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“アルピナ新時代”を告げるグラントゥーリスモ

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“アルピナ新時代”を告げるグラントゥーリスモ

BMW 8シリーズ グランクーペを、アルピナの定法に則って高性能かつ上質に仕立てあげたグラントゥーリスモへ。アルピナの8気筒搭載モデルで最も魅力的、筆者がアルピナ随一と思うB3と共に、アルピナ新時代を告げるにふさわしい仕上がりだ。

思い出の名車の“現代版” グラントゥーリスモ

“虜”にならない方がおかしい

アルピナには悔しい思い出がある。もうかれこれ15年くらい前になるだろうか。岡山のコレクターが所有していたB7Sターボクーペ(6シリーズベースで世界限定30台)を格安で購入し、いろいろと手を加えて乗っていた。けれどもクルマが増えすぎたこともあって、買った値段で手放すと、そこから急に相場が上昇、今では3000万円以上するのだという。いやはやクルマを見る目があるというか、ないというか。

それはさておき、アルピナの最新モデルB8グランクーペの日本プレミアで、会場の入口にアルピナグリーンの綺麗なB7Sターボが飾ってあって、さらに悔しい気分になった。もちろん同じ個体ではない。こちらは本国にてフルレストアされた由緒あるB7Sだったが、見た目が同じなのだから悔しさがぶり返しても当然というものだろう。

嗚呼、惜しいことをした。アルピナーグリーンのB8を見ても尚、そう思ってしまう。なぜならこのモデルはB7Sの現代版なのだから。ベースとなったのはG16 8シリーズグランクーペ。アルピナの定法に則って高性能かつ上質なグラントゥーリスモへと仕立てあげられている。

4.4リッターV8 ビ・ターボエンジンはBMW製N63ユニットをベースに、最高出力を621psにまで高められた。BMW M社によるS63ユニットベースのM8用エンジン(620ps)を上回るスペックで、さらに上級仕様のM8コンペティション用(625ps)に迫る。

特筆すべきは最大トルク値。800Nmで2000回転から溢れ出す。これにアルピナ・スウィッチ・トロニック付き専用8速スポーツATとリアLSD付き4WDシステムを組み合わせることにより、0→100km/h加速はわずかに3.4秒、最高速324km/hと、スーパーカー顔負けの性能を発揮する。

アルピナのもう1つの魅力といえば足回りのリセッティングだ。注目すべきはフロントアクスルで、ハイドロマウント付きアクスルストラットに独自スペックのアイバッハ社製スプリングを組み込む。そのうえで21インチのアルピナ鍛造アロイホイールにピレリによる専用の21タイヤがおごられた。フロントホイールの間からはブルーペイントされた強力なブレンボ製4ピストンキャリパーが顔を覗かせている。

アルピナ8気筒モデルで最も“惹かれる”乗り味

記しながら垂涎、の内容である。日本で発表されてまもないB8グランクーペを早速借り出して、都内から京都までのドライブを楽しんでみた。

結論からいうと、総合的な魅力は筆者がアルピナ随一と思うB3に勝るとも劣らなかった。少なくともアルピナ8気筒モデル(B5、B7)の中では最も“惹かれる”モデルだった。

B8用パワートレーンは少々ハイスペックながら基本的にはB5やB7と同じだ。けれども、ドライブフィールは最もバランスがいい。ドライビングファンなスポーツカーにもなるし、極めて快適なグラントゥーリズモになるという点で、5や7に優る。ベースである8シリーズの成り立ちに負うところも大きいが、それを十分に理解したうえで新たな魅力を加えたアルピナの技術力も素晴らしい。

加速フィールの凄まじさでいえば、B5の方が優っていた。けれども実際にはB8の方が速い。素晴らしいエグゾーストサウンドを奏でながら極めて安定した加速をみせるからだ。ここまでの安定感はB7にもなかった。

ハンドリングも同様だ。フロントアクスルの動きは切りはじめから終わりまでドライバーに忠実で、怖いくらいにシャープというわけじゃない。精緻かつ正確なハンドリングゆえ、ハイスピード領域においても安心して身を任せることができる。ベースの8シリーズにはそもそも前輪と両腕が一体となったような良好なハンドリングフィールが宿っていたが、B8には腕どころか上半身まで一体となったかのような錯覚を覚えた。高速道路におけるクルージングもそうなら、ホームコースのワインディングロードを攻め込んだときもそうだった。

乗り心地の良さは8シリーズの数段上だ。路面からのショックは控えめにドライバーへと伝えられ、自然な弾みをもって足回り全体でいなしていく。驚くほど滑らかで、しかも感覚的に収束までの時間が短い。だから自信を持ってステアリングワークを続けることができるのだ。それゆえ乗り心地はどの領域においても素晴らしいと感じることができた。

B3のときもそうだった。このライドフィールを知ってしまった身体をどうしてくれようか。文字通り伝説のB7シリーズの“次”を担ったモデル。その乗り味は、B3とともにアルピナ新時代を告げるにふさわしいものだった。

文・西川淳 写真・タナカヒデヒロ 編集・iconic

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