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【選ぶなら安くて軽いRWD】フォード・マスタング・マッハE RWD 航続距離439km

掲載 更新 3
【選ぶなら安くて軽いRWD】フォード・マスタング・マッハE RWD 航続距離439km

最高出力269psの後輪駆動

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】マスタング・マッハE 競合する純EVのSUVたち クーペ版マスタングも 全166枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


今までフォード・マスタングのエントリーグレードといえば、4気筒ターボエンジンを載せたアグレッシブなルックスの2ドアクーペだった。でも、2021年の前半にご紹介するマスタングのお手頃モデルはこちら。

フォードがマスタング・マッハE スタンダードレンジRWDと呼ぶ、純EVの4ドアSUVだ。車名はちょっと長いが、今の時代を象徴するモデルといえる。

荒野を駆けるポニーのエンブレムと伝説のマッハEというロゴを、電気自動車のSUVに与えるというフォードの決定には賛否両論あると思う。フォードの考えは、以前の試乗記と一緒にご紹介させていただいた。

電動のマスタング・マッハEが売れれば、V8エンジンを載せたマッスルなマスタングにも数年の余命が与えられる。そのとおりなら、筆者はこの名前に納得することができる。

一番お手頃なマスタング・マッハEの英国価格は、4万350ポンド(605万円)から。政府の補助金を差し引けば、3万7350ポンド(560万円)になる。

前回ご紹介したマスタング・マッハEは、デュアルモーターの四輪駆動だった。今回のモデルはシングルモーターで、後輪駆動。モーターは車両後方に搭載され、最高出力269ps、最大トルク43.7kg-mを発揮する。

フロアに搭載されるバッテリーは、実際に利用できる実効容量で68kWh。航続距離は439kmとうたわれる。トップグレードのマスタング・マッハEより約100km短い。またフォルクスワーゲンID.4のファースト・エディションより65kmほど短い。

数字以上に鋭く感じるダッシュ力

しかし、439kmでも充分に実用的な距離だろう。充電器は、最大で115kWまでのDC急速充電器に対応。車重はほぼ1.9tあるが、0-100km/h加速は6.9秒だ。並ぶ数字は悪くない。

インテリアは典型的なフォード。プレーンで、見た目の雰囲気は少し挑戦的。用いられている素材も、プレミアム感が高いものではない。

車内空間は広く、ダッシュボード中央に置かれる縦長のタッチモニターは驚くほど大きい。走行中に触れるのは、少々難しいけれど。

純EVの登場が相次いでいるが、航続距離の長い部類に属するマッハE。ドライビング体験はかなりイイ。まず、0-100km/h加速の数字以上に、ダッシュ力は鋭く感じられる。30km/hから80km/hくらいまでの間が特に速い。

アクセルペダルを踏み倒すと、感心する勢いで進み始める。100km/hを超えた辺りで加速感は鈍り始めるが、それでも充分にパワフル。思わず、積極的に運転したくなる。

ワンペダル・ドライブも見事に機能する。逆に、ブレーキペダルの感触には慣れが必要なようだ。

ブレーキペダルは、踏み始めた直後から強力に制動力が立ち上がる。市街地を穏やかに走らせている場面でも、郊外の道を速めのペースで流している時でも、理想的な制動感とはいえないだろう。

しかしフォードは、ドライビング体験として重要な要素を理解している。マスタング・マッハEにも、ちゃんとそれが反映されている。

想像以上に運転を楽しめる

不足ないエネルギーと不満のない姿勢制御で、ステアリングを切れば即座に回頭し進路を変える。グリップ力も高い。トラクション・コントロールをオフにすれば、後輪駆動の特性を活かしてコーナー出口で意欲的に加速できる。

確かにポルシェ・タイカンのように、車重やボディサイズを包み隠すようなシャシー性能は備えていない。そもそも、そこまで期待はしていないはず。乗り心地は、ぎこちなさを感じる場面も時折あるものの、不快に思わせるほどではない。

クルマに多少の慣れは必要ではある。でも、想像以上に運転を楽しめる。

今回の試乗では、市街地や高速道路、流れの速い郊外の道などを組み合わせ、約160kmを走行した。そこで得られた電費は5.3km/kWh。計算上は、362kmの距離を走れたことになる。

筆者の印象としては、エントリーグレードのマスタング・マッハE RWDが、このモデルでは賢明な選択肢になるだろう。車重のかさむデュアルモーター版より、より魅力度の高いンドリングを備えている。

RWD版には、エクステンデッドレンジと呼ばれる航続距離の長いグレードもある。しかし、英国では1万ポンド(150万円)近い上乗せが必要。

もちろん、筆者一番のお気に入りのマスタングは、V8エンジンを載せたクーペの方。でも、マスタング・マッハEにも充分な魅力を感じる。運転に多少のこだわりを持つドライバーなら、手頃な純EVのファミリーSUVとして選ぶ価値はあるだろう。

フォード・マスタング・マッハE スタンダードレンジRWD(英国仕様)のスペック

英国価格:3万7350ポンド(560万円/英国政府補助金適用後)
全長:4712mm
全幅:1881mm
全高:1597mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.9秒
航続距離:439km
CO2排出量:−
車両重量:1894kg
パワートレイン:AC同期モーター
バッテリー:68kWhリチウムイオン(実効容量)
最高出力:269ps
最大トルク:43.7kg-m
ギアボックス:−

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みんなのコメント

3件
  • 最近EVが沢山出るようになって私も気になっています。何より乗ってみて走りが抜群に楽しい。
    色々調べましたが、航続距離、価格からリーフ60kWhがかな
  • どのみち日本には正規輸入されないので、手が出せません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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