コロナウイルス感染拡大や世界的な半導体不足などによって新車の納期遅延が長期化している車種も多い。その影響で中古車相場が値上がり傾向となっている。
中古車で値上がりというと、日産 スカイラインGT-Rやホンダ NSX、マツダ RX-7といったスポーツカーをはじめ、トヨタ ハイエース、ランドクルーザーなど世界で人気の高いモデルが思い浮かぶ。
カローラはスリランカに需要あり? 5年後意外に高騰しそうなクルマ5選
カーボンニュートラルに向けて電動化が進められているため、今後新興国向けなどへ輸出される純ガソリン車の中には、人気モデル以外でも値上がり傾向となる車種が増えるはずだ。
そこで、ここでは5年後に高値で売れるかもしれない“想定外なクルマ”を5車種選んでみた。信じるか信じないかはあなた次第だ。
文/萩原文博、写真/トヨタ、三菱、スズキ
トヨタ カローラアクシオ
2012年登場のトヨタ カローラ アクシオ。3ナンバーサイズとなったカローラが登場した現在でも5ナンバーサイズセダンとして併売されている
まず取り上げるのは、トヨタ カローラ アクシオ。2012年にカローラシリーズ通算11代目として登場したカローラ アクシオは、TNGAを採用して3ナンバーサイズとなったカローラが登場した現在でも併売されている5ナンバーサイズセダンだ。
カローラ アクシオが高値で売れる理由としては、同じ5ナンバーサイズセダンのプレミオ/アリオンがスリランカなどで人気車となっている。すでにプレミオ/アリオンは生産終了となっているため、その後継車としてカローラ アクシオが指名される可能性が高いと見た。
カローラ アクシオは1.5Lエンジンのハイブリッド車もあるが、1.5Lや1.3Lという小排気量エンジンを搭載し、現在でも新車が販売されている1.5Lエンジン車には5速MT車もある。
1万1000円のスペアタイヤと1万5400円のリアワイパーという2つのオプション装備を装着しておけば万全だ。
また、カローラ アクシオの中古車の平均相場は、3カ月前の2022年7月の時点では約84万円だったが、現在は約93万円まで上昇している。すでに値上がり傾向は始まっているのだ。
さらに、5ナンバーサイズのステーションワゴン、カローラフィールダーも3カ月前の平均価格だった約105万円から現在は約110万円まで上昇中。こちらの値動きも注意したいところだ。
三菱 デリカD:5
2007年登場の三菱 デリカD:5。2019年2月のビッグマイナーチェンジ後のモデルであれば期待以上の高値で売れる可能性は高い
続いてピックアップするのは、2007年に登場したロングセラーミニバンの三菱デリカD:5。中でも5年後高値で売れる可能性があるのは、2019年2月に登場したビッグマイナーチェンジ後のモデルだ。
外観は三菱のデザインコンセプトである“ダイナミックシールド”を採用。内装はインストルメントパネルのデザインが一新され、水平基調をベースにサバ杢柄の立体木目を採用するなど質感を向上させている。
2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、アドブルーを使用する尿素SCR4システムを採用するなど、主要部品の約50%を改良。組み合わされるトランスミッションも8速ATへと変更されている。
ADASと呼ばれる運転支援システムも一気に進化し、高速道路で追従走行が可能なレーダークルーズコントロールシステムが標準装備となった。
ビッグマイナーチェンジ前の2017年式の残価率が約71.5%とミニバンの中でもトップレベルなので、走行性能、環境性能、安全性能が向上した2019年式以降のモデルであれば、期待以上の高値で売れる可能性は高いと考えた。
レクサス RX
2022年6月にワールドプレミアされたレクサス RX。特に高値となりそうなのがRX500h FスポーツパフォーマンスとRX450h+の2グレード
2022年6月にワールドプレミアされ、そろそろ販売開始となる。新型レクサスRXも高値で売れる車種だ。
外観はレクサスの新しいアイデンティティを表現した“スピンドルグリル”を採用。さらに走る楽しさを追求したパフォーマンスモデル「RX500h Fスポーツパフォーマンス」を導入するなど、これまでのラグジュアリー路線から大きく舵を切っている。
特に高値となりそうなのが、2.4Lターボエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載するRX500h Fスポーツパフォーマンス。そして、クラストップレベルのEV後続走行距離を実現した2.5Lプラグインハイブリッドシステムを搭載したRX450h+の2グレード。
先にリリースされたNXも1年待ちとなっているので、RXもグレードによっては納車まで同じくらい長くなる可能性もある。
スズキ ハスラー
2019年12月に現行型が登場したスズキ ハスラー。旧型モデルの5年落ちでも約74.8%という高い残価率を誇る
ここからは軽自動車。旧型モデルの5年落ちでも約74.8%という高い残価率を誇っているスズキ ハスラー。2019年12月に登場した現行モデルならば、より高い残価率を記録しそうだ。
現行型ハスラーは、軽量と高剛性を両立させた新世代プラットフォーム「ハーテクト」、そして環状骨格構造などを採用。さらにボディのスポット溶接部に「構造用接着剤」をスズキ初採用し、部品間のわずかな隙間を埋めることで接合を強化することにより、ボディ剛性を向上させている。
運転支援システムも夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、全車速での追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロール、車線逸脱抑制機能をスズキ軽初採用するなど高い安全性が魅力だ。
搭載する2つのエンジンにはマイルドハイブリッド機構が組み合わされ、軽自動車でトップレベルの燃費性能を実現するなど、軽自動車の中で高い実力を持っているのが理由だ。
スズキ エブリイ
2015年登場のスズキ エブリイ。軽バンは日本国内はもちろん海外でも人気が高く、意外な高値となると予測した
そして最後は、2015年に登場した軽商用バンのスズキ エブリイ。その理由の一つは同じ年に発売されたワゴンモデルの5年落ち、2017年式の残価率が約73.3%と高いことが挙げられる。
またエブリイのような軽バンは日本国内だけでなく、海外でも人気が高いため意外な高値となるクルマとして選んだ。
いかがだろうか。これまでは高値で取引される中古車はスポーツカーが中心だったが、新興国などへの輸出が増えると、スポーツカーに加えて意外なクルマも値上がりすることがあるので、手放す時には事前に調べておくようにしたい。
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みんなのコメント
いずれ「火星ではトヨタ一強か?」なんて記事書くのかも。