現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > SUVブームでも消えない欧州! 絶滅寸前の日本! 「国産ワゴン」人気が衰退した理由とは

ここから本文です

SUVブームでも消えない欧州! 絶滅寸前の日本! 「国産ワゴン」人気が衰退した理由とは

掲載 58
SUVブームでも消えない欧州! 絶滅寸前の日本! 「国産ワゴン」人気が衰退した理由とは

 この記事をまとめると

■豊富にあった国産ワゴンはミニバンとSUVにシェアを奪われてほとんどが消滅

見た目は実用車なのにエンジンは超強烈! リアル羊の皮を被った狼な国産車5選

■欧州では走行安定性に優れて荷物も積めるステーションワゴンが好まれる

■クルマ作りが欧州メーカーに近いスバルはワゴンをブランドアイデンティティにしている

 ミニバンとSUVに需要を奪われた国産ワゴン

 SUVが好調に売れて車種を増やす一方、選択肢を急速に減らしたのがワゴン(正確にはステーションワゴン)だ。10~15年前までは、トヨタにはカルディナやマークIIブリット、日産にはステージアやウイングロード、三菱にはレグナムやランサーワゴンなどが用意されていたが、今はすべて廃止されている。

 現時点で堅調に売られているワゴンは、レヴォーグとカローラツーリングだけだ。マツダ6ワゴンやシャトルは登録台数が下がった。5年ほど前は、国内で新車として販売される乗用車(軽自動車を含む)の10%をワゴンが占めたが、今は3~4%と少ない。

 ワゴンが減った背景にはふたつの理由がある。ひとつは日本や北米で、ワゴンの売れ行きが下がったことだ。日本では1990年代の後半以降、車内が圧倒的に広いミニバンが売れ行きを伸ばし、2000年代には国内で売られる乗用車の20%以上を占めた(今は約15%)。ワゴンはミニバンの普及に押されて売れ行きを落とし、車種も減らした。近年ではSUVの販売比率も、以前の約5%から15%以上に増えて、ワゴンの需要を奪っている。北米ではSUVがミニバンの需要を奪った。

 ワゴンが減ったふたつ目の理由は、メーカーの車両開発の余裕が乏しくなり、ワゴンのテコ入れに消極的になっていることだ。さまざまな車種をそろえて新たなユーザーを獲得することより、車種を減らして効率を高めることを重視するから、人気の伸び悩むワゴンは廃止に追い込まれた。

 このようにワゴンは販売戦略の事情も伴って車種を減らしたが、機能的なメリットまで薄れたわけではない。ワゴンの全高は大半が1500mm以下だから、リヤゲートを備えた荷室の使い勝手に優れたカテゴリーでは、天井がもっとも低い。

 天井が低いと荷室高も減るから荷物の積載では不利になるが、重心も下がるため、走行安定性や乗り心地を向上させる上ではメリットも生じる。ミニバンやSUVで高速道路を走り、横風にあおられると直進安定性が下がりやすいが、ワゴンはセダンと同等に安定している。

 欧州ではSUVブームでもステーションワゴンは消えず

 このワゴンのメリットを裏付けるのが欧州車の動向だ。メルセデス・ベンツ、アウディ、BMW、フォルクスワーゲンなどには、今でもワゴンが豊富に用意されている。

 欧州では高速走行の機会が日常的に多いため、低重心で走行安定性の優れたクルマが好まれる。そのためにビジネスにおいても、荷物を積みやすいワゴンが使われている。前述の通り欧州車のワゴンは日本へも多く輸入され、今のワゴンの選択肢は、日本車よりも欧州車が圧倒的に上まわる。

 日本のメーカーでは、スバルがレオーネの時代からワゴンにこだわってきた。レガシィツーリングワゴンで市場を確立させ、今でもレヴォーグを主力車種に据えている。

 スバルがワゴンに力を入れる理由は、クルマ作りの考え方が欧州メーカーに近いからだ。安全性に影響を与える走行安定性と乗り心地のバランスを重視するから、カテゴリーとしてはワゴンが最適で、ブランドの表現手段にも使われている。

 そしてスバルは、SUVについても1995年から、レガシィツーリングワゴンをベースにした低重心のアウトバック(当時の国内名称はレガシィグランドワゴン)を手掛けている。フォレスターも初代と2代目は、ワゴン風のボディ形状で、全高を1600mm以下に抑えていた。

 つまりワゴンを手掛けるか否かは、そのメーカーやブランドの安全意識も反映させている。そういう意味でも、各メーカーともにせめてコンパクトとミドルサイズの2車種くらいはワゴンを用意すべきだと思う。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
日刊自動車新聞
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
くるまのニュース
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
レスポンス
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
バイクのニュース
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
AUTOSPORT web
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
THE EV TIMES
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス

みんなのコメント

58件
  • ミニバンとSUVが増えたからでしょ
    セダンに活気があるメーカーや地域では
    ステーションワゴンも健在ですよね
  • 逆にスバルはミニバンブームの時に無理くり出したエクシーガで大コケしました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8638.0万円

中古車を検索
レヴォーグの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8638.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村