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ホンダ「ZR-V」が謳う「SUV3.0」とは? CR-Vやヴェゼルとは異なる思想で作られたZR-Vならではのパッケージング。

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ホンダ「ZR-V」が謳う「SUV3.0」とは? CR-Vやヴェゼルとは異なる思想で作られたZR-Vならではのパッケージング。

台形スタンスと艶やかフォルムが「SUV3.0」の進化ポイント

ホンダの新型SUV「ZR-V」が発表された。発売開始は2023年4月21日ということで、しばし先となるが「SUV3.0」をうたう意欲作の基本骨格について整理していきたい。

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カテゴリーとしては、グローバルCセグメントSUVとなる。つまり、ホンダのラインナップでいえばヴェゼルとCR-Vの中間にあたるモデルというわけだ。

フォルム優先のルーフラインと居住性を両立させたパッケージルーフに向けてボディを絞った「台形スタンス」はZR-Vのパッケージを特徴づける要素のひとつCセグメントということはシビックと同じアーキテクチャーを用いていることが容易に想像できるだろう。実際パワートレインは2.0Lハイブリッドと1.5L VTECターボというもので、シビックとの共通性を感じさせるものとなっている。

あらためてZR-Vのコンセプトワードを列挙すると「SUV3.0」「異彩解放」といったところになる。これまでのSUVは「SUV2.0」として、ひとつ上のフェイズに上がることを目指している。そして異彩解放というグランドコンセプトには『凛々しく艶やかなクルマを自在に操る自信と余裕があなたらしさを鮮やかに解き放つ』という思いが込められている。いずれにしても従来のSUVとは異なるアプローチで開発されてきたことが伝わってくる。

実際、ホンダの説明では「心を揺さぶる佇まい」「クルマと一体化する感覚」「美しい使い勝手」などなど数多のSUVでは聞いたことがないようなフレーズが連発していた。

そんなZR-Vのパッケージにおけるキーワードが「台形スタンス」「艶やかなフォルム」といったものだ。さらに「セダンライクな乗車姿勢」「整然としたラゲッジ」というワードも飛び出していた。

後席は6:4分割可倒タイプ。シンメトリーデザインのラゲッジはSUVとしての使いやすさを狙ったもの後席を格納するとフラットなラゲッジとなる。壁面の波模様はキズがついても目立たせない効果があるというロングドライブで真価を発揮するパッケージ

CR-Vと比べてヒップポイントを35mm下げている。走り優先のパッケージといえる後席はシビック同等のセダン的な乗車姿勢となる。開口部とのギャップは少々気になるそしてSUV3.0ということは、セグメント分けしたときにはヴェゼルの兄貴分、CR-Vの弟分に位置するZR-Vのパッケージは、そのいずれにも似ていないということになる。

具体的に見ていこう。

フロントシートのヒップポイントは、CR-V比で35mmも下がっている。さらにアイポイントは57mmも低い。大径タイヤや余裕のロードクリアランスといったSUVに求められるハードウェアスペックとセダンライクなドライビングポジションを両立した、絶妙なパッケージになっている。

後席はさらに違いが明確だ。ヴェゼルであればステップの高さとシート高のバランスがよく自然に乗り降りできるが、ZR-Vについてはどこか違和感を覚える乗降性となっていた。その理由はリヤの座らせ方で、着座姿勢はシビック的なヒップポイントが低いものとなっている。

近距離ユースで乗り降りが繰り返されるようなシーンでは若干ストレスを感じそうなパッケージともいえるが、シートに座ってしまえばいつまでも乗っていたいと思えるパッケージといえる。ロングドライブ向けのSUVに仕上がっていることが期待できるのだ。

過去に試乗した経験でいえば、ヴェゼルにしても、CR-Vにしても長距離ドライブを苦にするタイプではなかった。そこから考えられることは、ZR-Vのロングドライブ性能というのは、Cセグメントとしても群を抜いた存在となっていることだ。今回は、静的な確認だけだったので走りについてはまったくわからないが、大いに期待させるパッケージとなっている。

縦桟のフロントグリルはZR-Vの個性といえる特徴上級グレードはエキゾーストガーニッシュが備わっている長く乗っていたくなるインテリア

エモーション面のロングドライブ性能としては、インテリアの仕上げも重要だ。

その点においてZR-Vのコクピットは非常にポイントが高い。パンチングメッシュでエアコン吹き出し口を隠すというデザイン手法はシビックと共通しているものだが、ハイデッキのセンターコンソールはSUV3.0を実感させる表現であり、またパーソナルスペースを区分けしているのはロングドライブでの適度な距離感を確保してくれるものだ。

シビックゆずりのワイド感のあるインパネ。ハイデッキコンソールによるパーソナル感の演出も見事だガラスパールを使ったプライムスムースは、これまでにない輝きをみせるそれでいながら、フロントのドリンクホルダーが並んだレイアウトになっているなど、左右どちらのパッセンジャーもストレスなく過ごせる意識されている。

ディテールでいえば、ドアトリムの肌触りの良さ、薄い金属製パドルシフトの操作感、ハイブリッドのシフト周りのエルゴノミックな形状など、本当に細部まで心を配ってデザインされているのも好印象だ。

全体的な印象やディテールへのこだわりから、ZR-Vのインテリアが緻密に作り込まれている。ともすればSUVというのは大味になりがちなものだが、そこにとどまっていないことももまた「SUV3.0」の証左といえる。

おそらくZR-Vでロングドライブを楽しんでみれば、その価値が実感できることだろう。2023年4月以降にはZR-Vはストリートを走りだす。そうした魅力を味わえるオーナーが増えていくことに期待したい。

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みんなのコメント

3件
  • CXハリアーとは違う
    パクリクロス
  • 昭和の香り漂う拘りのない凡庸デザイン、スポーティでもない、高級感もない、オフロードイメージも感じられない。

    ホンダはイーロン・マスクに買われて、すぐさまデザイナー全員クビにして、入れ替えた方がいい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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