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【ミシュラン新製品】「エナジーセイバー4」 日本設計/開発 日本市場最優先の低燃費タイヤ

掲載 更新 1
【ミシュラン新製品】「エナジーセイバー4」 日本設計/開発 日本市場最優先の低燃費タイヤ

エナジーセイバー4 日本市場優先の商品

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】ミシュランの新製品エナジーセイバー4【ディテール】 全14枚

「もちろん、☆☆☆(3つ星)です」

ミシュランガイドになぞらえて、日本ミシュランタイヤ代表取締役のポール・ぺリニオは新製品に自信満々だ。

2019年12月10日に記者発表会で初公開されたのが、「エナジーセイバー4」。売り文句は、ウエットブレーキ性能と快適性を両立された低燃費タイヤ、である。

2013年から日本市場に導入した、「エナジーセイバー+」の後継という位置付けだ。サイズは軽自動車用の145/80R13から登録車用の205/55R16まで、13~16インチで全23サイズを2020年2月1日から順次発売する。

注目されるのは、設計/開発を日本で行った、日本市場最優先の商品という点だ。

ベリニオ社長は言う。「いま、自動車産業は100年に一度の大きな変革期を迎えました。タイヤにも(時代変化に対応に)同じ水準での進化が必要な時期なのです」

「ミシュランは企業方針として、モビリティの継続的な発展に貢献するため、イノベーションを原動力としています」

「そのうえで、重要なことは、製品のトータルパフォーマンスを追及することです」と流暢な日本語で説明した。

さらに「(ミシュランにとっての)タイヤ事業の市場として、日本は、アメリカ、中国に次ぐ大きな市場。アジア全体でみると、中国以外のアジア商圏の約半分が日本なのです」と、日本市場の重要性を強調した。

日本は世界最大の低燃費タイヤ市場

日本市場と特徴は「市場の約7割が低燃費タイヤであること」(日本ミシュランタイヤ関係者)という点だ。

日本ミシュランは、低燃費タイヤを含む、環境対応タイヤを1993年から日本で発売。この分野でのパイオニア的な存在としての自負がある。

2010年に、一般社団法人日本自動車タイヤ協会が始めた、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を等級化して表示するラベリング制度が採用された後に導入された「エナジーセイバー+」は、新車の生産工程でのライン装着品の定番だ。

具体的には、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどの輸入車向けや国内メーカーではトヨタ・プリウスPHVやホンダヴェゼルなど、60以上の国内外自動車メーカーで採用されている。

また、タクシーなど旅客運送業者からも「低燃費タイヤでありながら、走る/曲がる/止まるという操作の応答性が良い」など評価され導入実績が上がっている。

一般消費者向けでは、日本国内で2000人を超える大規模な調査を行ったところ、ウェットグリップ、ドライグリップ、ハンドリング、乗り心地の良さ、摩耗しにくさ、ひび割れしにくさ、性能の長持ち、高速運転時の安定性において、低燃費カテゴリーの平均値を超えた。

また、消費者の満足度でも平均値を上回った。

日本での設計/開発へ変更

「エナジーセイバー+」で高評価があるものの、まだ足りないところがある。

それが、ウエットグリップ、低燃費性能、そして静粛性だ。この3点は、他の市場と比べると日本の消費者ニーズが特に高いことが分かったという。

日本における雨天時の事故発生割合は、非雨天時と比べて約4倍というデータがある。

また、日本では他の市場と比べてハイブリッド車の普及率が高く、今後はEV(電気自動車)や燃料電池車などの電動化も進む中、タイヤから発生するノイズがより顕著になる傾向が強い。

こうした点を加味して、これまでのフランスでの設計/開発から大きく方針を転換。

「エナジーセイバー4」は、1991年開設の日本ミシュランタイヤ太田R&Dサイト(群馬県太田市)で設計および開発を行った。

ミシュラングループ研究開発部門は、フランス、アメリカ、日本総勢約6000人で、そのうち日本は約300人(うち研究者は約200人)。

「長期的な基礎研究は日本とフランスで、また静粛性やノイズ解析は日本が主体」(同サイト関係者)という。

今回、ウエットグリップ対応では、新配合のコンパウンドを採用。その結果、新品時でのウエットブレーキ性能は同社製品比「距離が5.5%短く止まる」ことを実現。

また、パターンノイズ低減には縦溝幅の最適化して、ノイズは5%低減。ロードノイズ対策ではアンダートレッドラバーを用いて転がり抵抗を低減し、ノイズを9%低減することに成功した。

2020年にも日本市場向け商品登場が確定

日本で設計/開発された「エナジーセイバー4」は日本市場のほか、香港と台湾でも発売する予定だ。

生産については「アジア生産」という表現に止めており、生産国や詳しい場所は公表していない。

会見の最後に、ぺリニオ社長は、今年の感想と来年の抱負について次のように話した。

「今年は新車向けとリテール(小売り)向け、それぞれ充実した年でした」

「新車向けでは、自動車メーカーがEVやプラグインハイブリッド車などの生産が増える中、転がり抵抗などタイヤに対する要求項目が変わってきたと感じます」

「リテールでは、今年発売したクロスクライメートがユーザーに好評で販売も伸びました。来年は、日本市場向けに新商品を発表します。新車向けも含めて事業が順調に拡大することを期待しています」

日本市場を重視する、仏ミシュランの2020年の動きに注目していきたい。

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みんなのコメント

1件
  • エコなんだろうけど

    エコタイヤの乗り味は好きになれない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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