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【10年ひと昔の国産車 09】ブーン ルミナスとパッソ セッテは使えるコンパクト ミニバンだった

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【10年ひと昔の国産車 09】ブーン ルミナスとパッソ セッテは使えるコンパクト ミニバンだった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「ダイハツ ブーン ルミナス/トヨタ パッソ セッテ」だ。

ダイハツ ブーン ルミナス/トヨタ パッソ セッテ(2008年)
「プチバン」とも呼ばれる、コンパクト ミニバンの販売が好調だ。これ1台で何でもこなすオールマイティ性の高いスタイルに、ダウンサイジングの風潮やイニシアル&ランニングコストの低減を意識すると、確かにこのカテゴリーが台頭してくる。もちろん、現在のトップランナーはホンダのフリードだ。

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そこにまた、いかにも売れそうな1台(2台?)として登場したのが、このルミナスとセッテ。当然だがベースとなったのはブーンとパッソ。したがって企画も製作もダイハツが担当し、トヨタへはOEM供給となる。

そもそもこのクルマが生まれた経緯は、軽から普通車への移行組に向けてのフォローから始まっている。じつは、その移行組は月に4500台ほどあるそうで、そのうち必要に迫られての3列シートへの乗り換えは27%に及ぶ。こうしたニーズは、軽が持つコンパクトさのメリットは維持した上で、でも3列シートが必要というもので、けっして大きなミニバンが欲しいワケではない。つまり、ウィッシュやストリームでも大きすぎるというのだ。

スライドドアにしなかったのも、それが理由のひとつ。とにかく、サイズも価格も抑えるためだ。そしてもうひとつは、ファミリーっぽさを極力払拭したいということにあったのである。これはターゲットとなる「アラサー&アラフォー」世代の声によるもの。「独身の友だちや子供のいないお隣の奥様はカッコいいクルマに乗っている。私だって所帯じみたファミリーカーよりもカッコいいクルマに乗りたい!」という本音に応えたものなのだ。

クルマを企画する段階で、きっちり実際のユーザーが見えているために、その要望にも確実に応えていこうと努めている。したがってユーティリティ面も、女性の日常生活に必要な装備がふんだんに盛り込まれている。たとえば、狭い街中で使うことを考慮した5.2mの最小回転半径。セパレートかベンチかを、グレードによって選択できる1列目シートという具合だ。

ちなみにこのシート配列は、かなりの重要課題。ウオークスルーは前後と左右どちらが優先かというのは、子供の年齢を含めたライフスタイルによって、ずいぶん変わってくるからだ。そして言うまでもなく、2列目以降もうまくレイアウトされている。2列目のスライド量は大きめに、3列目の足元は2列目のシート下にきちんと収まるなど、フル乗車でも無理せず座れるような絶妙な配置だ。さらに基本的には3列目は普段はたたんでおくことを前提に作られているので、ラゲッジスペースはその状態で考えた方がいい。

パワー的にはフル乗車+フル積載でもまったく問題なし。ストップ&ゴーの多い一般道でも、むやみにアクセルを踏み込まずとも「スルスル~ッ」と加速していってしまう余力に、少々ビックリさせられたほど。形状的に横風も受けるし、タイヤサイズも小さいので、高速でカッ飛ばすというわけにはいかないが、それくらいゆとりがあると思ってもらえばいい。

一方で乗り心地に関しては、5名乗車を標準に設定してあるため、1~2名だと路面によっては少しハードに感じられる。逆に7名乗車でも底づき感はなく、1クラス上のクルマのような重厚感やドッシリ感が伝わってくるくらいだ。つまり、いちばん不安要素を払拭したい場面で、しっかり感が感じられる設定になっているということなのだろう。3列ミニバンとしてのミニマムサイズを追求したルミナスとセッテ、いかにも売れそうなクルマだ。

■ダイハツ ブーン ルミナス CX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4180(4195)×1695×1620mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1190kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1495cc
●最高出力:80kW<109ps>/6000rpm
●最大トルク:141Nm<14.4kgm>/4400rpm
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:21.0km/L(19.6)
●タイヤ:185/55R15
●当時の車両価格<税込み>:173万5000円(186万5000円)
( )内はパッソ セッテS

[ アルバム : ブーン ルミナス/ パッソ セッテ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

8件
  • 現実は、スライドドアじゃなかったので、売れずに早期に販売終了して、生産終了したシエンタが再生産された。
  • 東南アジア向けに用意された7人乗り小型ミニバンを、日本市場に投入したが、エコカー減税の対象から外されるなど、トヨタにしてはマーケティングを間違えた感が強い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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