スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)の創設者であるジェームズ・グリッケンハウスは、彼のチームが開発しているLMHル・マン・ハイパーカー『SCG 007』を同プラットフォームのベースシャシーとして他メーカーに提供可能であることを示唆した。
2021年シーズンのWEC世界耐久選手権デビューを目指して車両開発が進められているSCG 007。アメリカのスポーツカーメーカーが作るこのマシンには、ラリー競技車のエンジニアリングで知られるピポ・モチュール社製エンジンが搭載されている。
グリッケンハウスは将来、LMHと同じクラスを戦うLMDhル・マン・デイトナhを使用する自動車ブランドにとって、このエンジンが選択肢のひとつになり得ると語った。
WEC:ル・マン・ハイパーカーの出力低下決定も、グリッケンハウスはピポ・モチュール使用を継続
また彼は、SCGがLMDhプラットフォームを検討する段階において設計面でより多くの柔軟性を求めているブランドに対してSCG 007をベース車とするLMHプラットフォームを提供できると示唆している。
ル・マン24時間を主催するACOフランス西部自動車クラブと北米のIMSAが取りまとめたLMDhに参入する自動車メーカーは、単一サプライヤーのハイブリッドシステムを搭載するマシンを作る過程で、オレカ、リジェ、ダラーラ、マルチマチックという4つのLMP2メーカーの中からシャシーを選択する必要がある。
これによって自動車メーカーは現行のDPiと同様に車両開発のコストを低く抑えることができる一方で、LMHとは異なりオリジナルシャシーではないために車両デザインの段階で一定の制約が課せられることになる。
「私たちはLMHプラットフォームを評価しているふたつの大手自動車メーカーと話し合っており、彼らは自分たちのボディとエンジンをマシンに組み込むことができる」とグリッケンハウスは語った。
「それはLMDhよりもはるかに良いクルマかもしれない。もうひとつの問題は、大手メーカーがLMDhプラットフォームを利用してクルマを作るのであれば、そこに選択の余地はないということだ」
「しかし、それは広告塔としてどうだろうか?」
「LMDhに興味があるが、独自のシャシーを作りたいと言っているフェラーリのようなメーカーが、本当にLMP2ベースの車両を作るだろうか。私はそうは思わないね」
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