愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第34回。後編は、俳優・アーティストの吉田栄作さんが懐かしの1台、そして気になる1台に触れた!
ドラマでの思い出
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「おおっ! 35年ぶりですよ!」と、興奮を隠しきれない様子で、俳優の吉田栄作さんがトヨタ・スープラに近づいていく──。
1989年に放映されたドラマ『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系列)に出演した吉田さんが、劇中で赤いスープラを運転するシーンは、今も強烈に印象に残っている。
「実は、スープラを運転するシーンはそれほど多くなかったんですよ。でも、スープラのファンの方からも、ドラマのファンの方からも、『スープラを運転していたのを覚えています』と、言っていただけるので、僕とスープラは心に残るような場面で登場したんでしょうね」
劇中で吉田さんが運転したスープラは、日本における初代モデル。“日本における”というただし書きが付くのは、初代と2代目のスープラは、日本では「セリカXX」という名称で販売されていたから。1986年に登場したこの3代目から、世界共通でスープラというネーミングで呼ばれるようになった。ちなみにスープラとは、ラテン語で“上に”とか“超える”を意味する言葉だ。
3代目スープラは、おなじく1986年に発表された2代目のトヨタ「ソアラ」と共通の基本構造を採用。ソアラが“最高級プレステージ・スペシャリティ”という位置づけだったのに対して、スープラは“ハイパフォーマンス・スペシャリティ”を謳い、差別化が図られた。デビュー当時の資料をあたると、最高出力230ps の3.0リッター直列6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載するスープラ3.0GTターボの価格は、333万5000円とある。
3代目スープラは1993年まで生産され、同年5月にフルモデルチェンジされた。
「『君の瞳に恋してる!』は、当時のトレンディドラマのなかでも若い世代の俳優が出演していて、共演した前田耕陽君も同世代でした。20歳前後の若い人が高性能のスポーツカーに乗っていたことも、みなさんの印象に残っている理由かもしれませんね」
そう言いながら、吉田さんは思い出のスープラの運転席に腰掛ける。
「いまになって見ると、カーナビの画面がないのがすごく新鮮ですね。そうそう、ドラマの中で助手席に座ったのは藤田朋子さんと田中美奈子さんでした……。段々と当時の情景を思い出してきました(笑)」
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「まだデビューしたばかりの頃、『はぐれ刑事純情派』(テレビ朝日系列)の第2シリーズで、藤田まことさんとコンビを組む若手刑事を演じて、セダンを運転しました。でも、車種はなんだっけなぁ……。ごめんなさい、車種は思い出せないんですが、刑事ドラマに出るのに必要だからと、デビュー前に親に頭を下げて免許を取ったという話をしたじゃないですか。本当に刑事役で運転しているんだ、お父さん、お母さんありがとう、という気持ちになりました(笑)」
自身の出演作以外で、クルマが印象に残っている作品に話題がおよぶと、吉田さんは「『熱中時代・刑事編』(日本テレビ系列)で水谷豊さんが乗っていたスバル『360』は格好よかったですね」と目を細めた。
「実は、アメリカから帰国するきっかけは、『七曲署捜査一係』(日本テレビ系列)というドラマへの出演オファーがあったからなんですよ(編集部註:このドラマは、『太陽にほえろ!』の復活版として制作された)。『太陽にほえろ!』に出演してもいいように免許を取得したことが、ずっとつながっているんです。ただし、『七曲署捜査一係』はカメラマンの方がものすごく上手で、止まっているのに走っているように撮ってくれるんです。だからせっかくの運転シーンなのに、クルマは1mmも動いていなかった(笑)」
さて、吉田さんがいま、興味を持っているクルマはトヨタの「ハイラックス」という。編集部が用意したハイラックスの各部を、興味津々の様子でチェックする。全長はどれくらいで車庫証明は取れるのかなど、スタッフに具体的な質問をしていることから、かなり本気で考えているようだ。
「ピックアップトラックって憧れがあって、アメリカの映画とかに出てくるとつい目で追っちゃうんですよね。荷台に無造作にサーフボードを積んで、気軽に海に行くような使い方ができるのが、僕にとってのいいクルマなんです」
ポンッとサーフボードを載せて出かけられる、波が似合うクルマ──。
20歳代前半で購入した三菱パジェロ、そしてアメリカで苦楽をともにしたジープ・チェロキーと、吉田栄作さんのクルマへのスタンスは、ブレずに一貫している。
吉田栄作(よしだえいさく)1969年1月3日生まれ、神奈川県出身。1988年『ガラスの中の少女』でデビュー。1991年、ドラマ『もう誰も愛さない』(フジテレビ)『愛さずにいられない』(日本テレビ)などでトレンディドラマ俳優として一世を風靡。2003年にはNHK大河ドラマ『武蔵』、『ブラックジャックによろしく』(TBS)の演技が評価されギャラクシー賞の奨励賞を受賞。2021年は『全裸監督シーズン2』(Netflix)など数多くの作品で活躍。音楽活動では1990年に『心の旅』、1992年に『もしも君じゃなきゃ』でNHK紅白歌合戦に出場。2019年には歌手デビュー30周年を迎え全国ツアーを実施、俳優デビュー35周年の昨年にはシングル『Old Soldier~老兵の剣~』をリリース。今年、5月から東京パルコ劇場を皮切りに大阪、愛知、福岡でシェイクスピア舞台『ハムレット Q1』に出演。
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文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・TOSHI熊田 スタイリング・勝見宜人(Koa Hole inc.) 編集・稲垣邦康(GQ) 撮影協力・パシフィコ横浜
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