旧車のスタイリングに現行スポーツの性能をプラス!
K24A改4スロ仕様で見た目も楽しめるハイスペック旧車
「意識が高すぎる510ブルの現代版チューンド」心臓部はまさかのホンダK24仕様!
ダットサン510(日本名:ブルーバード)は、“プアマンズBMW”などと皮肉な俗称で呼ばれたりもしながらも、高性能で手軽なコンパクトカーとして北米で大ヒットした車両だ。
特に知られているのが、ピートブロック率いるBREレーシングがトランザムというアメリカのレースシリーズで活躍させたマシン。2.5L以下のクラスに参戦し、アルファロメオやBMWをライバルに死闘を繰り広げ、1971年、1972年と2年連続で選手権を征するなどして多くの伝説を残した。
そんな経緯もあり、アメリカを中心に世界中にマニアが存在し、多くの車両が現存しているのがこのモデルの大きな特徴だ。また、ここで紹介する1台だけでなく、大衆車でありながらコレクターによって逆輸入された車両も少なくないのもこのモデルの特徴だろう。
ここで紹介するのは、旧車から最新モデルまで幅広いカスタムを手がける神奈川県の“S&Aオートクリエイト”による作品だ。
最大の特徴は、心臓部にホンダのK型エンジンを換装している事。元々搭載されているL型4気筒エンジンをチューンするという方法もあるが、純正パーツは欠品だらけな上、チューニングに対する費用対効果も低い。そんなこともあり、エンジン換装を選択するオーナーも多いのだ。
チョイスしたエンジンは、i-VTECを搭載するホンダの名機K24。シビックタイプRのK20Aに対して、カムの作用角などが狭いため高回転の伸びでは劣るものの、排気量が大きい分トルク特性ではK24が大きく勝る。ちなみに、K24にも様々なモデルが存在するが、チューニングに向いているのはオデッセイアブソルート用との事。
スロットルにはアメリカのキンスラー社製57φの4連式をインストール。前方に大きく展開するロングEXマニは、S&Aオートクリエイトの中戸川代表が腕によりをかけて製作したワンオフ品。完全等長、超ロング、浅い集合角度などに拘った4-1集合タイプだ。制御はハルテック、DC5用のプラグインタイプを使用する。
ラジエターはS&Aオートクリエイトが良く使うというグリフィン社製。コアのサイズや厚み、ホースの取り出し位置などまでカスタムオーダー可能で、狭い旧車のエンジンルームレイアウトの自由度を高めてくれるという。
デフはインプレッサのR180を流用して、ATSのカーボンLSDをインストール。デフカバーは容量アップ仕様だ。また、ドライブシャフトはトロイアーミッシュ社の等速ジョイントタイプにして強化&リフレッシュ。ミッションはアダプターを介してS2000純正6速を装着する。
ホイールには前述したアメリカの名門、ピートブロック率いるBREレーシング製の15インチをインストール。タイヤサイズは前後共に195/55R15(コンチネンタル製)、オーナーの好みで一般的なカスタムセレクトより外径を少し大きめに設定する。
サスキットはビルシュタインを選び、ウィルウッドのブレーキを装備するなど各部の性能もバランス良く高めている。
ベース車両はアメリカから逆輸入された左ハンドルモデル。メーター類はタコ、スピード共に信頼性が高いスタック製のアナログタイプに変更。ステアリングはレナウン、シートはステータス製でシンプソン社の3インチベルトを装備する。
エクステリアは北米仕様そのもの。ちなみに、国内仕様との違いはガード&オーバーライダー付きバンパーやリヤマーカー、ダットサンのエンブレムなどだ。
なお、当初はSR20DETを搭載するつもりだったそうだが、すでにSRエンジンは入手困難になりつつあり、程度が良い個体も少ない事からK型エンジンにシフトしたという経緯がある。
結果的には、世界的なK型スワップブームの影響で多くのマニアとの交流が生まれるなど、オーナーのカーライフは広がることになったそう。
「シンプルに速さを追求するというのもありです。が、そこにカッコ良さをプラスしていくのが、S&A流のチューニングです」とは中戸川代表。
510ブルに現代でも通用する動力性能を与える事に成功したこの美しいチューンドは、そんな同店のコンセプトを体現した1台に他ならない。
●取材協力:S&Aオートクリエイト 神奈川県平塚市西八幡4-7-7 TEL:0463-23-8191
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みんなのコメント
エンジン本体と車体のギャップがまたいいね。
補機類はどこ行っちゃったんだ?w
米西海岸住んでる時乗ってる人いたけど、
速い云々ではなく楽しそうだったな。
OS技研のもこんなロングなタコ足だけと、それ以上だと思います