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次期メルセデスAMG GT 冬季テスト車両発見 アファルターバッハ最後のV8世代か

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次期メルセデスAMG GT 冬季テスト車両発見 アファルターバッハ最後のV8世代か

AMG最強の2ドア・クーペ 来年デビューか

メルセデスAMGは、フラッグシップモデルである「GT」に大幅に改良を加えた第2世代を2023年にリリースする見込みだ。その新たなプロトタイプをAUTOCARのカメラが捉えた。

【画像】メルセデスAMGのハイブリッド・クーペ、2代目へ【次期AMG GTのプロトタイプと新型SL、現行GTを写真で比較】 全66枚

「C192」と呼ばれる新型GTは、第7世代のメルセデスAMG SLと双子のような関係にある。オープントップはSLに任せ、クーペを担う。両モデルの開発はAMGが引き継いだため、ベンツではなくAMGのエンブレムが付けられることになった。

北極圏で行われた冬季テストの写真に見られるように、ロングボンネットとショートテールのおなじみのプロポーションで、2015年に登場した現行モデルと同様、大型のリフトバック式テールゲートが採用されている。

アクティブ・エアロダイナミクスに重点が置かれているようで、SLと同じフロントアンダーボディスポイラーが確認できる。これは、車速が100km/hを超えると下方に約40mm伸び、車体下部にベンチュリー効果をもたらすことで、250km/hでフロントの揚力を50kg低減させるというものだ。一方、リアには、80km/h以上でダウンフォースを増加させる5段階調整ウィングが備わっている。

最新のSLと同様、AMGが主導するプログラムで開発・設計されているが、メルセデス・ベンツの他部門からも技術的支援を受けている。英国に本社を置くハイパフォーマンス・パワートレイン部門は、今年遅ればせながら公開された新型AMGワンにおいて、F1由来のパワートレインのエンジニアリングも担当している。

パワートレインは4.0L V8ツインターボ「M178」で、今回から新たにドライサンプ潤滑方式を採用することが明らかにされている。ドイツで手組みされるこのユニットは、SLと同等の出力を発揮し、新型「GT 53」では475ps、「GT 63」では585psとなる見込み。

4気筒も用意? パワートレイン刷新

現行モデルと同様に、GT R、GT GT3、GTブラックシリーズなど、パワフルなモデルも用意される。中でも興味深いのは、AMGがGT 63 S Eパフォーマンス4ドア・クーペと同じプラグインハイブリッド・システムを搭載する、新型「GT 63 S Eパフォーマンス」の開発にも着手していることだ。

このシステムは、GT 63のV8エンジンとリアアクスルに取り付けられた電気モーターを組み合わせ、合計出力843ps、オーバーブースト時には最大150kg-mを発生させる。新型GTに搭載されれば、フェラーリ296 GTB(830ps)やランボルギーニ・シアン(819ps、限定生産)をも凌ぐ、非常にパワフルなハイブリッドクーペとなる。

現段階では、バッテリーサイズやEV走行距離は不明(4ドア・クーペは6.1kWhバッテリーで約12kmのEV走行が可能)だが、ホイールベースの延長によりパッケージングが改善されたと言われている。

GTはSLと同様、直列4気筒および6気筒の両エンジンに対応できるよう設計されている。中でも、SL 43に搭載された2.0L 4気筒ユニット「M254」は、48Vマイルドハイブリッド・システムと電動ターボチャージャーを搭載し、最高出力380ps、最大トルク49kg-mを発生させる。

新型GTには、初代モデルに搭載されていたマグナの7速DCTに代わり、自社開発の湿式クラッチ付き9速スピードシフトが採用される。また、四輪駆動システム「4マチック+」も搭載される見込み。

シャシーは専用チューン

構造としてはオープントップのSLと同じモジュラー・スポーツ・アーキテクチャをベースにしているが、固定ルーフとリフトバックテールゲートに対応するよう手が加えられている。新型車の開発に携わった関係者によると、縦方向、ねじれ方向、横方向の剛性がすべて向上しているという。

