旅行スタイルは、この先数年はコロナ禍以前の状況には容易に戻りそうもない。
いつかは乗りたい「ラグジュアリーな最新キャンピングカー」3選
そこでいま見直されているのが、クルマを使った旅行スタイルだ。シュトゥットガルト近郊にあるハイルブロン大学で観光学を教えるクリスチャン・バウアー博士は、「持続可能な陸上観光が成功を収めるだろう」と予想している。
「キャンプやキャラバンは1970年代には手頃な価格のレジャーとしても人気がありましたが、1980年代にはオールインクルーシブのパッケージホリデーが台頭してきました。
そして現在では再びキャンプが見直されてきていますが、現在はよりお金をかけたグランピングが主流となっています。そこでドイツにおけるアフターコロナの観光産業のブームは、ハイウェイを使ったキャラバンになるでしょう」とバウアー博士は予想している。
グランピングとは、「グラマラス」と「キャンピング」をかけ合わせた造語。ラグジュアリーにアウトドアを楽しむスタイルで、2015年頃に海外セレブを中心に流行していたグランピング・スタイルが日本にも上陸している。
現在、日本ではキャンピングカーが流行しているが、スタイリッシュかつラグジュアリーなスタイルでグランピングを満喫したいと思うVAGUE読者には、「エアストリーム」をポルシェ「カイエン・ターボS Eハイブリッド」といった高級ハイブリッドSUVで牽引するスタイルがオススメだ。
米国からドイツにエアストリームを輸入しているROKA Werk社代表のArmin Heun氏によると、コロナ禍においてこれまで経験したことのないほど売れ行きが好調であるという。
「通常、夏に向けてトレーラーの在庫を増やすのですが、新型コロナウイルスの危機が発生した際には、たった数週間で完売してしまいました。
弊社は年率10%という安定した成長を過去何年も続けてきましたが、突然、まったく新しいタイプのお客様からのオーダーが殺到するようになり、在庫がすべて売り切れたときには、当社の展示トレーラーさえ売れてしまったほどです。
このようなお客様は、普段から世界の美しい場所に、多額の予算を使って長距離の旅行をしている人たちです。今では、行きたいときにいつでもクルマに乗って新しい場所を訪れ、必要なときにいつでも家に帰ることができるのです」
日本では災害のあとなどにキャンピングカーの販売が好調になる傾向にあるが、コロナ禍においても同様だ。同じような現象は、日本だけでなくドイツでも起こっているのである。
日本ではサイズの制限もあるため、トレーラーハウスを牽引するスタイルよりもキャンピングカーの方が気軽で人気があるが、エアストリームならば自宅駐車場でテレワークの書斎としても活用でき、何よりカッコいい。
■超絶クールなエアストリームでグランピングとは?
アメリカのキャンピングトレーラーでもっとも有名なエアストリームは、1931年に生産をスタート。人気の最大の理由は、創業当時から受け継がれる銀色のアルミニウム製のボディとそのデザインにある。
最初にデザインしたのは、リンドバーグが大西洋横断飛行を成功させた機体を設計したホーレー・ボラウス氏。軽量化と空気抵抗を減らすアイディアが、エアストリームにも踏襲されているのである。
このエアストリームは、約90年前に誕生して以来、アメリカを代表するプロダクトのひとつとなった。艶やかなアルミニウムの曲線は、どこから見ても翼を失った古い旅客機の胴体のように見える。
政治家やハリウッド俳優が所有し、NASAのアポロ11号の宇宙飛行士が地球に帰還する際の検疫施設として使用されたこともある。
オハイオ州ジャクソンセンターでは、今も昔も変わらないハンドリベット工法で製造されているが、内装はかつての伝統的なアメリカーナというよりはブティックホテルのような雰囲気へと進化している。
巨大な曲線を描く窓から光が差し込む広々とした室内には、WiFi、エアコン、電子レンジ、シャワーなどのアメニティが完備され、ホテルさながらの豪華さだ。
前述のArmin Heun氏によると、エアストリームはエコでもあるという。
「1931年以降に製造されたエアストリームの70%がいまだ現役で、そうでないものはほぼ100%リサイクル可能です。
また、エアストリームに乗っていると、水やエネルギーの消費量が大幅に減ることもわかっています。人が日常生活で使用する水は、平均すると1日に155リットルです。しかしエアストリームでは、水を無駄にすることがないので、20リットルで十分です。
また、エネルギーの使い方も様々で、気を付ければ屋根のソーラーパネルだけを使ってオフグリッドで走るこさえ可能です。
カイエン・ターボS Eハイブリッドのようなクルマならば、家族4人がフランクフルトからニューヨークまでエコノミークラスで往復するよりも少ない二酸化炭素排出量で、エアストリームを実に8万km以上牽引することができます」
バウアー博士は、飛行機で移動するのではなく、”bodengebundener Urlaub”、つまり地上での休暇が今後も続くと考えている。
「ジェネレーションXはすでに世界を見尽くしました。新しいものを見るために飛行機に乗る必要はありません。
また、最近では、自宅からクルマで簡単に行ける範囲に、非常に優れた観光インフラが整っています。そして人々はいま、自分の健康だけでなく、どこにでも旅行に行っていいものか、また簡単に家に戻ってこれるのかという不安感を抱いています。
こうした不安と、自分がしていることが持続可能であるかということを鑑みて、人々は飛行機ではなく路上を旅する方を選択しているのです。
これからは、人々は持続可能性を念頭に置いて製品を購入し、旅行に出かけるようになるでしょう。ポルシェの電動モビリティへの取り組みは正しいものだと思います。経済的にも、環境的にも、そして社会的にも、今こそサステイナビリティの時代なのです」
* * *
日本の公道では、法規上エアストリームの本国サイズを牽引することはできないが、ナローボディ化されたものが輸入されているので、日本でエアストリームを牽引しての旅行は夢ではない。
そしていま、企業だけでなく個人の生活でもサステイナビリティが求められている。ハリウッドのセレブがプリウスやテスラに乗る理由はまさにこうしたことによる。
エアストリームを牽引しての旅ならば、サステイナビリティであるだけでなく、コロナ禍における感染の恐れや空港で足止めを食らうこともなく、いつでも帰宅することが可能という利点がある。
もちろんエアストリームを牽引するには、それなりにパワーも必要となる。ポルシェ・カイエン・ターボS Eハイブリッドならば、EVのみでの走行も可能な上、そのトルクの厚さも牽引車として最適だ。旅の概念が、アフターコロナでは大きく変わることは間違いないようだ。
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少なくとも国内は