■ライバル車、日産「セレナ」やトヨタ「ヴォクシー」との違い
三菱「デリカシリーズ」は、1968年の「デリカ トラック」発売から2018年で50周年を迎えます。現行の「デリカD:5」は、5代目モデルとして2007年にデビューし、いまでは11年目を迎えています。
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モデルライフは国産車の場合、4年から6年。輸入車の場合は、5年から8年と言われています。そんななかで、「デリカD:5」の11年は長い部類に入ります。そんな長寿モデルですがここにきて、自動車専門誌などでは新型モデルの登場が噂されるようにもなってきました。そうなると、販売台数にも若干影響があるものと想像ができます。
ところが、2018年9月の販売台数では、1461台(前年比103%:自販連調べ)という数字を記録しています。なにかしら改良や特別仕様車が登場するなどの話題があれば、販売台数が増加することはわかります。しかし、とくに大きな話題がなくても毎月コンスタントに約1000台前後を販売しているのです。
モデル末期とも噂されている「デリカD:5」はどうして売れ続けるのでしょうか。
まず、基本となるボディサイズは、全長4790mm×全幅1795mm×全高1870mm(4WD車)です。ライバル車として、人気上位ミニバンの日産「セレナ」は、全長4770×全幅1735mm×全高1865mm(ハイウェイスター S-HYBRID 2WD車)、トヨタ「ヴォクシー」は全長4710mm×全幅1735mm×全高1825mmとさほど違いはありません。
パワートレインでは「デリカD:5」は、2リッター/2.4リッターガソリンエンジン/2.2リッターディーゼルエンジンの3種類を設定しています。対して、日産「セレナ」は2リッターガソリン/2リッターガソリン+モーター/e-POWER(1.2リッターエンジンを発電機として活用)を設定し、トヨタ「ヴォクシー」は、2リッターガソリンエンジン/1.8リッターガソリンエンジン+モーターの2種類です。
ほかの国産ミニバンを見ても、ディーゼルエンジンを搭載しているのは「デリカD:5」のみとなり、ディーゼルを好むユーザーには「デリカ」一択です。ディーゼルエンジンは、一般的に低速域から力強いトルクを発生することから、長距離ドライブに向いていると言われています。
■世界で唯一のオールラウンダーミニバン
また「デリカD:5」は流行りの「ミニバン」や「SUV」を合わせたようなスタイルが特徴のモデルです。四輪駆動システムは、ラリーなどで長年培ってきたシステム「AWC」を採用。最低地上高は210mmという数値(セレナ140mm、ヴォクシー160mm)です。
「デリカD:5」はセレナやヴォクシーのようなミニバンと違い、SUVのように高い悪路走破性を発揮して、ミニバン特有の多人数乗車性や十分な積載量を兼ね備えたスタイルが人気の理由といえます。
現行モデルが売れ続ける理由について、三菱の「デリカD:5」開発主任 尾崎氏は、「まずデザインが古臭くならず、飽きが来ないことが理由だと思います。さらに、国産ミニバン唯一のディーゼルエンジンという部分も大きいです。あとは、やはり唯一無二のコンセプトでしょうか。ミニバンとSUVの良さを兼ね備えている『オールラウンダーミニバン』ということが、ほかのミニバンやSUVとの差別化を図っている部分として、売れ続ける要因だと思います」と話します。
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