また、シャシーマウントを新たに開発し、オリジナルモデルのNVH特性や路面感度を改善したとのこと。一方、ボディにはアルミニウム、スチール、マグネシウム、カーボンファイバーが使用されている。

大きな変更点として、SLSで初めて採用され、現行GTまで続いたリアトランスアクスルの廃止が挙げられる。これは、SLに採用された4マチック+と後輪操舵システムの搭載スペースを確保するためだ。

こうした変更に関わらず、前後重量配分は、従来の47:53から大きく変化していないという。

足回りとしては、新開発のアクティブ・ロールコントロール・サスペンションが採用され、フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク式で、スチールスプリング、可変ダンピング、油圧作動式ロールバーが組み合わされている。これもSLと同じセットアップだが、エラストキネマティック特性を変更し、「全く異なるドライビング・キャラクター」を与えるためのチューニングが施されるようだ。

インテリアは、SLとほぼ同じ2+2の構成となる見込みだが、よりスポーツ性を強調するため、細部のトリムが変更されるだろう。

AMGを代表するV8エンジン搭載車

新型のC 63では、V8エンジンから2.0L直列4気筒ハイブリッドに置き換わり、ハイパーカーのAMGワンもF1由来のV6ハイブリッドを搭載していることから、アファルターバッハ製の8気筒エンジンの時代がもう終わりつつあることは明らかである。

現在、GT 4ドア・クーペやSL、Gクラス、GLSなどで4.0L V8が搭載されているが、2023年にデビューする新型GTとS 63が、同エンジンを載せたAMG最後の市販モデルとなりそうだ。

AMG初の公道向け市販モデルが誕生してから約40年。V8エンジンを搭載した最も派手で誇らしい傑作をいくつか紹介する。

1986年:AMGハンマー

このスーパーサルーンのパイオニアは、大人気のW124型230Eをベースにして、同時代のBMW M5に対抗して登場した。AMGの将来を決定づけたモデルと言っても過言ではない。最も強力なモデルでは、高度に改良された6.0L V8を搭載し、ランボルギーニ・カウンタックとほぼ同等の0-100km/h加速5.0秒を達成できた。

1997年:メルセデスC 43 AMG

メルセデス・ベンツがAMGを買収した後、ベースとなったW202型Cクラスと同時に生産された最初のモデル。4.3L V8エンジンを搭載し、最高出力310ps、最大トルク41.7kg-mを発揮したこのモデルは、セダンとステーションワゴンが販売された。

2004年:メルセデス・ベンツSLRマクラーレン

SLRは、モータースポーツ界のビッグネーム2社が共同開発したスーパーカーである。ゴードン・マレーがデザインし、マクラーレンが英国で製造したこのモデルは、AMGの5.0L V8スーパーチャージャーによって600ps以上のパワーを発生し、この時代を代表するハイパフォーマンスカーとなった。

2012年:メルセデスC 63 AMGブラックシリーズ

標準のCクラスとは似ても似つかないハードコアなブラックシリーズ第4弾。忘れがたいコーナリング性能だけでなく、5.5L V8ツインターボの高い順応性によって、多くの評論家から「技術的にも戦術的にも大成功」と称賛された。

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みんなのコメント

2件
  • 時代の流れとは言えV8も終焉の時なんですね。
    仕方ないとは言え寂しいものです。
    現行型後期GTに乗っていますが次期型もV8が搭載されると言う事で一安心して発売を待ちます。
    EVシフトが押し進む車社会ですが
    内燃機関の車以上に魅力あるEVは登場するのかな?
    何にしろEVの価値観が理解できない私は老害なんでしょうね。
    私にとって幸福、幸運な事は沢山ある内燃機関車の
    魅力ある車の何台かを所有でき運転できた事です。
    その内、ガソリン車?何ですかそれみたいな時代になるのかな?
    まぁその時私は生きていないのでしょうけど笑
  • 俗に言うハンマーのベース車は230Eじゃなくて300Eでしょ。エンジンは元々W126に積まれていたM117にツインカムヘッドを載せて6LにしたのでAMGのV8を語るなら最初に積まれたW126の話をする方が的確ではないかと思うが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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