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いま運転の楽しいEVは? 9位~7位 フォルクスワーゲンID.4 マツダMX-30 フィアット500e 英編集部選TOP 11(2)

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いま運転の楽しいEVは? 9位~7位 フォルクスワーゲンID.4 マツダMX-30 フィアット500e 英編集部選TOP 11(2)

9位 フォルクスワーゲンID.4 GTX 差別化の難しさ

フォルクスワーゲン・グループは、モジュラー・プラットフォームの導入で合理化を進めるが、モデル毎の差別化を明確化することへ手を焼いている様子。MEB EVと呼ばれるバッテリーEV(BEV)用をベースとするモデルでも、同様のようだ。

【画像】いま運転の楽しいEVは? フォルクスワーゲンID.4 マツダMX-30 フィアット500e 全88枚

特にその影響を受けているのが、アウディなどの上級ブランド。さらにグループ内で理想的なセンターを務めるべく、フォルクスワーゲン自体のモデルも特徴が薄くなっているように思う。

フォルクスワーゲンが高性能なGTXの導入へ積極的なのは、その事実を改めようという考えが理由だろう。ところが、完全に機能しているともいいにくい。

グループ内には、ID.4 GTXに並ぶ存在としてクプラ・ボーンという強敵がいる。ステアリングホイール奥のシフトセレクターやパワーウインドウのスイッチ、小さなメーター用モニター、インフォテインメント・システムなどを共有することは、乗ればすぐわかる。

リアが主軸だと感じるシャシーバランス

実際のドライビング体験も遠からず。四輪駆動ながら、リアが主軸なことを僅かに感じるシャシーバランスは同じといえ、むしろID.4 GTXの方が重く軽快さでは劣る印象。ステアリングホイールの操舵感は重めでも、ダイレクト感が薄い。

ID.4 GTXが悪いというわけではない。グループ内には、より面白いモデルが存在するということ。コスト削減の結果も見え隠れする一方で、価格もそれほど安くない。

高性能モデルとしての、アイデンティティの難しさも見えてくる。エンジンやエグゾーストからドライバーが受ける感覚は存在せず、鋭い加速を簡単に引き出せるなかにあって、特別なモデルだと表現することは簡単ではない。

シャシーは、従来以上に磨き込む必要が出てくる。ID.4 GTXは直線が速いものの、そこの詰めが甘いように思う。 Illya Verpraet(イリヤ・バプラート)

8位 マツダMX-30 多くへ優れていると感じる

11台も乗り比べすると、それぞれの印象が混同しないように、しっかりメモを残す必要がある。マツダMX-30のメモを振り返ると、ナイス、と書いた項目が少なくない。このクルマの多くへ、優れていると感じたことがわかる。

特にインテリアは、しっかりデザインされていてまとまりが良い。MX-30は今回のノミネート車両では手頃な価格の部類に入るが、ホワイトのレザーとクロスが組み合わされたシートも、コルク材の化粧トリムも好ましい。

プラスティック製パネルもマット仕上げ。全体的に高級感があり、居心地が良い。

MX-30が普段乗りしやすいことも明らか。運転も楽しいといえる。しかし最大のネックといえるのが、160kmを超える移動時には、計画的に29.0kWhの駆動用バッテリーを充電する必要があること。英国の場合、現実的には小さくない制限となる。

またドライバーズカーと呼ぶには、得られる充足感もさほど高くない。ステアリングホイールは自然なフィーリングで、重み付けが良いものの、フィードバックは不足気味。

シャシーバランスも悪くないが、全体的には安全志向が強い。MX-30の最高出力は145psに留まり、際立つほどの動力性能というわけでもなかった。 Illya Verpraet(イリヤ・バプラート)

7位 フィアット500e 小サイズで機敏に走る

新しいフィアット500eを、好意的に受け止めている人は多い。筆者もファンの1人だ。

スタイリングは可愛く、ボディサイズは小さく、機敏に走る。内燃エンジン版よりひと回り大きくなったものの、初代から派生する魅力や遊び心が詰まっている。車内の居心地も良い。

サーキットは500eが得意とする環境ではないとしても、シティカーとしての楽しさがここでも光る。シャシーはレスポンスに優れ、ステアリングホイールへの入力に細かく反応。それでいて、過敏だったり不安に感じさせることはない。

重心が低いためボディロールは小さく、意欲的にコーナーへ飛び込んでいく。アクセルペダルでのライン調整も僅かながら可能。最高出力は118ps、最大トルクは22.3kg-mしかないが、気がつくと500eを長時間運転していた。

回生ブレーキと摩擦ブレーキが共存するBEVにあって、ブレーキペダルの感触も良い。パワーが穏やかなぶん、回生ブレーキの制御は難しくないのだろう。

ステアリングホイールに伝わる感覚が、ドライバーを刺激する。コーナーで僅かにボディを傾けながら、脱出に向けてすべてのパワーを掛けられる走りが好ましい。他のモデルが辛そうな急な曲がり角でも、積極的に路面へ食らいつく。とても楽しい。

フィアットらしい、控えめな動力性能ではある。だが、パワフルなアバルト仕様が控えている。われわれが期待する、小さく熱々なBEVになるかもしれない。 Matt Prior(マット・プライヤー)

フォルクスワーゲンID.4 GTXとマツダMX-30、フィアット500eのスペック

フォルクスワーゲンID.4 GTX(英国仕様)のスペック

英国価格:5万5555ポンド(約916万円)
全長:4584mm
全幅:1852mm
全高:1612mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.2秒
航続距離:468km
電費:5.7-5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2149kg
パワートレイン:AC非同期モーター(フロント)+AC同期モーター(リア)
バッテリー:77.0kWh(実容量)
最高出力:299ps
最大トルク:48.0kg-m
ギアボックス:シングルスピード

マツダMX-30 e-スカイアクティブ(英国仕様)のスペック

価格:4万8490ポンド(約800万円)
全長:4395mm
全幅:1795mm
全高:1570mm
最高速度:140km/h
0-100km/h加速:9.7秒
航続距離:199km
電費:5.6km/kWh
CO2排出量:−
乾燥重量:1645kg
パワートレイン:同期モーター
駆動用バッテリー:29.0kWh(実容量)
最高出力:145ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード

フィアット500e 47kWh(英国仕様)のスペック

英国価格:2万9435ポンド(約485万円)
全長:3632mm
全幅:1683mm
全高:1527mm
最高速度:146km/h
0-100km/h加速:9.0秒
航続距離:320km
電費:8.5km/kWh(予想)
CO2排出量:−
車両重量:1365kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:37.3kWh(実容量)
最高出力:118ps
最大トルク:22.3kg-m
ギアボックス:シングルスピード

続く6位~4位は(3)にて

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